米National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、FlexRayやCAN通信を使用したプロトタイプ作成、シミュレーション、ファンクションテストを実現する、組み込みネットワークインタフェース製品「NI-XNET CAN」「NI-XNET FlexRay」を発表した。価格はCANインタフェースが13万2,000円から、FlexRayインタフェースが52万5,000円からとなっている。

組み込みネットワークプラットフォーム「NI-XNET」

組み込みネットワークプラットフォームである「NI-XNET」は、HIL(hardware-in-the-loop)やEOL(end-of-line)テストなど、数百の信号を使用し、遅延をミリ秒未満に抑えることが必要とされる、要求レベルの厳しいアプリケーション用に開発されたもので、FlexRayとCANに対応した14種類のPCI/PXIベースインタフェースと、アプリケーション開発に対応するユニバーサルAPIで構成されている。

CANとFlexRay双方のネットワークおよびデバイスに対応したAPIとして機能するため、CANネットワークを使用する場合でも、FlexRayネットワークを使用する場合でも、コードを書き変えずに同じソフトウェアを実行させることが可能。同プラットフォームのAPIとハードウェアは、スケール変換されたデータを生のネットワークデータに変換する信号データベースが標準搭載されているほか、NI-XNETソフトウェアに含まれている信号データベースエディタは、データベースファイルをFIBEXや.DBCなどの業界標準の形式で取り込んだり編集したりすることが可能だ。また、バスモニタユーティリティ機能も付属しており、バスデータの確認、保存ができるため、トラブルシューティングが簡素化できる。

ハードウェアは14個のPCIとPXIバス対応のFlexRayとCANインタフェースで、1ポートタイプと2ポートタイプの2 種類が用意。ポートごとに専用のオンボードプロセッサが付いており、CANメッセージを周期的にブロードキャストするような集中的なタスクを行う際に記憶領域のデータを開放(アンロード)することができるため、シミュレーションの速度向上が可能だ。また、DMAテクノロジを採用することで、ホストアプリケーションへのデータの高速ストリーミングを可能としたほか、ジッタとCPU 負荷の低減も実現している。

さらにLabVIEWのほか、「NI LabWindows/CVI」やC、C++用のAPIが利用可能であり、複雑なシステムのテストやシミュレーション、プロトタイプ作成を行う場合でも、これらのインタフェースをデータ集録製品や画像入力製品、デジタイザやオシロスコープなどの外付け機器との同期が可能である。