富士通フロンテックは20日、表示画面にカラー電子ペーパーを採用した携帯情報端末「FLEPia」のサンプル販売を開始したと発表した。A4タイプ(12型)とA5タイプ(8型)の2つのサイズを用意している。重さは、A4タイプは480gでA5タイプは320g。両タイプとも厚さはわずか12mmで、最大50時間の連続使用ができるという。なお本製品は、カラー電子ペーパーの実証実験用として販売される。
表示画面にカラー電子ペーパーを採用した携帯情報端末「FLEPia」 - カラーバリエーションはホワイトパール、ピンクパール、シルバーの3色 |
電子ペーパーは、電力を使わずに静止画像を半永久的に表示できることが特徴である。本製品は同社が富士通研究所と共同で開発したもので、カラー電子ペーパーを採用した製品はこれが世界で初めてだという。
CPUにはMarvell TechnologyのXScaleを、OSにはMicrosoftのWindows CE 5.0を採用。WebブラウザやE-mail用のソフトウェアなどが利用できる。解像度は768×1,024ピクセル(XGA)で、8色または4,096色のカラー表示に対応している。また、カラー電子ペーパー部分にはタッチパネルセンサを搭載しており、画面から直接操作を行える。加えて、左右にステレオスピーカを内蔵しており、音楽や音声の再生も可能。
インタフェースとして、IEEE802.11b/gの無線LAN、USB2.0準拠のUSB mini-Bコネクタ、SDメモリーカードスロットを備えている。コンテンツはSDメモリーカード(4GBまで対応)に保存し、それを画面に表示する。
そのほか、セキュリティ機能として128ビットのAES(Advanced Encryption Standard)暗号方式によるコンテンツ保護が可能。また、16桁のパスワードを利用できる。本製品を紛失したときのために、探索や操作ロック、消去などが行えるサービスの提供も予定している。
本製品の販売単位は10台。10台あたりの価格は、A5サイズが157万5千円、A4サイズが262万5千円。出荷時期は10月末を予定している。同社では、2007年度に1,000台のサンプル販売を見込んでいる。2008年度より一般販売および海外を含めた販売活動を開始し、2010年度末までに累計売上100億円を目指すという。