Intel1社で中国半導体企業売上高の半分を上回る
IT業界の調査やコンサルティングを行う賽迪顧問(CCIDコンサルティング)が公表した最新のデータによると、2006年の中国の半導体市場規模は5,800億元(約8兆9,320億円)に達した。しかし同時期に出たIntelの2006年度の業績報告によれば、同時期のIntelの年間売上高は301億ドル(約2,498億人民元、約3兆8,469億円)である。
つまり、Intel1社の年間売上高が中国全体の半導体市場の市場規模の半分を上回ったのである。なぜそのようなことが起こり得るのだろうか。答えは、Intelに「コア技術」があるからである。
中国の半導体業界の関係者は、コア技術が欠落しているいまの中国の半導体産業の状況について、「上海は中国半導体産業の製造センターではあるが、利益センターではない」と言い切る。中国の半導体市場は数字の上では確かに活況を呈しており、主要企業の財務報告をみれば、年間売上高が1,000億元以上というようなすさまじい数字がそこかしこに出てくる。だが、市場の拡大と技術の進歩が加速度的にすすむ中で、中国の半導体企業はコア技術を保有する圧倒的な実力の海外企業との競争に直面している現実がある。
単なる製造、組み立てに依拠する中国企業は、コア技術を保有して業界規格をも左右するIntelのような企業の利益率をみて、口がきけないほど驚くのである。過去数年間に、中国企業の技術も確かに進歩してきたが、海外も進歩するのをやめているわけではない。事実、上海に拠点を置く中国半導体企業の売上高のうち、その80%はチップ製造の委託加工による売上なのである。