Texas Instruments(TI)は、昇圧型コンバータを内蔵し、リチウムイオン電池の端子電圧全体にわたって、同等製品比36%の音量増が可能なオーディオ出力を提供する2W出力、モノラルのD級アンプ「TPA2015D1」を発表した。同製品はすでに出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は1.10ドルとなっている。

「TPA2015D1」

同製品は、8Ω負荷、電源電圧3.6V時に、2.0W(6% THD)の出力が得られるため、主要な競合製品比で36%の大きな音量を提供することが可能だ。また、3.6V~5.0Vの電源範囲で2.0Wの一定出力を提供することから、リチウムイオン電池の端子電圧全体に渡って一定のラウドネスが得られる。

さらに、電池の端子電圧監視型のAGC(自動ゲイン制御)を内蔵していることから、電池電圧の低下に応じてゲインを調整し昇圧回路に流れる電流を制限し、「SpeakerGuard」テクノロジーを内蔵していることで、出力の飽和を防止し、スピーカーを保護することが可能となっている。

加えて、 電源電圧3.6V、出力1W時に81%の効率かつ1.7mAの静止電流であることから、競合製品と比較して2倍の電池持続時間および、5分の1の静止電流を提供することが可能なほか、外付け部品点数の50%以上低減およびソリューション全体のサイズを20.25mm2まで縮小できるという。