自宅に太陽光パネルの設置を検討するうえで、住宅向けとはいえ太陽光発電となると費用は大きく、結果的にお得になるのか頭を悩ませている人も多いでしょう。特に物価上昇の傾向がある近年、導入のタイミングやメーカー選びも迷うところです。

太陽光発電システムは、ポイントを押さえれば設置費用を節約することができます。補助金や制度などの節約方法を知っておけば、お得に発電設備を導入できる可能性があるのです。
東京都では、2025年4月から都内の新築戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務化する基本方針も発表され、今後ますます太陽光発電導入のための普及や支援が進むことが考えられます。
そこで本記事では、次のような項目を専門家の意見も交えてわかりやすく解説します。ぜひ参考にして、設置費用で後悔することなく太陽光発電を導入しましょう。
・太陽光発電の設置費用を節約する5つの方法
・太陽光発電を無料で設置する3つの方法
・太陽光発電の設置後にかかる費用
・設置費用を抑えれば、太陽光発電で元は取れる
・太陽光発電についての基本知識
・太陽光発電の設置前の注意点
・太陽光発電と併せてできる節電対策
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【2023年】最新の太陽光発電の設置費用
太陽光発電の設置費用はソーラーパネルの電気容量によって異なります。1kWあたりの金額で計算させることが多く、ソーラーパネル以外の部品や工事費なども発生するため、おおよその相場を知っておくことが大切です。
総体的な設置費用を把握できれば、商品の比較や節約の効果を知ることにもつながります。それでは、太陽光発電の設置費用について詳しく見ていきましょう。
住宅用の設置費用相場は78万〜130万円
”引用:経済産業省「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」”
経済産業省が公表している上記グラフを見ると、住宅用太陽光発電のシステム費用は年々減少していることがわかります。
2012年の費用平均値が1kWあたり40万円台だった頃から比べ、この10年弱の間で約10万円/kW以上も安くなっています。
2023年に入った現在も徐々に価格は低廉化していることから、一般家庭でも太陽光発電システムの導入がしやすい時期といえるでしょう。
経済産業省では、2022年度のシステム費用想定値を25.9万円/kWとし、2023年もこの想定値を据え置くことを発表しています。
一般的な住居用ソーラーパネルであれば3〜5kWの出力で十分とされているため、設置費用の相場は77.7万〜129.5万円(25.9万円×3〜5kW)と考えることができます。
もちろん、メーカーや工事内容によって金額が変わってきますが、2023年度の住宅用太陽光発電システムの導入において、おおまかな設置費用相場は78万〜130万円と考えておくとよいでしょう。
産業用の設置費用は住宅用よりも安い
産業用の太陽光発電量は10kW以上を条件としており、空き地などで太陽光発電を始める場合は規模的に産業用に区分する太陽光発電が可能です。
設置費用はマイホームに比べ、追加でフェンス代や連係工事費、造成工事費などがかかります。特に土地を整えるためにおこなう造成工事だけで、場合によっては最大で1,000万円かかることもあります。
一方で、1kW当たりの単価は、住宅に設置するより安くなる傾向もあるため、土地や商品によって優位性が高いケースも考えられるでしょう。
新築・後付けの設置費用を比較
太陽光発電付きの住宅取得を検討していて、新築か既築住宅で迷っている人も多いでしょう。
経済産業省のデータから、住宅用太陽光発電システムの設置費用における新築と既築の価格推移も見てみましょう。
設置年 | 新築での設置費用(1kW当たり) | 既築での設置費用(1kW当たり) |
2012 | 43.1万円 | 47.9万円 |
2013 | 39.1万円 | 43.2万円 |
2014 | 36.7万円 | 40.5万円 |
2015 | 35.8万円 | 39.8万円 |
2016 | 34.6万円 | 37.1万円 |
2017 | 34.5万円 | 3.72万円 |
2018 | 31.4万円 | 35.3万円 |
2019 | 29.3万円 | 33.0万円 |
2020 | 28.3万円 | 31.1万円 |
2021 | 28.0万円 | 30.2万円 |
”参考:経済産業省 令和4年度以降の調達価格と魚に関する意見”
