OKIセミコンダクタは、自動風切り音除去フィルタを内蔵した16bitモノラルオーディオCODEC LSI「ML26127」を開発したことを発表した。すでに2010年10月よりサンプル出荷を開始しており、2011年3月より月産200万個体制で量産を開始する予定。生産拠点は、前工程がOKIセミコンダクタ宮城、後工程がOKIセミコンダクタ(八王子)を予定している。
自動風切り音除去フィルタとは、マイク録音時に混入する風音を自動的に抑制し、録音音質を向上させる機能。マイクに風が当たることで発生する風切り音を自動的に検出する機能と、検出した風音を抑制するのに最適な適応型フィルタを搭載することで、本来録音すべき音声を聞き取りやすくすることが可能となる。
また、同製品には録音レベルが急変した直後の音を聞き取り易くするファーストリリースALC(オート・レベル・コントローラ)機能、各種ノイズ低減回路、小型スピーカでも大音量を出力できる独自技術「LoudSound機能」などを搭載。ファーストリリースALC機能により、突発的なノイズを検出した場合のみ音量制御を速くすることが可能となり、これにより音の抑揚を保ちつつ、拍手などの突発音が発生した直後の音声も聞き取ることができるようになったほか、小型スピーカの音量を改善するデジタル音響処理技術であるLoudSoundを活用することで、従来比1.5~2倍の音量を出力することが可能となった。
さらに、フラッシュメモリにデータを保存する場合、書き込み時の大電流により電源電圧の変動が生じ、それが電源を経由してノイズが重畳する問題が発生するようになってきているが、同製品では電源ノイズ除去比率(PSRR)約90dBの性能を実現。苛酷な電源環境でも安定した録音・再生を実現することが可能となった。
加えて、小型機器が内部に搭載しているコンデンサが発生させる特定周波数の音を取り除く「5バンド ノイズ除去用ノッチフィルタ」や、相反する高速起動とポップノイズ軽減を独自のアルゴリズムにより、ラインアンプの起動/停止時におけるDCカップリングコンデンサへの充放電電流によるポップノイズの抑制なども可能となっている。