Freescale Semiconductorは、同社アプリケーションプロセッサ「i.MX」の次世代版である「i.MX53ファミリ」として、第1弾製品「i.MX535」を発表した。2011年第1四半期から量産を開始する予定。

i.MX535のブロック図

同製品は、同社既存のi.MX51ファミリの上位版という位置づけで、1080pビデオ・デコード、720pビデオ・エンコード、グラフィックス性能の向上、大画面LCDの表示を可能にする400MHz対応外部メモリ・バスを特長として備えている。1080pビデオ・デコードのサポートにより、一般的なオンライン・ビデオ・プラットフォームで提供されるフルHDコンテンツへのアクセスが可能になるだけでなく、HDの双方向ビデオにより、高品質なビデオ会議システムが実現できることから、メディア/V2IP市場のサポートが可能となる。

i.MXのロードマップ(出典:Freescale Technology Forum 2009資料)

また、最大2GBの外部メモリ(DDR3)、シリアルATA、LVDS、Ethernet、ならびに4つのUSBポートなど、主要なペリフェラルを統合しているため、部品コストの削減が可能となるほか、Adobe Flash Player 10.1がi.MX535のOpenGL ESグラフィックス・エンジンおよびH.264ビデオ・コア上での動作に最適化されていることから、高い画像表示能力と長時間のバッテリ寿命の実現が可能だ。

i.MX535は、最大1GHzで動作する拡張バージョンのARM Cortex-A8コアをベースとしており、2010年後半には、最大1.2GHzを実現する高性能バージョンも発表される予定。

なお、i.MX535は、i.MX51ファミリと共通のOSサポートと複数のペリフェラルを搭載しているため、カスタマは従来のソフトウェア資産を活用することが可能となっている。