ソーラーパネルは様々な製品があり、「パネルの選び方がわからない」「メーカーごとにどう違うんだろう」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、家庭用ソーラーパネルを開発する大手メーカー9社と、小型ソーラーチャージャーでおすすめのメーカーを3社取り上げ、それぞれの性能や価格などを比較しながら紹介します。
ソーラーパネルをお得に設置する方法や、設置の際の注意点についても解説しているので、家庭用ソーラーパネルを購入する際はぜひ参考にしてください。
・家庭用ソーラーパネルのおすすめメーカー9選
・小型式ソーラーパネルのおすすめメーカー3選
・家庭用ソーラーパネルを選ぶ5つのポイント
・ソーラーパネルをお得に設置する方法
・ソーラーパネル導入前に知っておきたいこと
※本記事は専門家の監修のもと作成しています。監修者情報はこちら。
太陽光発電 一括見積もりサイト利用者が選んだおすすめサービスTOP3
家庭用ソーラーパネルのおすすめメーカー9選
ここからは家庭用ソーラーパネルのおすすめメーカーについて、比較しながら紹介します。メーカーごとの「導入時の価格相場」「最大変換効率」「国内販売実績」「保証サービス」を表にまとめました。
メーカー名 | 導入時の価格相場 | 最大変換効率 | 国内販売実績 | 保証サービス | リンク |
---|---|---|---|---|---|
パナソニック | 130~165万円 | 19.9% | 累計生産10億枚 | 出力保証25年 | 公式サイト |
シャープ | 118~167万円 | 19.4% | 約85万件 | 出力保証20年 | 公式サイト |
カナディアンソーラー | 125~139万円 | 20.3% | 約14万棟 | 出力保証25年 | 公式サイト |
ソーラーフロンティア | 109~152万円 | 15.1% | 非公開 | 出力保証20年 | 公式サイト |
Qセルズ | 109~146万円 | 20.6% | 非公開 | 出力保証25年 | 公式サイト |
京セラ | 158~189万円 | 18.8% | 非公開 | 出力保証20年 | 公式サイト |
ネクストエナジー | 105~137万円 | 20.5% | 非公開 | 出力保証25年 | 公式サイト |
フジプレアム | 109~152万円 | 15.75% | 非公開 | 出力保証15年 | 公式サイト |
トリナソーラー | 78~120万円 | 21.0% | 累計出荷数70GW | 出力保証最大30年 | 公式サイト |
それではメーカーごとの特徴を詳しく確認していきましょう。
パナソニック
※画像引用元:パナソニック公式HP
パナソニックのソーラーパネル「HIT」は、多くの型番で発電効率が18~19%台と非常に高いです。
パネルの設置面積が少ない家でも、発電効率がよいため多く発電することが可能です。また、ハーフタイプと台形タイプがあり、組み合わせることで屋根の面積を有効活用できます。
ソーラーパネルの保証期間は業界トップクラスの25年で、パワーコンディショナなどの周辺機器にも15年の機器瑕疵(かし)保証付きで安心。
超大型の台風を想定したテストや水平・垂直方向の動き耐震試験、独自の強度確認試験もおこなっており、耐久性に優れていることが立証されています。
多彩な工法を取りそろえていて、一般的には難しいといわれている瓦屋根にもソーラーパネルを設置することが可能です。パナソニックが認めた施工登録店が設置してくれるため、防水対策も万全です。
パナソニックはこんな人におすすめ
- 発電効率を重視したい人
- 長期間の保証を受けたい人
- ソーラーパネルを瓦屋根に載せたい人
シャープ
※画像引用元:シャープ公式HP
シャープのソーラーパネル「BLACKSOLAR」は、長年培ってきた技術を結集して開発されています。受光量が高く送電ロスと発電ロスが少なく、パネルの変換効率は業界トップクラスの19.4%です。
さまざまなタイプの製品がそろっていて、基本的にあらゆる形状の屋根に対応しています。
サイズの異なるソーラーパネルを組み合わせるルーフィット設計により、多くのソーラーパネルを設置することが可能です。
保証サービスでは、BLACKSOLAR限定の長期保証として20年間のプレミアム保証付き。パネルの交換や修理に加え、容量に応じた出力値を20年間保証してくれます。
