太陽光発電とともに需要が高まっている家庭用蓄電池ですが、さまざまなメーカーから発売されているため「どの製品を選んだらいいの?」と迷っている人も多いでしょう。そこで本記事では、家庭用蓄電池のおすすめメーカー・製品6選を厳選し、それぞれの特徴や強みについて調べました。
また、家庭用蓄電池を導入するメリット・デメリットや蓄電池の選び方、設置費用に利用できる補助金制度など詳しく解説していきます。ぜひ参考にして、目的や条件に合った最適な蓄電池を見つけてください。
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家庭用蓄電池とは
蓄電池とは、充電することで何度でも使用できる電池のことを指し、その中でも特に小型化されたものが「家庭用蓄電池」と呼ばれています。
持ち運びができるポータブル型、設置(据え置き)型、太陽光発電システムと連携可能なタイプなどがあります。
蓄電池には以下の5種類がありますが、一般的に家庭用蓄電池として採用されているのはリチウムイオン電池です。
蓄電池の種類 | 特徴 |
リチウムイオン電池 | 小型で軽量なうえ、充電性能に優れている。PC・携帯機器に多く使用される。 |
鉛(なまり)蓄電池 | 安くで長持ちだが過放電に弱い。自動車用バッテリーを中心に広く普及。 |
NAS(ナス)電池 | 大規模な電力貯蔵が可能。ナトリウム、硫酸などの危険物管理が必要。 |
ニッケル・水素充電池 | 耐久性があり振動・衝撃に強い。放電効率は周囲環境に影響を受ける。 |
レドックスフロー電池 | サイクル寿命が長く安全性が高い。大規模な電力貯蔵用設備向き。 |
蓄電池があれば太陽光発電の卒FIT対策になる
蓄電池があれば、昼間に太陽光発電で生み出された電気を貯め、発電がおこなえない夜間にも使えるようになります。日頃の生活で電気代節約に役立つだけでなく「卒FIT」対策にも活用できるのがメリットです。
「卒FIT」とは、FIT適用から10年が経過し、売電によって得られる収入が、FIT適用期間より減少してしまうことを指します。
FITとはFeed-in Tariffの略称で、2012年に制定された再生可能エネルギーの固定価格買取制度です。
地域の電力会社は太陽光発電や水力発電、風力発電、また地熱発電などで得た電気を、固定価格で一定期間買い取る義務が発生します。売る側から見れば、FIT開始から10年間は一般市場より高い価格で売却できるのが特徴です。
また、年々、FIT制度における電気の買取価格は減っているのが現状です。経済産業省の発表によると、FIT制度における2021年度以降の買取価格は以下のようになっています。
電源規模 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
住宅用太陽光発電 (10kW未満) | 19円 | 17円 | 16円 | 16円 |
そこで卒FITの時期が迫ったら蓄電池を購入し、自家消費を増やして電気代節約にあてるのが賢い方法といえます。自家消費すればするほど、購入する必要のある外部からの電力量が減るためです。
また昨今、東京都では住宅用太陽光発電システム導入の義務化の動きが進んでいます。今後は他の自治体でも太陽光発電システムに対する補助・助成制度の普及が促進されるでしょう。
太陽光発電システムと蓄電池セットで導入することで受けられる助成制度もあり、卒FITの時期が来る前から対策できるのもメリットです。
本記事ではおすすめの蓄電池製品を紹介しますが、太陽光発電システムと併用することでさらに経済的・効率的な電力供給が期待できます。太陽光発電をまだ導入していない人はぜひ、蓄電池とセットで検討してみてください。
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家庭用蓄電池の選び方
ここからは、家庭用蓄電池製品を選ぶポイントを紹介します。
蓄電池の性能自体は概ね、メーカーによる大きな差はありません。メーカーごとのデザインや独自サービス、担当者との相性はもちろん大事ですが、それよりも重要視したいのは次の4点です。
- 全負荷or特定負荷
- ハイブリッドor単機能型
- 蓄電容量
- 保証内容
さらにソーラーパネルと併用する場合はパネルとの相性も重要になります。
以下で詳しく見ていきましょう。
全負荷or特定負荷
蓄電池には、全負荷と特定負荷の2種類があります。違いは停電が起きた際に電気を供給できる範囲です。
- 全負荷なら停電しても「ほぼすべての部屋で電気が使用できる」
- 特定負荷なら停電しても「指定した部屋のみ電気が使用できる」
どちらか一方にメリットがあるわけではなく、双方特徴が異なるため、より自宅に合う種類を選ぶことが大切です。以下の表に、メリットとデメリットをまとめました。選ぶ際の参考にしてください。
