3Dのほか、有機ELやHCFLを展示

最後に裸眼の3D立体ディスプレイの展示は行っていなかったが、メガネをかけるタイプの3D立体ディスプレイを参考出展していたソニーのブースを紹介したい。

これは2009 International CESで公開されたもので、国内初出展となる。パッシブ偏光グラスを用いた立体ディスプレイで、フルHD(1,920×1,080画素)に対応。米REAL Dの技術を用いているほか、展示スタッフに聞いたところ、よりきれいに見えるようにパネルとしても何か手を加えている可能性もあるような微妙なニュアンスの回答をもらった。

ソニーの3D立体ディスプレイ(立体で見るためには専用メガネが必要)

また、同社のブースではこちらも日本初公開となる2009 International CESで公開した21型の有機ELテレビを出展。解像度は1,366×768画素で、トップエミッション構造を採用しているほか、マイクロキャビティ構造により輝度と色純度の向上を、カラーフィルタにより外光反射の低減と色純度の改善をそれぞれ実現したとのこと。

21型有機ELの画像(このほか、薄さ約0.3mmの11型有機ELも展示されている)

このほか、興味を惹いたのが同社が1月に発表した「BRAVIA V5シリーズ」に搭載した新開発のHCFLバックライトの展示。

上から従来のCCFL、新開発のHCFL、従来のHCFL

これまでHCFLは外径が大きいため、CCFLと比べて小型・薄型製品には適さないとされてきた。同社では、カソード部にトリニトロンの技術を応用、ダブルヘリカルのフィラメントを使用することで、細径のHCFLを実現。これにより、多光量、高発光効率、低消費電力、小型/薄型の両立などを実現したという。

40V型で従来CCFL20本必要としていたところをこのHCFLでは8本で済ませることが可能であり、消費電力を約40%削減できたという。また、気になる寿命や輝度、色温度などの部分については、具体的な数値は明らかにされていないが、輝度はCCFL比で本数が減ったことを考えれば向上しているほか、寿命はCCFLに匹敵する数万時間程度、色温度については「蛍光材をCCFLのものと同じものを使用することで同レベルのものを出せている」とする。

すでに同社の液晶テレビに用いられている同HCFLだが、今後はほかのミドル、ローエンドの製品にも展開されていく可能性があるとしている。