あわせて周辺システム機器に関しても15年保証が付いており、各機器の故障時には無償で修理・交換に対応しています。
シャープはこんな人におすすめ
- 高い発電力を重視している人
- ソーラーパネルの設置数を最大限にしたい人
- 充実した保証を受けたい人
カナディアンソーラー
※画像引用元:カナディアンソーラー公式HP
カナディアンソーラーはカナダ発のソーラーパネル専業メーカーで、世界160カ国以上で導入されています。国内メーカーと比較すると価格が安いため、投資費用の回収期間を短くすることが可能です。
価格だけでなく発電効率も非常に優秀です。同社の主力シリーズ「HiKu」は、変換効率が各メーカーでも最高クラスの20.3%です。最新技術によりロスを大幅にカットしており、出力の高さが従来のパネルよりも26%向上しています。
国際基準で厳格な品質管理をおこない、世界中のあらゆる環境に対応できるソーラーパネルを製造しています。
塩害やアンモニア、防砂・防塵などへの耐性がある認証も取得済みで、安心の長期保証で25年間の出力保証を受けることが可能です。さらに製品保証15年、太陽光発電システム15年など他の保証も充実しています。
カナディアンソーラーはこんな人におすすめ
- 低価格なソーラーパネルを導入したい人
- 発電効率を重視する人
- 長期間の保証を受けたい人
カナディアンソーラーについて詳しく知りたい方はこちら
ソーラーフロンティア
※画像引用元:ソーラーフロンティア公式HP
ソーラーフロンティアは独自の技術開発により、「CIS」と呼ばれるソーラーパネルを生産しています。
熱に強く、出力ロスを低く抑えられるため実発電量が多いことが特徴です。
また鳥の糞などで部分的に影がかかっても、発電量に与える影響を少なくできる性質も持っています。
設置するエリアのさまざまな天候に対応できるように、降雹(ひょう)試験や曝露試験、環境試験などの厳しい条件に耐えることができる製品だけを生産しています。
通常の認証試験に加えて厳しい独自試験を実施しているため、製品の安全性や信頼性が高いことも魅力の一つです。
弱点は変換効率が低めなことです。一定のkWを実現するためには広い屋根面積が必要で、屋根のスペースが小さい住宅では必要とする発電量が得にくいかもしれません。
ソーラーパネルの保証期間は20年間あるため、安心して長く使い続けることが可能です。
太陽光の出力が保証開始日から10年以内に10%以上、20年以内に20%以上低下した場合は、ソーラーパネルの追加や修理、交換をおこなってくれます。
ソーラーフロンティアはこんな人におすすめ
- 晴天が多く高温になりやすい地域に住んでいる人
- 悪天候でも長持ちする耐久性を重視する人
- 安心して長く使い続けたい人
Qセルズ
※画像引用元:Qセルズ公式HP
Qセルズは、ドイツ発の世界でもトップクラスのシェアを誇るグローバルソーラーパネルメーカーです。
世界4カ国のセンターで製造をおこなっており、日本では2011年8月より太陽光関連製品の販売をスタートさせています。
独自技術の「Q.ANTUM DUO Z」テクノロジー搭載のソーラーパネルは、セル間の隙間をなくすことで、変換効率20.6%と非常に高い発電効率を実現しています。
また、日照量が少ない場合でも比較的高い発電量を維持でき、強風や豪雪時でも耐えられるように設計されているのが強みです。
弱点は日本国内での知名度がやや低い点で、国内の施工実績の多さを重視したい人には不向きかもしれません。
出力保証期間は25年間と長く、製品自体の保証も12年間のため安心です。
万が一トラブルが発生した場合には、全国450カ所のサービスネットワークでメンテナンスに駆け付けてくれます。
Qセルズはこんな人におすすめ
- 最新技術を搭載した発電効率の高いソーラーパネルを導入したい人
- 日照量が少ない地域に住んでいる人
- 耐久性の高いパネルを探している人
京セラ
※画像引用元:京セラ公式HP
京セラのソーラーパネルは製造から組み立てを国内でおこなっている点と、長い期間が経っても発電効率が落ちにくい点が特徴です。
1984年に設置したソーラーパネルは、出力低下率を13%に抑えながら現在も稼働しており、30年以上安定した発電量をキープできることを実証。
