高輝度、高解像度の3Dディスプレイ技術

三谷商事のブースでは、仏Alioscopyの42型3D立体ディスプレイや台湾KiSmartの42型両面ディスプレイが展示されていた。

Alioscopyの42型3D立体ディスプレイ

Alioscopyのディスプレイの特長は通常の2D映像と3Dの立体映像の両方を表示することが可能な点。同社の独自技術を導入したレンチキュラーレンズを貼り付けることで、3D立体映像を実現。レンズを用いる方式のため、高輝度、高解像度を実現しやすいのが特長という。

3Dのコンテンツ作製には、3ds MaxやMaya、Lightwave、XSIなどの一般的な3D CGソフトウェアのプラグインを用意。また、視差合成ソフトやインタラクティブ制御用ソフトの提供を行っているほか、放送用プレーヤソフトの開発も進んでいるという。

2009年4月頭より販売を開始しており、現在42型のほか、24型にも対応。このほか、54型や8.4型も開発中とのこと。なお、価格はオープン価格だが、参考価格は42型で185万円としている。

ディスプレイの地産地消を提唱

独自のパララックスバリア方式による3Dディスプレイを製品化し販売する米NewSightの日本法人であるニューサイトジャパンは、2型から360型(LEDタイプ)まで幅広く対応している。

同社の3Dディスプレイはジャンピングポイントが少ないなどの特長を有しているほか、さまざまなカスタマイズに細かく対応することが可能だ。

会場にした同社代表取締役の神田清人氏は、「3Dコンテンツをツールを使って作製し、2D上に載せることも可能。これにより、2Dと3Dの組み合わさった画像を3Dクリエイターが設計することが可能となり、クリエイターの幅を広げることにつながる」と語る。

実際に2Dと3Dを組み合わせたデモを放送していた

すでにサンプル出荷を開始しているとのことだが、「ディスプレイメーカーがディスプレイを売ってはいけない。ユーザー視点で満足度の向上を目指すためには、ディスプレイの地産地消が必要となる」とし、カスタマの細かな要望にも応えていきたいとしていた。

また、同ブースでは佐鳥電機が組込機器向け3Dディスプレイの展示を行っていた。これは、NewSightのディスプレイを用いたシステムで、展示ではアクセルの協力を得て、同社のAG3チップを搭載したボードを用い3D表示を行うといったもの。

アクセルから借りたというAG3チップ搭載ボード(右)とその出力画像(左)

佐鳥電機はパネル販売を中心にすることを予定しており、組み込み用基板部分はさまざまなメーカーのチップの搭載も検討しているが、まずはアクセルとパートナーを組み、アミューズメント機器向けに12型および15型に注力していきたいとしている。なお、パネル価格は通常のパネルの2~3割増しで済むとのこと。

独自方式で解像度を向上

NEC液晶テクノロジーは、12.1/3.1/2.7/1.0型の高精細3D液晶ディスプレイを展示していた。同社のディスプレイの特長は、独自のHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)方式の採用により、2Dと同じ解像度で3D表示を可能にした点。そのため、同一画面上に2D画像と3D画像を違和感なく混在表示が可能となるという。

また、12.1型にはパララックスバリア方式を採用しているが、3.1型より下のパネルにはレンチキュラーレンズを用いて立体表示を生み出しているとのこと。いずれもHDDPとの組み合わせる際の貼り合わせ精度をμmオーダーにすることで、モアレなどの抑制、高精細化を実現しているという。

12.1型SVGAの画像(左)と1.0型(120(LR)×90画素)の画像(右)

主に産業用途での使用を想定しており、1年以内に量産にこぎつけたいとしている。