今後は双方向サービスも

Mega Wave Marineは、現在3社・25隻が導入済みで、半数がフェリー、残りのほぼ半数が調査船で、外航船は1隻に導入されているという。今後5年間で200隻の利用を見込んでいる。

JSATの通信衛星には通信の中継機が二十数機設置されているが、まだそのうちの1機の一部がMega Wave Marineで使っているだけということで、利用船舶が順調に増加してもまだ余裕があるそうだ。

現時点では、データの送信に使っているDoPa/インマルサットが低速でボトルネックになっているが、今後インマルサットの後継機が打ち上げられる予定だ。これは速度が上下400kbpsになるそうで、これを組み合わせることで増速が図れるとして、来年度以降にサービス化したい考え。

なお、上りもJSATの通信衛星を使う双方向サービスのためには、船上のアンテナを衛星に対して正確に向け、しかもそれを追尾しなくてはならないため、「安くても1,000万円」という高価なアンテナが必要なのだという。ただ、双方向サービスの提供も検討はしているとのこと。

いずれにしても、Mega Wave Marineの登場によって、船舶のIT化が進んでいるようで、これによってコストの削減、船舶の業務の効率化、航海の安全性の向上、そして乗客へのサービス向上などが実現しているようだ。