長らく英語版しかなかったWindows Home Serverに、昨秋、日本語版が発売されました。名前の通りホームネットワーク用のサーバシステムですが、もちろん、SOHO環境でも活用できる機能を持ちます。特に、システム管理者のスキルを持つユーザーが不在のSOHO環境に最適です。Microsoft Officeを日常的に使うスキルがあれば運用、活用できます。Windows Home Serverの導入に適したオフィスのネットワーク環境の条件は以下の通り。
・ユーザー/コンピュータが10人/10台以下
・メールサーバ、WWWサーバ等は、プロバイダのサービスを利用
・インターネット接続にはブロードバンドルータを使用
・Windowsネットワークはワークグループ設定で使用
・ホームコンピュータはWindows XP/Vista(Home Editionでも可)
・SQL Server等のサーバーアプリケーションやActive Directoryを使用しない
逆に、10人を超えるユーザーを抱えるネットワーク、オフィス内に自前のWWWサーバやメールサーバを設定するネットワークでは使用できません。
なお、Windows Home Serverでは、ネットワーク内のWindows Home Server以外のコンピュータを、クライアントコンピュータではなくホームコンピュータと呼びます。
Windows Home Serverの機能
Windows Home Serverの機能は以下の通りです。
・ファイルサーバとして共有フォルダを提供
・ホームコンピュータ(クライアント)をバックアップ
・メディアサーバ機能を提供
・ネットワークの安全性の検証
・インターネットから内部ネットワークへのリモート接続を提供
メールサーバ、WWWサーバ、FAXサーバの機能はありません。
こう記述すると「これだけか」と思われそうですが、Windows Home Serverの優れた点は、ユーザーがサーバを管理する必要がほとんどないという点です。複雑な設定をしなくてもネットワーク内の各コンピュータを自動バックアップしてくれるのも便利な機能です。
ネットワーク構成
ネットワーク構成もシンプルです。SOHOやホームネットワークでは、ブロードバンドルータでインターネットに接続し、各コンピュータはルータに接続して使用していることでしょう。そこにWindows Home Serverを追加するだけです。
特にネットワーク設定を行う必要はありません。IPアドレスなどもブロードバンドルータから取得します。Windows Home Serverのコンピュータ名は、既定の設定で「server」となります。ただし、ブロードバンドルータをUPnPで制御するため、Windows Home Serverとブロードバンドルータは、有線ネットワークで接続しなければなりません。他のコンピュータは無線LANも使用できます。
以下、Windows Home Serverの具体的なセットアップ作業などを紹介しながら、Windows Home Serverの各機能と、いかに簡単に利用できるかを紹介します。