種類 | 全負荷 | 特定負荷 |
停電時に使える範囲 | ほぼすべての部屋 | 事前に指定した部屋や家電のみ |
メリット | 大容量だから災害時や停電時でも普段通りの生活が可能 多くのメーカーから販売されている 太陽光発電や燃料電池と併用できる | 貯めた電気をムダなく活用 費用を抑えて導入できる コンパクトで場所を取らない |
デメリット | 導入コストが高い 求められる設置スペースが広い 稼働時間が特定負荷より短くなりがち | 必要な個所にしか電気を使えない エコキュートなど200V家電が使用不可 製品の選択肢が全負荷より少ない |
ハイブリッドor単機能(フレキシブル)型
ハイブリッド型、単機能型の違いは、太陽光パネルを設置する(している)場合に、同じパワーコンディショナー(パワコン)を使用できるかどうかです。
特徴をまとめると、次の通りです。
- 「ハイブリッド型蓄電池」は、太陽光パネルと蓄電池のパワコンが一体
- 「単機能型蓄電池」は、太陽光パネルと蓄電池のパワコンが別々
パワーコンディショナーとは、太陽光発電で生み出した電力や蓄電池に充電された電気を、家庭内で使えるタイプの電気へ変換する装置を指します。2つの性能の差は主に、停電時の充放電効率に現れるほか、設置時の費用などが異なるため、状況に合わせて選びましょう。
比較しやすいように、違いを表にまとめました。
種類 | ハイブリッド型蓄電池 | 単機能型蓄電池 |
システム | 1台のパワコンで太陽光パネルが発電した電気を家庭用電流に変換 蓄電池にも直接充電 | 太陽光パネルと蓄電池それぞれにパワコンが必要 |
メリット | 変換ロスが少なく停電時でも3kW以上の出力を可能 停電時に備えやすい 運転モードが多彩なものもある | 設置コストを抑えられる すでにある太陽光発電システムに合わせて選べる |
デメリット | 単機能型蓄電池と比べ高額 後付け時にメーカーによって保証できないことがある | ハイブリッド型蓄電池と比べ変換ロスは多い 設置場所が広く必要 |
ハイブリッド型蓄電池は直接充電できるため、変換ロスが少なく停電時でも3kW以上の出力を可能にします。次世代の蓄電池ともいわれ、運転モードも多種多様です。災害時にも便利な備蓄モードなど搭載しているものもあります。
単機能型蓄電池はハイブリッド型よりも設置コストは抑えられますが、停電時に太陽光パネルのパワコンは出力を圧縮されてしまうため、普段と同じように電力消費はできなくなります。また太陽光パネルと蓄電池用それぞれにパワコンの設置が必要となるため、設置スペースの確保も必要です。
蓄電容量
家庭の電気使用頻度・量のバランスや太陽光発電の設置容量との関係を考慮し、必要な充電容量を見極めることが大切です。
選び方には、3つの考え方があります。
- 1時間あたりで消費する電気量から逆算する
- 太陽光発電の容量から考える
- 停電時への備え方から考える
検討するポイントと必要な蓄電容量の目安を表にまとめました。
選び方 | 検討ポイント | 必要な充電容量の目安 |
1時間あたりで消費する電気量から逆算する | 夜間の1時間あたりの消費電力を調べる 充電容量を消費電力で割る | エアコンを使いたい:6kWh以上 エアコンなしでもOK:6kWh以下 |
太陽光発電の容量から考える | ソーラーパネルの容量をチェック 1日で発電できる電力にあう容量を選ぶ | 4kWの太陽光パネル:5~7kWh |
停電時への備え方から考える | どのくらい停電中に電気を使いたいか考える 今の太陽光発電の容量で供えられる量を考える | 6.8kWh以上 |
費用が安いからといって容量が少ない蓄電池を購入してしまうと、災害時や停電時に溜めた電力を使ってできることが限られてしまいます。かといって、大容量の蓄電池は設置費用も購入費用もかかるため、自分にとって最適な充電容量を見つけることが大切です。
保証内容
保証内容を選ぶポイントは住んでいる環境に併せて適切な保証が付いた製品かどうかです。
なぜなら、一般的に蓄電池の耐用年数は10〜15年といわれていますが、周辺環境や気候によってその通りになるとは限りません。降雪の多い地区や塩害がある地域などの場合、劣化が早まり10年も経たないうちに交換が必要になる可能性もあります。そこで、適切な保証が付いた製品の選定が大切です。
メーカーの製品保証も10年または15年といったものが多く、期間内であれば無償で交換や修理などおこなってくれる場合もあります。過度な電力消費を控え、充放電のサイクル(※1)回数を抑えることで長持ちさせることもできるでしょう。
設置型の家庭用蓄電池であれば、さらに充放電を抑制してくれる機能を搭載したタイプも多いので、寿命対策に配慮されたタイプを重視するのもよい比較ポイントです。
