Texas Instruments(TI)は、業界最高クラスの精度を実現したシャント・モニタIC「INA226」を発表した。全機能を内蔵した16ビットの1チップ・ソリューションで、10ピンMSOPパッケージで提供される。

特徴の1つは、まず12Cデジタルインタフェース経由による、プログラマブルの電流、電圧および電力の計測機能を提供できること。それゆえ、外付けのマルチプレクサやA/Dコンバータが不要となっている。

また、10μV(最大値)のオフセット電圧および、0.1%(最大値)のゲイン誤差特性を提供。低電流時にも高精度を実現するとともに、より小さな値のシャント抵抗を使用でき、電力喪失を低減する点も魅力となっている。

さらに、420μA(最大値)の静止電流および2μA(最大値)のシャットダウン電流によって、INA226内蔵のA/Dコンバータおよびマルチプレクサが動作中の場合でも、同種のディスクリート構成の回路と比較して3.5%低い消費電力で、より高い電力効率の動作を実現した。

それから、140dBのCMRR(同相モード除去比)および36VのCMV(同相モード電圧)によって、動作範囲全体に渡ってオフセット電圧の変化が小さい点もポイントだ。これにより、誤差の解析作業を簡素化できるようになっている。

そのほか、変換時間とサンプルの平均化機能を独立してプログラムできることも特徴のひとつ。各システム向けのカスタマイズ作業を迅速化するとともに、ソフトウェアおよびメモリの要件を緩和している。

スペックは、以下の通り。

  • 電圧ゲイン V/V:1
  • 同相モード範囲:0~36V
  • 出力形式:I2C
  • 入力オフセット(max):±10μV
  • 入力オフセット・ドリフト(max):±0.1μV/℃
  • 静止電流(typ):±0.33 mA
  • 電源電圧範囲 Vs:2.7~5.5V
  • 動作温度範囲:-40℃~+125℃
  • ピン/パッケージ:10MSOP
  • 1000個受注時の単価(参考価格):1.30ドルより

シャント・モニタIC「INA226」。10μV(最大値)のオフセット電圧は、TIのシリーズ製品や、他社製品と比較して小さな値を実現している