そのほかの話題

主要な話は以上であるが、実際には講演の合間にプレゼントの抽選を挟んだりしながらの、バラエティに富んだ2時間であった。基調講演の最後には、SPALDINGと共同開発したという"Intelligent Basketball"(写真24)が登場した。このボールは、投げたときの軌跡について、リアルタイムに解析できるというものである(写真25)。このボールに搭載された「8ビットMCU(Micro Controller Unit)と3軸の加速度センサを組み合わせる」というのは今年のテーマの1つらしく、Technology Labではほかにも8色に変化するボールなども展示されていた。

写真24 このアングルだと見えにくいが、空気穴の付近に8ビットMCUと3軸加速度センサ、ZigBeeのトランスミッタが組み込んであり、3軸加速度センサからの値を随時送信する仕組みになっている。右の女性の操作するノートがこれを受信し、動きを解析する仕組み。ちなみに一番左の男性は、会場から抽選で選ばれた「バスケットボールを投げる役」の人

写真25 投げたときの初期値と角度、軌跡、及びシュート判定が行われている。実際に一発でシュートは決まった

展示といえば、毎度のことながらメインホール前にFreescale Semiconductorのチップを搭載したさまざまな製品が展示されていた。今年はMotorolaの「RAZA」シリーズがたくさん出展されていたが、変わったところではソニーの「mylo」(写真26)やパイオニアのワイヤレスヘッドフォンなどがあった(写真27)。

写真26 「i.MX21」を搭載したmylo。会場でのプレゼントにも利用された

写真27 Symphony Audio DSP56371を搭載

最後に余談をもう1つ。今年のFTFでは名札としてnTAG InteractiveのnTAGが利用された(写真28)。セッションのスケジュールや詳細を表示したり(写真29)、結果のインタビューを入力したり(写真30)することもできる。ほかにメッセージを受信したり、参加者が名刺交換の代わりにnTag同士でProfileを交換することも可能だった。筆者は初めて使ったが、なかなか便利であった。

写真28 nTAG本体 - 名前はシールで貼り付けるだけ。中に何らかのセンサが入っているようで、このようにひっくり返すと画面の表示がONになる

写真29 これはセッションの詳細表示。長い場合はスクロールも可

写真30 各セッションごとにQualityやValueを5段階で入力するほか、必要ならばコメントも書ける。画面がタッチセンサになっており、nTagの裏に格納されたピック状のスタイラスで画面に表示されたアルファベットキーをクリックすることで英数字を入力できる