IDC Japanは2日、2008年第3四半期(7-9月)の実績、緊急ユーザー調査(11月実施)の結果および12月時点の景気動向などに基づき、国内製品別IT市場予測を発表した。それによれば、2009年のIT市場は対前年比マイナス1.7%となり、分野別ではハードウェアの落ち込みが最も大きくなるもようだ。

IDC Japanによれば、昨年9月のいわゆるリーマンショック後の世界的景気後退により国内経済が大幅な減速を余儀なくされ、2009年の国内実質GDP成長率は昨年9月時点でのプラス0.8%の予測から、12月時点ではマイナス0.5%と大きく下方修正。景気急変によってIT投資も急激な需要減少が見込まれ、昨年11月に調査したところ51%の企業が2009年度のIT投資を削減すると回答、製品別ではPC、オフィス製品、アウトソーシングの投資を削減する企業が多かったという。

2009年の製品別IT市場成長率予測の比較(出典:IDC Japan)

製品分野別に2009年の対前年成長率予測では、2008年12月時点の予測で最も低かったのはハードウェアのマイナス8.1%であり、2008年9月時点の予測と比べ4.5ポイント減少。パッケージソフトは12月の予測でプラス5.2%と上向きだが、9月の予測と比べ0.6ポイント減少しているという。また、ITサービスの12月の予測はプラス1.7%(1.8ポイント減)だった。

IDCが2008年9月に発表した予測では2009年の市場規模を12兆7,244億円、対前年成長率をプラス0.9%としていたが、今回それぞれ12兆3,788億円、マイナス1.7%と大幅に下方修正した。IT市場は2004年から2007年にかけて2%を越える成長を遂げてきたが2008年は1%台半ばに減速し、2009年はマイナス成長に陥る見込みという。

IDCは「景気動向が急速に変化する今日の状況においてITベンダーは市場の変化をリアルタイムに把握するとともに、精度の高い市場予測を行う能力を磨くことが、生き残りのために必須だ。また自社の事業に照らした悲観シナリオを立案し、最悪の事態に備えることが重要だ」と指摘している。