米Texas Instruments(TI)は、電力メータやエネルギーモニタといったアプリケーション向けに、「MSP430F673x/F672xファミリ」24製品を発表した。この製品はメイン電源のほか2系統の補助電源により、RTCを含むMicrocontrollerの継続動作を保障する製品である。スタンバイモードにおける消費電流は1.4μAであり、スタンバイから動作モードへの移行は3μs以内に行われる。
また、より高まりつつある幅広い測定レンジへの要求に応え、サンプリングレートと応答性を改善したと同社は説明する。内蔵するA/Dコンバータは、通常の10bit SARのものに加えてPGA(Programmable Gain Amplifier)付の24bit ΣΔも搭載され、こちらを使うことで0.1%精度と2400:1のダイナミックレンジが得られる。これはIEC62053/ANSI C12.20で規定された精度を超えており、class 0.1メータの実現を可能とする。
またMPS430F6xxファミリとしてははじめて、320セグメントのLCDコントローラを内蔵、従来製品の対応していた160セグメントに比べて、よりプログラミング性と表示能力拡充が可能になったと説明する。このLCDはデュアルディス比例メモリや、8-MUXモードもサポートし、複数のLCDディスプレイの駆動が可能である。
すでにMSP430F673x/F672x MCUは出荷開始されており、1000個発注時の価格は1個あたり2.00ドルからとなっている。また開発用のターゲットボードである「MSP-TS430PZ100B」も75ドルで用意され、さらにフラッシュエミュレーションツール「MSP-FET430U100B」も149ドルで用意される。またTIからはスマートメータ用ソフトウェアとして「MSP430 Energy Library」が無償提供される。このMSP430 Energy Libraryと、別に提供されるMSP430F6736 EVM for Merering(予価99ドル)を利用することで、単相電力メータの評価を簡単に行うことが可能である。