注)
1.蓄電池ごとに決められた充放電回数のこと。1サイクル=0%の状態から100%まで充電し、放電によりまた0%に戻る流れ。
おすすめの家庭用蓄電池6選
ここからは、家庭用蓄電池において独自調査にて厳選した優良なメーカー製品を6選紹介します。
それぞれ製品の容量やメーカー保証期間、コストなどを比較して表にまとめました。
メーカー | 機種名 | コスト | 保証期間 | 停電時出力 |
nichicon | ESS-T3シリーズ | 126円/1日 | 15年 | あり |
Tesla | Powerwall | 298円/1日 | 10年 | あり |
Panasonic | LJ-SF50B | 500円/1日 | 蓄電池容量保証7年、 機器瑕疵保証1年 | あり |
オムロン | マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-Aシリーズ | – | 10〜15年 | あり |
長州産業 | スマートPVマルチ | 6.5kWhの場合514円/1日 | 15年 | あり |
京セラ | エネレッツァシリーズ | – | 15年 | あり |
nichicon/ESS-T3シリーズ
- メーカー名 nichicon(ニチコン)
- 機種名 ESS-T3シリーズ
- 容量 4.9/7.4/9.9/14.9 kWh
- 本体価格 オープン価格
- メーカー保証期間 15年
- コスト 126円/1日
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 屋外
- 大容量モデルで災害時も安心
- 長期間の利用でライフスタイルが変化しても合わせやすい
- EVの電池も使用可能
nichicon(ニチコン)は性能重視で、さまざまな便利機能を搭載した10kWh以上の大容量モデルをメインに展開している蓄電池メーカーです。2012年に家庭用蓄電システムを業界に先駆けて開発・市場導入したリーディングカンパニーで、累計販売台数が11万台を超えています。(24年9月時点)
なかでもおすすめなのは、蓄電池だけでなくEVも充放電できるトライブリッド蓄電システムESS-T3シリーズです。EVの大容量電池もV2Hによってコントロールでき、蓄電池、V2Hとも追加置可能なため、生活スタイルの
変化に柔軟に対応できます。
もしもの停電があっても、EVの電池も使えるので、1週間以上電力を確保できます。EVをお持ちでない方はハイブリッドタイプとしても使えるので、拡張性と高いスペックを持ち合わせています。
- 電気自動車を所有している、もしくは購入する予定がある
- 今後ライフスタイルが変化する可能性がある
Tesla/Powerwall
- 機種名 Powerwall
- 容量 13.5kWh
- 本体価格 1,000,000円(税込)
- メーカー保証期間 10年
- コスト 274円/1日
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 屋外
- 大容量と高出力を両立したモデル
- コンパクトタイプで置きやすい
- エネルギーをスマホで一括管理できて便利
Powerwallは、施工件数が多く、世界で25万台以上もの実績を誇るTeslaから発売されている人気モデルです。13.5kWhと大容量かつ5kWと高出力タイプのため、停電時も家中の電気をバックアップしてくれます。加えて容量と比較してコンパクト(奥行き147mm)なのも特徴です。
また、アプリによるエネルギーマネジメントに対応しており、使用状況の確認だけでなく、設定の変更などもお手元のスマホから遠隔で行うことができます。
なお、メーカー保証期間は10年間のため、10年間の使用を前提に計算すると、1日あたり298円で使用できることになります。
- 大容量でも低価格の蓄電池を探している
- 全負荷型で停電に備えたい
Panasonic/LJ-SF50B
- メーカー名 Panasonic
- 機種名 LJ-SF50B
- 容量 5kWh
- 本体価格 943,800円(税込)※本体+Panasonicによる工事費
- メーカー保証期間 蓄電池容量保証7年 機器瑕疵保証1年
- コスト 369円/1日
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 屋内
- 屋内向け小型機でありながら高性能モデル
- 地震などでの破損に強い設計
- 小型、軽量で設置しやすい
Panasonicから販売されているLJ-SF50Bは、高出力・大容量・高性能なため、一度に複数の家電へ電力供給ができるパワフルなモデルです。蓄電池容量保証が7年間のため、7年間使用することを前提とすると1日500円で利用可能という計算になります。
