結果は、ゴール時刻はStanfordに1分遅れたものの、スタートが約20分遅かったCMUのBossがトップの座を獲得し、Stanfordに2005年のGrand Challengeの借りを返した。そして2位はStanfordのJunior、3位はVirginia TechのOdinである。1位の賞金は$2M、2位は$1M、そして3位は$0.5Mである。なお、賞金は逃したが、4位になったのはMITのTalosである。

左から、チェッカーフラグを受ける1位のBoss、2位のJuniorと3位のOdin。(出典:DARPAのWebsite)

ロボットカーと一緒に走るトラフィックビークルのドライバーは、万一の衝突に備えてヘルメットを着用し、座席も衝突に強いレースカーのようなシートで、手近に消火器を置くという備えであったが、幸いにも人命に影響するような事故は発生しなかった。しかし、無人の車と一緒に走るというのは、やはり、不安な経験であったのではないかと思う。また、ロボットカー同士では軽微な接触事故はあったが、その他のケースでは衝突寸前では停止しており、ハリネズミのようにセンサーを装備して全周を警戒し、危険を感知すると緊急停止するというシステムの有効性を実証することが出来たのではないかと思う。

しかし、このレースの最大の成果は、主催者であるDARPAのTether博士が述べたように、レースは素晴らしい結果で、自動操縦の車が作れるということを証明し、DARPA以外の会社や組織がこの技術の実用化に取り組む環境が出来たことである。車の自動操縦の技術が完成すれば、DARPAが意図した戦場での使用だけでなく、交通事故の死亡者も激減させることが可能であり、人類全体にとって大きなメリットとなるに違いない。