このデータからは、リフォームなどで既築住宅に後付けするより新築時に設置したほうがコストを抑えられる傾向にあることがわかります。
しかし、新築時と後付けではそれぞれメリット・デメリットがあるため、これから新築戸建ての購入を検討している人は費用とのバランスをよく考慮しましょう。
太陽光発電の設置時期 | メリット | デメリット |
新築時 |
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後付け |
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太陽光発電の設置費用の内訳
太陽光発電の設置費用には、工事費や材料費など多くの費用が含まれています。具体的にどのような費用が含まれるのか内訳を見てみましょう。
内訳 | 金額(1kWあたり) |
太陽光発電のパネル費 | 20万円 |
パワーコンディショナー費 | 4万円 |
架台費 | 2万 |
発電モニター | 2万 |
接続箱 | 6,000円 |
ケーブル | 5,000円 |
工事費 (設置や電気系統の工事) | 5万円 |
その他(手続きなどの手数料) | 3,000円 |
各金額を合計すると、設置費用は1kWあたり30万円程度です。メーカー独自のキャンペーン割引など加味したとしても数十万円はかかると考えておきましょう。

設置費用の相場を理解した上で、複数の施工業者から見積もりを取るようにしましょう。業者によって工事費などが大きく変わってきます。
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設置費用は状況により変動する
同じ発電量でも、設置費用が大きく変動する要因があります。
- 設置する屋根の面数が増える
- 設置するために足場が必要
- 太陽光パネルの固定方法の違い
設置する屋根の面数が増えるほど、工事の手間はかかるため費用は高額になります。屋根に設置する場合は足場が必要となり、庭などに設置するより10~15万円は追加でかかると覚悟しておきましょう。
また、太陽光パネルの固定方法は頑丈で施工に手間がかかる順に、支持瓦工法、支持金具工法、アンカー工法といったものがあります。基本的にどの工法も最低限の強度は確保されていますが、安全性などを重視すると設置費用は高額になるでしょう。
太陽光発電設置費用のシミュレーション
太陽光発電のパネル費用はメーカーごとに発電量が異なるため、まず主要大手メーカーの価格帯を紹介します。
メーカー | パネル枚数(発電量) | kW単価 |
SHARP(シャープ) | 24枚 (6.14kW) | 28.8万円/kW |
Panasonic(パナソニック) | 24枚(6.05kW) | 26.1万円/kW |
長州産業 | 22枚(6.03kW) | 24.6万円/kW |
一般的に発電量が少ないほうが安くなりますが、1枚あたりの発電量が少なければそのぶんパネルの枚数を増やす必要もあるため、より広い設置スペースが必要になります。設置場所や広さも考慮したうえでベストなシミュレーションをすることがポイントです。
本章では、上記3社のうち中間レベルのPanasonicの製品でシミュレーションします。
設置面積ごとの費用例
2021年標準タイプ「P252αPlus」の太陽光パネル(幅・奥行きは1.58m✕0.81m)を参考に、設置面積ごとの費用を単純計算すると次のようになります。
設置面積 | 発電量(kW) | 費用 |
1坪(3.31平米) | 0.63 | 16万円 |
10坪(33.06平米) | 6.43 | 168万円 |
20坪(66.12平米) | 12.98 | 338万円 |
30坪(99.17平米) | 19.53 | 509万円 |
※ハーフタイプの「P120αPlus」も組み合わせて試算
ただし、実際に住宅屋根に設置する場合、方角によって発電量が大きく変わるため、フルに面積が活用されることは希です。20坪分に設置をしても、南側が10坪程度であれば発電量は10kWを超えない可能性もあります。あくまで目安程度にとどめておきましょう。
蓄電池をセットで設置する場合
太陽光発電で日中発電した電気を夜間や停電時などに使えるようにするには、電気を溜めておける蓄電池が必要です。蓄電池は基本的には太陽光発電システムの設置費用には含まれていません。
蓄電池も導入する場合、メーカーや容量によって異なりますが、別途90万〜150万円ほどかかります。一部自治体などでは、蓄電池とセットで設置する場合に利用できる補助金制度もあるので、導入を検討する場合は随時最新情報をチェックしておきましょう。
