Texas Instruments(TI)は、同社のビデオプロセッサ「DaVinci」シリーズとして「DM3730」および「DM3725」の2製品を発表した。すでに提供を開始しており、DM3730の1,000個受注時の参考価格は25.60ドルとしている。

2製品ともに、最大1GHz動作の「ARM Cortex-A8」、最大800MHz動作のDSP「C64x+」、3Dグラフィックス・アクセラレータ(DM3730のみ)、ペリフェラル(USB 2.0、SD/MMC他)を集積しており、720pクラスのHDビデオなどの処理も可能となっている。

また、DM3730に搭載された3Dグラフィックス・アクセラレータを活用した場合、同社の「OMAP3530」から移行すると、ARM性能が約40%、DSP性能が約50%それぞれ向上し、グラフィックス性能は倍化することが可能としつつ、約40%の消費電力の低減が出来ると同社では主張している。

なおカスタマは、Bluetooth+Wi-Fiモジュールを搭載した評価モジュール「TMDXEVM3730」を用いることですぐに開発を開始することが可能だ。SDKには、GUI、グラフィックス、アプリケーション、デモ、開発のユーティリティなどを完備したLinux カーネル2.6.32ベースのBSP(ボード・サポート・パッケージ)が用意されている。

また、同SDKに含まれる信号処理アルゴリズム・ライブラリはDSPに最適化されており、マルチメディアのデコードやエンコード処理、数学的処理、高速フーリエ変換(FFT)などのデジタル・フィルタリング、画像のフィルタリングや解析などの画像処理をはじめ、80以上の信号処理アルゴリズムが用意されている。

現在対応のOSはLinuxとAndroidで、Windows CEについては2010年第4四半期からサポートが予定されている。価格は参考価格1,495ドルとしているほか、DM3730搭載の低価格ボードBeagleBoard-xMもオープン・コミュニティより提供中となっている。