Ruby on Railsの主要開発者であるDavid Heinemeier Hansson氏は7日(米国時間)、1年間の開発期間をへてRuby on Railsの最新版となる「Ruby on Rails 2.0」を公開した。RailsはRubyで作成されたフルスタックのWebアプリケーションフレームワーク。The MIT Licenseのもとで公開されているオープンソースソフトウェアでアジャイルなWebアプリケーション開発を実現するツールとして高い人気を誇る。

2.0ではいくつもの新機能の追加やバグの修正が実施されている。ただしいくつかの非互換性も生まれているため注意が必要だ。カスタムメソッドを指定するために使われていたセミコロンは廃止され、かわりにスラッシュが使われるようになっている。これまで「/people/1;edit」と指定していた部分は「/people/1/edit」と記述することになる。また境界引きをもっと単純化するためにリソースルーティング用の名前空間機能が追加されている。

ほかにもMultiviewの改善、HTTPベーシック認証を扱うための新しいモジュールの追加、論理ユニットにおいてJavaScriptおよびスタイルシートファイルを簡単に構造化する機能(プロダクトリリースする段階でひとつのJavaScriptファイルに統合される)、セキュリティ対策機能の強化、例外機能の改善、デフォルトで動作するクッキーベースのセッションストア機能(ファイルシステムやデータベースにセッションを保持するのではなくWebクライアントで保持される)、新しいリクエストプロファイラの導入、フィード作成の単純化、JSONを使ったシリアライゼーション機能、MySQL/SQLite/PostgreSQLアダプタのサポート(商用データベースアダプタはgemへ分離)などかなり多くの機能追加と改善が実施されている。

パフォーマンス改善も実現されているため、1系を採用している場合には2系へのアップデートを検討するといいだろう。マイグレーションは1系の最新版に移行してから出力される警告をすべて修正。その後で2系へアップグレードする手順を踏めばいい。公開されたバージョンは2.0.1とされている。これはリリース直後に問題が発覚したため修正版が公開されたためだ。