National Semiconductor(NS)は、高耐圧パワーコンバータでエンハンスメント・モードGaNパワー電界効果トランジスタ(FET)とともに使用できる100Vハーフブリッジ・ゲート・ドライバ「LM5113」を発表した。

NSのエンハンスメント・モードGaNパワーFET向け100Vハーフブリッジ・ゲート・ドライバ「LM5113」

エンハンスメント・モードGaN FETは、小型サイズとともに低いオン抵抗(Rdson)、ゲート電荷(Qg)などの特長を持っており、標準的なMOSFETに比べ、高い効率と電力密度を実現するが、その駆動の信頼性向上には技術的課題が存在していた。そのため、エンハンスメント・モードGaN FETの厳しいゲート駆動要件を満たすには、複数のディスクリート型デバイスが必要になるほか、回路設計およびPCB設計にも最適化が求められていた。

同製品は、エンハンスメント・モードGaN FETドライバに必要なすべてのディスクリート型デバイスを集積したことで、回路設計およびPCB設計の手間を低減することができ、ディスクリート型ドライバに比べ、部品点数を75%、プリント回路基板(PCB)面積を最大85%低減できる。

独自技術を採用しており、ハイサイド・フローティング・ブートストラップ・コンデンサ電圧を約5.25Vにレギュレートし、最大ゲート-ソース間定格電圧を超過せずに、エンハンスメント・モードGaNパワーFETを最適駆動することが可能。また、シンク/ソース出力が独立しており、ターンオフ強度に対するターンオン強度のフレキシビリティを高めることができるほか、0.5Ωのインピーダンス・プルダウン・パスにより、低スレッショルド電圧エンハンスメント・モードGaNパワーFET向けに高速で信頼性の高いターンオフ・メカニズムを提供し、高周波電源回路の効率最大化が可能となっている。

なお、同製品は4mm×4mmの10ピンLLPパッケージで提供され、1,000個一括購入時の価格は1.65ドルとなっている。すでにサンプル出荷を開始しており、量産品の出荷開始は2011年9月開始を予定している。