太陽光発電の設置費用を節約する5つの方法
希望する太陽光発電の発電量で、費用が数百万円ともなると気軽に設置はできません。そこで業者と正式な契約を結ぶ前に、以下の5つの節約方法を試してみてください。
- 太陽光発電の設置業者を厳選
- 国や自治体の補助金を利用
- 費用が安い太陽光パネルを設置
- トータルの支払いが安くなるローンを利用
- 設置方法は業者と相談
最終的に支払う設置費用が10万円単位で安くなる可能性があるため、1つずつ詳しくみていきましょう。
太陽光発電の設置業者を厳選
太陽光発電の費用を節約するならば、設置業者も厳選することが重要です。同じ商品を取り扱っていても、設置する業者によって費用は変わるためです。さらに業者は提供するサービスの違いなどもあるので、よく検討する必要があります。
また設置業者を選ぶ際は複数社の見積もりを比較し、しっかりと検討することが懸命です。その際は、一括見積もりサイトを使うと、優良業者をリストアップしてくれ、1社ごとに依頼する手間も省けます。
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国や自治体の補助金を利用
太陽光発電や蓄電池は、国や都道府県、各自治体で補助金を出しているケースがあるので、ぜひ上手に活用したいものです。
2023年2月時点で公表されている制度の一部を紹介します。
国・都道府県の補助金制度一例
主体 | 補助金の制度 | 補助金の上限 | 参考リンク |
国 | こどもエコすまい支援事業 |
|
https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/ |
東京都 | 災害にも強く健康にも資する断熱・ 太陽光住宅普及拡大事業 |
|
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/effective_utilization |
2023年2月時点では、太陽光発電の導入に特化した補助金制度は国主体ではおこなっていません。
しかし、上記の「こどもエコすまい支援事業」は、国が推進する省エネ住宅(ZEH)の支援のため、太陽光発電を導入した新築購入やリフォームなどで補助対象となる可能性があるのでチェックしておくとよいでしょう。
東京都でも2025年4月施行を目指し、新築住宅への太陽光発電設置の義務化を本格的に進めており、導入費用に対する補助・助成金制度の情報が常時更新されています。
また近年、ウクライナ・ロシア情勢による資源価格の高騰なども影響し、新たな国の補助金制度が検討される可能性も十分考えられるため、日々最新ニュースを入手しておくことが重要です。
自治体の補助金制度一例
自治体 | 申請期限 | 対象機器 | 参考リンク |
東京都葛飾区 | 令和4年4月1日(金)〜令和5年3月31日(金) |
|
https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1030304/1023057.html |
大阪府池田市 | 令和4年4月1日(金)~令和5年3月24日(金) | 太陽光発電システム | https://www.city.ikeda.osaka.jp/shinseisho/kankyo/1427438514933.html |
※2023年2月調べ
補助金が出る詳細な条件は毎年更新されるため、常に最新情報を見逃すと適用できない場合があります。
また申し込みは先着順が多く、予算切れで早期に募集が終了することもあります。設置を決断したら可能な限り早めに申し込みをしましょう。
費用が安い太陽光パネルを選ぶ
設置費用を節約したいなら、太陽光パネルの単価が安いものを選ぶという方法もあります。例えばPanasonicのパネルの場合は1枚約114万円ですが、ネクストエナジーのパネルは1枚102万円です。
発電量はどちらもおおよそ4kW台であるにもかかわらず、12万円の差があります。メーカーごとのパネル費用を調べ、安く条件に合うものを選ぶことも節約の1つといえます。
また太陽光パネルのサイズが豊富なメーカーであれば、設置面積の無駄を省くこともできるでしょう。
トータルの支払いが安くなるローンを利用
太陽光発電を始めるためにソーラーローンを使用する場合、トータルで支払いが安くなるか確認しておきましょう。ソーラーローンの金利相場は0.65~3%と低金利です。変動金利の場合には金利が上がってしまい、最終的に支払いが高額になることも考えられます。
