東京工業大学との提携の意義について話すMicrosoft Corporate Vice President Technology Policy and Strategy担当のAnoop Gupta氏

マイクロソフトは13日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで12日から3日間の日程で開かれている「イノベーション・ジャパン2007-大学見本市」への出展に合わせ、日本国内でのイノベーション加速へ向けた支援策について発表した。「マイクロソフト イノベーション センター」(以下、MIC)を通じたIP(知的財産)ライセンス提供を17日から開始するとともに、ロボット開発でZMPと提携、東京工業大学とも組織的提携関係を結んだ。

マイクロソフトは、2006年11月に設立したMICにおいて、テクノロジーイノベーション、アプリケーションプラットフォーム、プラットフォームサポート、人材育成サポートの4つのイノベーション支援プログラムを実施してきたが、新たな支援策として、IPライセンスの提供を行うことにした。国内でのIT産業を支援するため、同社が保有する特許などの知的財産のライセンスを無償または有償で提供し、ソフトウェアやハードウェアの開発コスト削減に役立ててもらう。

マイクロソフトはまた、ロボット開発においてZMPと協業することも明らかにした。ZMPは、二足歩行型ロボット「nuvo」やミュージックプレイヤー搭載ロボット「miuro」などのエンターテインメントロボット、「e-nuvo Series」などの教育用ロボットなどの開発を行ってきた。

今回の協業により、マイクロソフトはZMPに対し、Robotics(ロボット工学)における人口知能や音声認識、外部システムとの連携などの上位アルゴリズムと、メカニズムや制御などのハードウェアを結ぶインタフェースである「Microsoft Robotics Studio」を提供する。「イノベーション・ジャパン2007-大学見本市」のマイクロソフトのブースでは、Microsoft Robotics Studioを使って開発された世界初の二足歩行ロボットのシュミレータのデモも行っており、ZMPの今後のロボット開発を強力にバックアップする。

「イノベーション・ジャパン2007」で展示されたMicrosoft Robotics Studioを使って開発された二足歩行ロボットシミュレータ

「イノベーション・ジャパン」のテーマともいえる産学連携については、マイクロソフトと東京工業大学が組織的提携関係を結び、創薬などをターゲットとした数値計算プロジェクトなどに関する共同研究を行うことが発表された。同大学と外資系企業が組織的連携を行うのは初めて。

具体的には、同大学の松岡聡教授と秋山泰教授らの「HPC-GPGPUプロジェクト」に関し、マイクロソフトと共同研究を行う。また、従来から同大学を含めた6大学とマイクロソフトが進めてきた「IJARCプロジェクト」における2つのプロジェクトについても、共同研究を行う。