Texas Instruments(TI)は、独立した制御が可能な2個のリファレンスを内蔵し、システム・レベルの設計の簡素化に役立つ、2チャネル内蔵の同時サンプリング、逐次比較型(SAR)A/Dコンバータ(ADC)として、16ビット精度品「ADS8363」、14ビット精度品「ADS7263」および12ビット精度品「ADS7223」の3製品を発表した。いずれも5mm角のQFNパッケージで供給中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は、ADS8363が9.95ドル、ADS7263が6.95ドル、ADS7223が3.95ドルとなっている。

16ビットのSAR ADC「ADS8363」

3製品ともに、独立して制御可能な2個の2.5Vリファレンスを集積していることから、システム・レベルの設計を簡素化するとともに、個々のADCのゲイン較正および、プログラマブル・ゲイン、アンプの使用が可能だ。これにより、各ADCで異なるゲイン・レベルが必要な場合にも、外付けのシグナル・コンディション回路が不要となる。

また、1MSPSのスループットを実現しているほか、ファーストイン・ファーストアウト(FIFO)を内蔵しているため、同種の製品と比較して、プロセッサからのアクセスを75%以上低減することが可能だ。これにより、システムの消費電力を低減できるほか、計算能力を他のタスクに使用できるようになるため、性能向上が容易になると同社では説明している。

さらに、最高で8本の疑似差動入力チャネルまたは、4本の完全差動入力チャネルをサポートしており、部品点数の削減とともに、同種の16ビットおよび14ビット製品と比較して2倍の入力チャネル数をサポートすることが可能となっている。

なお、レール・ツー・レール・オペアンプ「OPA365」を搭載し、各ADCの評価に活用可能な評価モジュール「ADS8363EVM」も49ドル(参考価格)ですでに供給が開始されている。