長年蓄積してきた実証データから、高品質なソーラーパネルの開発や製造ができるようになりました。さらに自社内部で厳しい品質管理をおこない、太陽光業界トップクラスの長寿命化を実現、世界の第三者機関から製品品質の認定を受けています。
また京セラは、日本の住宅の屋根に合わせて自由にレイアウトできるソーラーパネルも販売しています。パネルの変換効率は18%台と平均よりやや高めというところですが、設置枚数を増やすことで発電量を増やせるでしょう。
京セラの住宅用太陽光発電システムには無償の標準保証に加え、有償の機器15年・自然災害15年・出力20年のトリプル保証があり、保証期間中は何度でも修理が受けられます。
京セラはこんな人におすすめ
- 信頼できる国産メーカーを選びたい人
- 長く安心して使えるソーラーパネルを探している人
- 太陽光のあらゆるトラブルに備えたい人
ネクストエナジー
※画像引用元:ネクストエナジー公式HP
ネクストエナジーのソーラーパネルは、「PERC」と呼ばれる技術を採用して発電効率をアップさせており、価格も比較的安いのが特徴です。
PERCとは、ソーラーパネルの発電効率を改善する手法の1つです。セル裏面に不活性化層を形成することで、発電ロスを少なくすることができます。
また、従来のセルを2分割したハーフカットセルの採用により、配線の発熱による電力ロスをカットしています。
なおネクストエナジーは、他の大手メーカーと比べると会社規模は小さめですが、その分保証内容が充実しています。製品保証は12年、出力保証は25年と長めの設定です。
また独自の保証制度として、パネルの不具合により売電収入などの経済損失が発生した際に補填してもらえる、経済損失補償10年も付いています。
よって保証内容を重視したい人にはおすすめなメーカーといえるでしょう。
ネクストエナジーはこんな人におすすめ
- 初期費用を抑えたい人
- 効率的なシステムで発電したい人
- パネルの不具合に伴う損失についても保証を受けたい人
フジプレアム
※画像引用元:フジプレアム
フジプレアムが開発した家庭用ソーラーパネル「希」は、従来のモデルと比べると半分以下の重さなのが特徴です。
軽量化により負荷が心配される古い家や、カーポートなどの屋根にも対応できるようになりました。強化ガラスを使用しているため見た目が美しいのも強みです。
一方で変換効率は15.75%で、他のメーカーと比べるとやや低め(「希」の場合)なため、発電力を重視したい人には物足りなく感じる可能性もあります。
パネルの出力保証は15年間、製品への保証は10年間、有償で10年間の災害補償も付けられます。
フジプレアムはこんな人におすすめ
- 屋根への負担が軽いパネルを設置したい人
- ソーラーパネルのデザインにこだわりたい人
トリナソーラー
※画像引用元:トリナソーラー公式HP
トリナソーラーは中国で設立された太陽光発電のメーカーです。
知名度は高くありませんが、これまでにセル変換効率およびパネル発電量の世界記録を21回更新しています。
世界100カ国以上に本部や生産拠点があり、圧倒的なレベルの技術と品質で業界をリードしているメーカーです。
また、高性能でありながらパネルの価格が群を抜いて安いという特徴があり、初期コストを抑えたい人にはおすすめなメーカーです。
製品保証と出力保証の2種類ありますが、モデルによって保証期間が異なります。住宅用の製品「Honey M」の場合は、製品保証が最大12年、出力保証は25年です。
トリナソーラーはこんな人におすすめ
- 世界水準で見ても高品質なソーラーパネルを設置したい人
- 低コストでソーラーパネルを設置したい人
- 長期間の保証を受けたい人

まったく同じ種類のソーラーパネルを選んでも、設置業者によって値段が上下する場合があります。なるべく複数の業者に見積もりを依頼して、価格を比較検討するとよいでしょう。
太陽光発電一括見積もりサイトを利用すると、簡単に複数の業者に見積もりをとれて便利です。
おすすめの一括見積もりサイトは「ソーラーパートナーズ」

太陽光発電や蓄電池の設置で、希望に合う施工業者を効率よく探すなら、太陽光発電・蓄電池の一括見積もりが便利です。
中立的な立場から、あなたの状況に合うおすすめの施工業者を紹介し、契約までサポートしてくれます。
特に編集部がおすすめしたいサービスが「ソーラーパートナーズ」です。
なぜおすすめなのか、理由をまとめています。
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小型ソーラーチャージャーのおすすめメーカー3選