金利に注目してローンシミュレーションをしっかりとおこなうことが必要です。トータルの支払いが安い金融機関から融資を受けることで、節約できる可能性があります。
変動金利を選択していて将来金利が上がるようであれば、借り換えも検討してみてください。一括返済の手数料などを考慮しても、トータルで支払いが安くなるかもしれません。
設置方法は業者と相談
自分の希望を遂行することも大切ですが、その住宅に合う設置方法かどうか、業者とよく相談することが大切です。場合によってはプロ目線で住宅を見た際に、より向いている商品や設置方法があることも考えられます。プロの意見を聞くことで節約につながる場合もあります。
住宅によっては太陽光発電に向いていない場合もあるため、効率よく発電量を得られるように業者とミーティングをおこないましょう。
また、太陽光発電が向いていない家の条件は以下の通りです。
- 北向きの家
- 屋根などが小さい家
- 塩害または積雪が激しい地域

業者によっては、屋根の設置条件によって得意・不得意などがあります。また売り上げの面から太陽光発電の設置に消極的な場合も考えられます。必ず施工業者の過去の実績も確認をするようにしましょう。
太陽光発電を無料で設置する3つの方法
事業者と協力し合うことで、太陽光発電の設置費用を無料にできる方法があります。具体的には、以下の3つの方法です。
- PPAでの太陽光発電
- リースでの太陽光発電
- 屋根貸しでの太陽光発電
太陽光発電の一番のネックである設置費用がゼロになれば、初期費用で資金を失わずに運用を進めることができます。それぞれ具体的に説明するので、導入の際に役立ててください。
PPAでの太陽光発電
PPA(電力販売)をおこなう業者に協力することで、設置費用を無料にする方法があります。この場合は、住宅所有者に設備の所有権はありません。しかし、事業者に屋根を貸すことで事業に相乗りするような形になり、電力会社より格安で電力を買うことができます。
逆に事業者側は借りた屋根で得た電力の余剰分を、電力会社に販売することで利益を得ます。つまり、住宅所有者と事業者は協力関係になり、利益を得られるというわけです。また、発電設備は10年程度で譲渡されるため、長期的に見れば無料で太陽光発電を得られることになります。
リースでの太陽光発電
設置する設備をリースするという方法もあります。設備をリース(借りる)ことで設置費用を払わずに、無料で太陽光発電を導入することができます。さらに、こちらも最終的に設備は住宅所有者のものになります。
住宅所有者はリース料を事業者に毎月支払う必要がありますが、太陽光発電の所有権は、あくまでも住宅所有者のものであることが特徴です。権利を所有しているため、余剰分を売却して利益を得ることも可能です。
事業者の場合は、住宅所有者からのリース料で利益を得られるため、この方法も双方にメリットがあるシステムといえます。
屋根貸しでの太陽光発電
屋根貸しという方法で太陽光発電を手に入れる方法もあります。この手法は、住宅所有者が事業者に屋根を貸すことで賃料を得て、事業者は電力を販売することで利益を得ます。
しかし、ここで注意したいのが賃料の額です。住宅所有者が得られるのは年間1万円程度と、あまり利益率がよいとはいえません。
そのため、あくまでも事業協力による恩恵をわずかに預かれる、太陽光発電の方法と考えておくとよいでしょう。

太陽光の設置では自身の運用資金を長期的に見ていく必要があります。初期費用やランニングコストを安く抑えたい場合には、上記の2つ「PPA」と「リース」による設置はオススメです。
太陽光発電の設置後にかかる費用
太陽光発電を導入する際は、初期費用だけでなく設置後にかかる費用まで考慮する必要があります。メンテナンスや交換部品の費用などに加え、想定外のコストが発生する可能性もあるため必ずチェックしておきましょう。
太陽光発電のランニングコスト
設置費用を節約できても、ランニングコストがかかることはあらかじめ留意すべき点です。設備はメンテナンスや部品交換などが定期的に必要で、このようなランニングコストを含めた計画を練る必要があります。
主なランニングコストとしてかかる費用は、以下のものが挙げられます。
費用名 | 費用額 | 頻度 |
定期メンテナンス費 | 2~3万円 | 3~4年に一度 |
パワーコンディショナーの交換費 | 約20万円 | 20年に一度 |
蓄電池の交換費 | 100万~150万円 | 10~15年に一度 |