地震などで家具が落ちてきても、蓄電セルやインバーターを守ってくれる設計になっているのも特徴です。小型かつ軽量デザインとなっているため導入しやすいでしょう。
- 設置場所が狭くコンパクトなタイプを探している
- 自動給電機能で停電時もすぐに電気を使いたい
オムロン/マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-Aシリーズ
- メーカー名 オムロン
- 機種名 マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-Aシリーズ
- 容量 6.5kWh/9.8kWh/16.4kWh
- 本体価格 オープン価格
- メーカー保証期間 10〜15年
- コスト ―
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 屋外
- 生活スタイルに合わせて柔軟に対応できる
- AIによる自動コントロール
- スマホアプリと連動して確認できる
マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-Aシリーズは、生活スタイルやエネルギー消費の変化に合わせて機器を選んだり追加することで、電気をかしこく貯めて使えるマルチ蓄電プラットフォームです。システムは以下の種類があります。
- 既設の太陽光発電システムに後付けする「単機能蓄電システム」
- 蓄電池と太陽光発電を同時に導入する「ハイブリット蓄電システム」
- 蓄電池と太陽光発電の同時導入+停電時の全負荷対応の「全負荷対応型ハイブリット蓄電システム」
3つのシステムと3つの容量を組み合わせて自身の生活や目的に合った蓄電池が選べるため、無駄なコストを抑えられます。さらにネットワークに接続することで、AIが住まいの地域の気象情報を取得し、翌日の天気や気象警報に合わせて充電量を自動で調整してくれるほか、スマホで発電量や蓄電量の確認もできます。
- 長寿命な蓄電池を使って交換費用を抑えたい
- 狭い場所に置けるコンパクトな蓄電池を探している
長州産業/スマートPVマルチ
- メーカー名 長州産業
- 機種名 スマートPVマルチ
- 容量 6.5kWh、9.8kWh、16.4kWh
- 本体価格 4,854,300円/5,493,400円/7,958,500円(税込)
- メーカー保証期間 15年
- コスト 6.5kWhの場合886円/1日
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 屋内・屋外(容量による)
- 価格を抑えながら堅牢で長く使える優秀モデル
- 3つのタイプから環境に応じて選択できる
- 遠隔監視に対応
長州産業から発売されているスマートPVマルチは、16.4kWh・9.8kWh・6.5kWhと3種類の容量が展開されています。環境に合わせて単機能型・ハイブリッド型・全負荷ハイブリッド型の3つのタイプから選択可能。大容量でありながら低価格・長寿命であるのが大きなメリットです。
また、クラウド接続によって遠隔で見守りができるのも魅力になっています。
- 家電製品の利用頻度が高く大容量の蓄電池を探している
- 長期的に保証を受けて故障に備えたい
京セラ/エネレッツァ
- メーカー名 京セラ
- 機種名 EGS-LM0500/EGS-LM1000/EGS-LM1500
- 容量 5.0kWh/10.0kWh/15.0lWh
- 本体価格 2,750,000円/4,730,000円/6,710,000円(税込)
- メーカー保証期間 15年
- コスト ―
- 停電時出力 あり
- 屋内外の対応 ―
- 普段も災害時も役立つ柔軟な対応力が魅力
- インターネットを使ったおまかせ運転機能
- 停電時も自動で電気を供給
エネレッツァシリーズは、蓄電池容量が3種類のタイプがあります。そのため、自宅に設置している太陽光発電システムの容量や、生活スタイルに合わせて最適なものを選ぶことが可能です。
また、京セラ製クレイ型リチウムイオン蓄電池を搭載しているため、高い安全性を保ちながら長寿命なのが特徴。加えて蓄電池の見守りは独自の通信モデムを搭載しているため、インターネット環境がない人も安心して使用できます。インターネットを介して、蓄電池を経済的に自動で運転する「おまかせ運転」機能も魅力です。
なお、停電が起こると、事前に設定しておいた家電に自動で電気の供給を開始します。15kWhの場合、255Wを消費し続けても最大で47時間使用可能です。(家電255W使用例:スマホ2台充電・テレビ・冷蔵庫・LED照明)
- 将来的に蓄電池の容量を変更したい
- 室内に置いても違和感のないデザインの蓄電池を探している
家庭用蓄電池の設置費用相場
