富士通テンは5月25日、車載用ディスプレイに直射日光が当たった際の視認性を向上させるLSI「Vivid View Processor 3(VVP3)」を、富士通セミコンダクター(FSL)および富士通研究所と共同開発したことを発表した。
同製品は、2007年のVVP1で打ち出した「くっきり・はっきり・あざやかに」と、2009年のVVP2の際の「車載カメラ(前方・後方)映像の視認性向上」に、新たに開発した「直射日光補正技術」を加えた画質補正LSI。入力画像を解析し、画像の場所ごとに階調差をつけて、どのような明るさの領域も明暗差を拡大できるようにする「局所補正」、暗い領域の階調をつぶれが生じにくい明るい階調に移す「階調補正」、色の薄まりを抑制して鮮やかにする「彩度補正」を組み合わせて、見えにくくなる暗部のコントラストおよび彩度を瞬時に自動補正することが可能となっている。
また、様々な要因(季節・時間・車両・場所)により変化する太陽光を照射センサで検知。照射量に対し補正強度を調整し、画質劣化度合いに応じた最適な映像に補正するほか、短時間での太陽光の急激な照度量変化の繰り返しにも対応できるよう、応答速度も調整することが可能となっている。
さらに、LEDバックライト制御による省電力化として、シーンごとに映像データを解析し、暗い映像の場合は発光量を少なく、明るい場合は発光量を多く、最適な発光量に制御し、その際、バックライト発光量に応じ映像データの明るさレベルを補正し、原画同等の表示を行うことで、ディスプレイ部の消費電力を従来品比で最大54%、平均24%低減することに成功している。
なお、同社では今後、自社のカーナビゲーションシステムの次世代製品に順次搭載していく予定で、第1弾として市販製品「ECLIPSE」の国内向け次期モデルに搭載する予定としている。