全ての支払いが重なってしまうと、年間の支払いが最大で173万円です。決して少ないとはいえない額なため、節約できた額や売電収入で貯金をしておく必要があります。
太陽光発電のメンテナンスが必要な理由
太陽光発電メンテナンスフリーとうたわれることもありますが、設置後定期的にメンテナンスが必要です。
10kW未満の住宅用太陽光発電には法律でメンテナンスが義務化されており、当てはまる設備の場合はしなければいけません。
定期的にメンテナンスをすることで、汚れなどによる発電量の低下を防ぐことができます。また不良箇所の発見ができるためボルトの緩みなどによる部材が飛んで、近隣住民に迷惑かけることも減ります。
将来の撤去費用
太陽光発電の設備は寿命があるため、継続しない場合は撤去工事が必要になることも忘れてはいけません。太陽光発電を辞める場合は、設備の撤去費用と太陽光パネルのリサイクル費が必ずかかります。
また、撤去工事をおこなうことになった場合は施工した業者に依頼しますが、もし頼めない場合は第三者機関を紹介してもらい、撤去を依頼することになります。
費用目安は、規模にもよりますが撤去工事が約10万円、処分費で約5万円、太陽光パネルのリサイクル費は1枚あたり1,200円が相場です。

撤去費用は決して安いとはいえません。しかし、万が一決められた方法以外で太陽光発電の設備を廃棄した場合、不法投棄として5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられる可能性があります。必ず所定の方法に沿って撤去・処分をおこないましょう。
設置費用を抑えれば、太陽光発電で元は取れる
太陽光発電で発電した電力はFIT制度(固定価格買取制度)により、太陽光発電設置後10年間は電力会社により一定価格で買い取りされます。
FIT制度が始まった2012年度の買取価格は1kWhあたり42円でした。年々太陽光発電普及に伴い価格が下がり、2022年度は1kWhあたり19円となっています。そのため売電のみで元を返すのは難しくなってきているのが現状です。
しかし、買取価格の低下とあわせて太陽光発電の設置費用も下がっています。売電価格だけ見ると厳しい状況に見えますが、コストをおさえて導入ができれば十分に元は取れるといえるでしょう。

設置場所の環境やメンテナンス費、補助金の有無などを踏まえたうえで一度シミュレーションをしてみましょう。
太陽光発電についての基本知識
ここからは、太陽光発電を始める基礎として、設置するまでの手順や電気代をゼロ円にする発電の目安について解説します。
太陽光発電を設置するまでの手順
太陽光発電を始めるためにはシミュレーションや業者の比較、太陽光発電システムの検討などの工程を踏む必要があります。運用までに掛かる時間の目安としては、おおよそ半年程度は掛かると踏んで間違いありません。
具体的な設置から運用までの手順は以下になります。
- シミュレーション:家や土地が太陽光発電をおこなえる地目か調べ、設置する計画を立てる
- 太陽光発電の業者を検討:複数社から理想の商品やサービスを提供しているものを探す
- 業者とミーティング:業者を決めたら実際に発電システムについて相談する
- 太陽光発電の設置:要望の商品を設置するための工事・施工作業に入る
- 太陽光発電の運用:売電や電力をまかなうことができるようになる
太陽光発電が実際に動き出すまでは、上記の流れに沿って進むことになるでしょう。パネルの工事自体は設置する発電システムの規模により異なりますが、住宅用であれば1週間程度で済みます。しかし業者や設備の厳選なども含めると、準備から運転開始まで半年程度はかかると覚悟しておきましょう。
電気代がゼロ円になる発電量の目安
実際に一般家庭が生活していくためには、1日2~8kWの電力が必要といわれています。そのため電気代をゼロ円にするためには、少なくとも8kW以上の太陽光発電が必要ということです。
しかし寒冷地やオール電化、世帯人数が多い場合は、消費電力が8kW以上必要になる場合もあります。そのため8kWを目安とし、各家庭の消費電力の差も念頭に置いておけば間違いないでしょう。

家族構成によってもお住まいの地域の気候によっても1日あたりの消費電力は大きく変わってきます。設置をしてから「どういう生活をするのか?」具体的なライフプランニングをおこなったうえで、消費電力の算出をするようにしましょう。
太陽光発電の設置前の注意点
太陽光発電の設備を導入する前に知っておきたい注意点について紹介します。あらかじめ注意点を念頭に置いておくことで、思わぬ不利益を被ることを避けられるはずです。