家庭用蓄電池の設置にかかる費用の相場を紹介します。内訳としては、機器本体の購入費用と設置工事にかかる費用があります。
機器本体の購入費用 | 設置工事の費用 |
50万〜150万円 | 20万〜30万円 |
メーカーや用途、機能性によって費用相場は変わってきますが、その他諸経費などを考慮して全体費用の相場は200万円前後と考えておきましょう。
初期費用を抑えたいあまり安価な業者ばかりを探してしまうと、使用材質が悪かったり工事が雑だったりというケースもあり、劣化が早まり結果的に修繕費用がかさんでしまうというリスクも考えられます。品質の良さを保ちつつ費用を抑えたいならば、大手専門業者へ相談してみるとよいでしょう。
蓄電池を導入するタイミングとしては、安心を優先する場合は太陽光と同時に、コスパを優先する場合は太陽光パネルの導入後がベストです。ぜひ参考にしてみてください。
家庭用蓄電池で使える補助金
家庭用蓄電池の導入には補助金制度を活用することができます。補助金を賢く使い、購入の際の費用負担を減らしましょう。なお、国と自治体で併用できるものもあるため、国の補助金制度と地方自治体の補助金制度の両方について知っておくと、さらにお得に蓄電池を購入することができます。
急激に変化しているエネルギー情勢を踏まえて、年度途中でも制度や補助金額等が見直しされる可能性があります。常に最新情報をチェックするようにしましょう。
国の補助金制度
2024年の国主体の補助金として前年度(令和5年)同様、DER(VPP)補助金制度が公募されています。
DER(VPP)とは、「分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources)」の略語で、Sii(※1)が提供する太陽光発電や蓄電池を効率化して運用していく取り組みです。
実際に実証する事業に参加することで国からの補助金が受けられる仕組みで、今年度は1kWhあたり2.7万円の補助額となっています。
申請期間は2024年の7月18日〜12月22日となっているため補助金の採択を目指されている方は前もって要件の確認を進めておくと安心でしょう。
※1)siiとは、国が運営する一般社団法人環境共創イニシアチブという団体のこと。
自治体の補助金制度
2024年度(令和6年度)は、一部自治体で蓄電池の導入に対して補助金が交付されています。なかでも現時点で発表されているなかで補助金額が高い東京都の補助金額と受給の条件についてまとめました。
自治体/補助金制度 | 補助金額 | 受給の条件 |
災害にも強く健康にも資する断熱・ 太陽光住宅普及拡大事業 |
|
|
その他、各都道府県・市区町村ごとに補助金制度を設けている場合があるので、管轄の自治体の公式サイトなどをチェックしてみてください。
家庭用蓄電池を導入するメリット
蓄電池を利用すると下記のようなメリットがあります。
- 電気代が安くなる
- 停電時に電気が使える
- 新しいパワコンでより経済的・効率UP
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
電気代が安くなる
蓄電池の導入は、電気代が安くなるというのが最も大きなメリットといえるでしょう。電気料金の単価が安くなる深夜のプランに変更し、安い電気を蓄電池に貯めておくことで、日中の電気使用量を抑えることができ節約につながります。
他にも、日中は太陽光発電によってつくられた電気を利用し、余剰電力を蓄電池に貯めて夜間に利用するという手段もあります。
停電時に電気が使える
蓄電池は災害の際に大きく役立ちます。蓄電池に電気を貯めておくことによって、災害で停電した場合でも電気を使うことができるのです。蓄電池のモデルによって全負荷型と特定負荷型があるため、自分の生活に合った方を選ぶと良いでしょう。
- 停電の際に蓄電池を利用して建物内のすべての電気を補える
- 便利ではあるが、消費電力も激しいためそれなりの容量の製品を購入する必要がある
- あらかじめ決めておいた特定の部屋のみ蓄電池からの電力供給を受けられる
- 停電時に電気が使えない部屋もあるが、容量の小さい蓄電池でも活用可能
新しいパワコンでより経済的・効率UP
以前は蓄電池を導入する際、太陽光発電システムのパワーコンディショナーとは別に蓄電池用のパワーコンディショナーが必要でした。しかし最近では一体型の製品が出てきたため、より経済的かつ効率的に太陽光発電と蓄電池を導入することが可能になりました。省スペースも実現できる点が魅力です。
家庭用蓄電池を導入するデメリット
蓄電池を利用するデメリットも知っておきましょう。以下のようなデメリットや注意点があります。
- 設置するスペースが必要
- 蓄電池には寿命がある
- 初期費用が高い
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
