Analog Devices(ADI)は、スマートフォンやGPS機器などの携帯型電子機器向けに、クラスDオーディオ・アンプ「SSM2375」「SSM2380」を発表した。2製品ともにサンプル出荷を開始しており、SSM2380は2010年4月から、SSM2375は同5月からの量産を予定している。1,000個受注時の単価は0.57ドル(SSM2375)、0.75ドル(SSM2380)となっている。

低消費電力なステレオ・クラスDアンプであるSSM2380は、I2Cインタフェースを搭載、他の外付け部品の必要なしに、ゲインステージ(増幅段)を1dBから24dB(さらにミュート)まで47ステップで設定することが可能だ。プログラマブルインタフェースにより、独立のL/Rチャンネルシャットダウン、可変の低EMI放射コントロールモード、スピーカ保護のためのプログラマブルALC(自動レベル制御)機能を実現する。100dBのSNR(S/N比)で8Ωスピーカを出力1.4Wで駆動、5Vで93%の電力効率を実現している。

一方のSSM2375は、3dBステップで0dBから12dBまで5レベルのゲイン設定をシングルピンで実現する完全集積型のクラスDアンプ。このシングルピンゲイン設定機能により入力抵抗素子が不要となり、良好な入力整合が保証されるため、ノイズ低減とオーディオ品質の改善が実現されることとなる。

アンプは2.5Vから5Vの単一電源動作で、5V電源から3Ω負荷を駆動する場合には、THD(全高調波歪み)1%未満で3Wの連続出力パワーを提供。SNR性能は98dB超で、PSRR(電源電圧変動除去比)は類似した競合のクラスDアンプに比べ、215Hzで10dB高い80dBを実現することが可能だとしている。