売電で大きな金額を稼ぐのは難しい
太陽光発電の売電価格は、例えば2012年買取価格から比べると年々下がってきており、売電で稼ぐことが難しくなってきています。2012年から2020年までに1kWh当たり42円~21円と、売電価格は約半分の価値になっているのです。2025から2027年頃には11円と予測され、売電開始当初よりは稼ぐことが難しいといえます。
しかし、住宅向け電気料は20円台で推移しており、上昇傾向すらあります。そのため、これから太陽光発電を設置する人は、売電で稼ぐのではなく自家消費で節約することを目的としたほうが、得をする可能性が高いです。
発電量は天候の影響を受けやすい
太陽光発電はその性質上、天候の影響に左右されることが弱点です。晴天の日は能力を発揮しますが、曇りや雨など太陽が出ない日には発電量が少なくなってしまいます。さらに天候だけではなく、温度も発電量に影響するため季節ごとに電力の差が出ます。
季節ごとの具体的な影響は以下の通りです。
春 | 温度が高くなり日照時間も増えてきて、徐々に発電量が上がる |
梅雨 | およそ1ヶ月半の間は、曇りや雨の日が多く発電量が下がる |
夏 | 日照量が上がり、発電量が最も見込める季節 |
夏〜秋 | 梅雨や日照量が下がる秋口は、やや発電量が下がる |
冬 | 日照時間が少なくなる10月~2月程度までは、最も発電量が落込む |
このように梅雨や冬場は特に日照時間が短いため、天候の影響を大きく受けることが予想されます。そのため設置する前に、天候の影響を受けても蓄電などで対応できるのかなど、十分なシミュレーションをしておく必要があるでしょう。
鳩・カラスなどの鳥害対策を怠らない
屋根に設置したソーラーパネルでよくある被害として、鳩やムクドリの糞害や、カラスのいたずらによるパネル破損など、野生の鳥が引き起こす鳥害です。
清掃や修繕工事は不衛生なうえ、屋根の上という高所でおこなわれる危険な作業となるため、手間も多くそれなりの費用がかかります。
だからこそ太陽光発電の設置時に注意しておきたいのが、一時的な費用にとらわれて安易に安い業者に依頼しないことです。工事費用が安いということは、細かい作業を省いていたり、品質の悪い材料を使用していたりといった背景が考えられ、設置当初に十分な鳥対策がとられていないことで被害が大きくなるケースがあります。

将来起こりうる鳥害リスクへの配慮までしっかりとおこなってくれる業者を見極めることがポイントです。
太陽光発電を設置するなら保険に加入
太陽光発電は自然災害などのリスクがあるため、設置前に保険への加入がおすすめです。台風などでパネルが飛ばされ、近隣の住宅に被害が出ると赤字になる可能性があります。
太陽光発電の保険には以下のようなものがあります。
企業総合保険 | 火災を含めた自然災害を補償する保険 |
動産総合保険 | 企業総合保険と似た条件で、災害があった場合にカバーする保険 |
休業損害補償保険 | 太陽光発電が事故で損傷した場合に損失を補償する保険 |
このように、災害や予期せぬ事故を補償する保険を中心に展開しています。太陽光発電向けの保険は、これ以外にもさまざまな商品があるため、万が一に備えていずれも検討することをおすすめします。

どんなに緻密に資金計画を立てて、信頼できる業者にお願いをしたとしても、天候まではコントロールできません。お住まいの地域の1年間の天候の特徴を把握することも重要です。
事前準備をしないと後悔する可能性もある
太陽光発電設置の検討をしていると設置について、やめたほうがいいとの声が聞こえてくることもあるのではないのでしょうか。
かかる費用の高額さやメンテナンス費用、そして今後起こる可能性があるトラブルなど、事前に知っておくべきことは様々あります。その知識を事前に身につけずに購入すると、お得に買えることをあとで知り後悔したり、業者とのトラブルが発生することがあります。
後悔しないためには、事前に相場価格を調べ複数の業者との比較をすることが大事です。また太陽光発電の補助金制度も利用することでお得に購入ができますので、ぜひ知識を身に着け賢く導入しましょう。
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太陽光発電と併せてできる節電対策
2022年夏季、厳しい暑さの影響などで東京電力と東北電力、北海道電力は大規模な電力不足の予測を立て、初めて「電力需給ひっ迫準備情報」を発表しました。
温暖化の影響も深刻化している近年、今後は一般家庭や企業でもさらに節電を意識していく必要があります。この章では、太陽光パネル設置とあわせて自身でも手軽にできる節電方法を紹介します。