設置するスペースが必要
定置型の家庭用蓄電池のサイズ目安は、およそ幅100cm 奥行30cm 高さ120cmとなってます。ある程度のスペースが必要で、製品によっては設置場所の気温にも注意しなくてはなりません。結露が出ない場所でないと設置は難しいなど、蓄電池置き場にはいくつかの注意点があります。
中にはコンパクトタイプや、コンパクトタイプよりもさらに小さいポータブルタイプなどもあります。設置場所がネックとなっている人は検討してみるとよいでしょう。コンパクトタイプにも容量が大きめの製品があるため、製品の特徴をよく確認して自宅の広さに合ったものを探してみてください。
蓄電池には寿命がある
蓄電池は劣化し、いずれ使えなくなってしまいます。メーカーの説明書などに記載されている寿命はあくまで目安です。リチウムイオン電池充放電の回数には限りがあるため、充放電回数の寿命を超えると交換が必要となります。蓄電池の導入を検討する際は寿命についてもメーカーからの説明をしっかり聞いて、交換するときのことも考えて計画を立てましょう。
初期費用が高い
蓄電池は高価な商品で、設置工事にも費用が必要な場合がほとんどなため、初期費用が高くなる点もデメリットといえます。容量が4~8kWh程度の蓄電池であれば、150万から250万円の費用になることが多いです。補助金やソーラーローンを活用して、上手く初期費用を抑えられるよう工夫するとよいでしょう。
容量の小さい蓄電池ならば費用を抑えることも可能ですが、蓄電池をどのように活用したいかによって必要な要領は変わってきます。自宅の広さや、どんなシーンで役立てたいかを明確にし、どの程度の容量が必要か計算して製品を選びましょう。
蓄電池を導入したほうが良い人・しないほうが良い人
蓄電池は誰でも導入がおすすめというわけではなく、普段電気を使用するタイミングや量などで向き不向きが決まります。以下で導入したほうが良い人・しないほうが良い人をわかりやすくまとめました。
- 月々の電気代が高めで困っている人
- 日中家で過ごす時間が多い人
- 蓄電池を設置するスペースがある人
- 月々の電気代があまり高くない人
- 日中家にいる時間が少ない人
- 蓄電池の設置スペースが取れない人
- 寒冷地に住む人
蓄電池は、月々の電気代が高めの人のほうがメリットが大きく、逆にそこまで電気代がかからない人にはおすすめではありません。電気代が高めの人は日中に溜めた電気を活用して節約することができます。しかし電気代が安めな人はそもそも電気をそこまで使用しないことも考えられるため、せっかく溜めた電気を捨てることになってしまいます。
また、蓄電池は夜に蓄電したものを日中に使うことで節約する作りです。つまり日中の間、家で過ごすことが多い人は活用できますが、逆に日中に留守にする人には蓄電池を導入してもメリットが得られないでしょう。
そもそも蓄電池の設置スペースがあるかないかでも、向き不向きがあります。屋外型ならエアコン室外機2台ほど、屋内型はエアコン室外機1台ほどの置き場所が必要です。重量もあるため、屋外だと基礎工事も必要になることを上記条件に加えて確認しておきましょう。
なお、-10度を下回る寒冷地では蓄電池は能力が下がってしまうため、屋外設置ができません。屋内に設置できないなら、蓄電池の導入は難しいでしょう。
まとめ
家庭用蓄電池のおすすめメーカー・製品6選や、卒FIT・補助金制度などについて解説しました。
蓄電池の導入にはたくさんのメリットがありますが、同時に把握しておきたいデメリットもあります。メリットとデメリットの双方を理解して、適切な容量や機能の付いた蓄電池を選びましょう。購入の際は補助金制度について事前に調べ、お得に蓄電池を手に入れることをおすすめします。
また、蓄電池の導入で迷う場合は、無料で気軽にプロに相談できる窓口を利用するのも良い方法です。蓄電池に関する総合的な悩みに応えてくれるでしょう。ぜひ活用してみてください。
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※「マイナビニュース太陽光発電」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・東京都環境局
・こどもエコすまい支援事業
・葛飾区公式ホームページ
・経済産業省
監修者情報
太陽光や蓄電池等の専門家。2017年より某外資系パネルメーカーに所属し年間1000件以上の太陽光を販売しトップセールスを記録。これまでの知見を活かしたYouTubeが業界NO,1の再生数を誇り、2021年に開業。現在は一般の方向けに自社で販売〜工事を請け負う。Youtubeチャンネル
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。