太陽光発電で節電・停電対策
太陽光発電システムを設置しておくことで自宅で使用する電力をまかなえるので、節電に貢献できます。初期費用はかかりますが、設置前よりも電気を購入しなくてよくなるため、電気代の節約が可能です。
また、電力がひっ迫してくると起きる恐れがあるのが「計画停電」です。計画停電が起きると、冷蔵庫やエアコンも使用できません。しかしそのような場合でも、太陽光発電システムに蓄電池も併せて導入しておけば家電を使用できます。

災害で停電が発生した際の非常用電源としても利用できるので、いざという時の備えとしても活躍するでしょう。
太陽光発電以外の節電対策
これからは、太陽光発電だけに頼らず自身でも少しずつ対策していく必要があります。
家庭で気軽にできる節電対策を3つ紹介します。
- エアコンの節電
- 冷蔵庫の節電
- 待機電力の削減で節電
エアコンの節電方法
エアコンは家電の中でも消費電力が高く、節電対策の効果も大きいです。また、エアコンの消費電力が一番高くなるタイミングは、エアコンをつけた時と、設定温度に近づけている時なので、エアコンは温度を設定したり、「弱」にするよりも「自動」にしたほうが節電にもなり、電気代も抑えることができます。
さらに、冷房は1時間あたり17円で595W使用するのに対して、送風は1時間あたり0,3円程度で12W(注1)しか電力を使用しないため、送風でも過ごせる日は積極的に送風を使いましょう。送風はエアコン内のファンのみを動かす扇風機のような仕組みですので、一度部屋が冷えたら送風に切り替えるといった使い方も有効でしょう。
注1)1kWhあたり27円の目安単価にて算出
冷蔵庫の節電方法
エアコンと違い、冷蔵庫は使わない時は電源をオフにするわけにもいきません。冷蔵庫は多くの食材を詰めすぎてしまうと、冷蔵庫全体を冷やすのに多くの電力を消費してしまいます。反対に、冷凍庫は中に入っているもの自体が凍っていて冷気を発するため、冷凍庫はものを詰めたほうが電力効率が上がるのです。
また、冷蔵庫の設定温度は「強」が一番電力を消費し、「弱」が一番電力消費が少ないので、冷蔵庫の中のものは詰め込みすぎず、冷凍庫はなるべく詰めた上で、夏と冬で設定温度を変えてみるだけで節電効果が見込めるでしょう。
待機電力の削減で節電
待機電力とは、使用していない時でも電力が使われている電力のことをいいます。例えば、PCを充電したまま電源を切らずにスリープ状態にしているだけでも、電力は使用されているのです。
待機電力は、年間を通じて家庭で消費される電力量のうち、約6%を占めていると言われており、これは一般的なテレビの消費電力量とほぼ同じ割合になります。

待機電力を減らすには、「こまめに主電源を切る」「スイッチ付きタップを使用する」「オートOFF機能を使用する」などが有効です。一度家の中の家電で待機電力が発生していそうなものはないか確認してみましょう。
まとめ
太陽光発電は事業者と連係して設備をリースしたり、相乗りしたりすることで設置費用ゼロ円から始めることができます。140万円ほどの設置費用もかからないとなれば、太陽光発電が身近なものに感じられてくるはずです。
また、ZEH関連の補助金などで大きく負担を減らすことも可能です。いずれも条件や商品が異なるため、実際にシミュレーションして、自身のニーズに合うのか検討することをおすすめします。検討の際は、今回紹介した概要を参考に複数社を比較し、導入を進めましょう。
- 太陽光発電に興味があるなら、まずはどれくらいの費用がかかるか調べるのがおすすめ!
- 費用を調べるときは、必ず1社ではなく複数社から見積りをとって比較しよう!
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※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/index.html
・https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/
・https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1030304/1023057.html
・https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20220204_1.pdf
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