小型のソーラーパネルを備え、太陽光を利用して発電する持ち運び可能な充電器のことを、ソーラーチャージャーといいます。小型ソーラーパネル、モバイルソーラーパネルなど、呼び方も豊富です。
製品の機能や発電量から分けると、次の2種類が主流になっています。
- アウトドアシーンに使いやすい60~100W発電できる折り畳み式
- モバイルバッテリーとしても使える20~60W発電できるモバイル式
折り畳み式は、スタンドなどを活用し、出来るだけ広い面を太陽光に当てることで効率よく発電できるため、比較的高出力の発電が可能です。
生活家電のコンセントをそのまま差し込んで使えるポータブル電源(持ち運べる大型バッテリー)への充電器として使えるのも魅力といえます。
一方、モバイル式はモバイルバッテリーサイズのため出力は決して高くありませんが、モバイルバッテリーとしても使えるなど機能面は多彩です。
野外でスマートフォンを充電したいといった場合には、折り畳み式よりも手軽に利用できます。
ここからは、小型ソーラーパネル(ソーラーチャージャー)でおすすめの製品を扱うメーカー3社を紹介します。自分に合いそうなメーカーを検討してみましょう。
メーカー名 | 折り畳み式の有無 | モバイル式の有無 | ポータブル電源とのセット購入 | 費用(税込) | おすすめポイント | リンク |
Anker(アンカー) | あり | あり | なし | \6,999~ | モバイルバッテリーメーカー、低価格で高速充電を実現 | 公式サイト |
EcoFlow(エコフロウ) | あり | なし | あり | \22,000~ | 大容量400Wの小型ソーラーパネルあり、ポータブル電源が豊富 | 公式サイト |
Jackery(ジャクリ) | あり | なし | あり | \84,100~ | ポータブル電源と周辺機器を開発、セット購入もメリットあり | 公式サイト |
それでは、メーカー別におすすめ商品を含め紹介していきます。
Anker(アンカー)
世界No.1シェア(2023年8月時点)を誇るモバイルバッテリーメーカーであるAnker(アンカー)は、高品質かつ低価格な商品が多く、日本でも人気の高い中国の大手メーカーです。
これからおすすめするメーカー3社の中で唯一、モバイル式のソーラーチャージャーを扱っており、小型で手頃な製品が中心となっています。
たとえばモバイル式の「Anker PowerCore Solar 20000」は約469g、モバイルバッテリーとしても使用できる製品です。
高出力で選ぶなら「Anker 625 Solar Panel (100W)」も選択肢に入ります。単結晶パネルが採用されており、最大23.5%と高効率、最大100Wで「PowerHouse」シリーズへ充電がおこなえるのが魅力です。
Anker(アンカー)はこんな人におすすめ
- モバイルバッテリー一体型を探している人
- 海外メーカーでも信頼のおける大手の製品で探したい人
- 価格は抑えたいが性能にもこだわりたい人
EcoFlow(エコフロウ)
EcoFlow(エコフロウ)はクラウドファンディングをきっかけに設立された、ポータブル電源や小型ソーラーパネルを扱うメーカーです。
独自開発のX-Stream充電テクノロジーにより、従来のポータブル電源の弱点を克服した製品が注目を集めています。
日本のほか、EUやアメリカの定める安全基準を複数取得しており、安全性や品質、アフターケアも充実しています。保証期間の延長も可能で、将来を見越して製品を選びたい人にもおすすめです。
取り扱う小型ソーラーパネルはいずれも耐久性・防水性に優れており、キャンプや屋外で大容量ポータブル電源と共に活用しやすくなっています。
EcoFlow(エコフロウ)はこんな人におすすめ
- 保証やサポート面を重視する人
- パワフルで機能性に優れた製品を探している人
- 豊富なライナップから選びたい人
Jackery(ジャクリ)
アメリカのカリフォルニア州フリーモントに本社を置くJackery(ジャクリ)は、10年以上の実績を誇るポータブル電源とその周辺機器を開発しているメーカーです。
自社製品のポータブル電源へ利用できる、純正ソーラーパネルを販売しています。
最大23%の高い変換効率を実現している「Jackery SolarSaga 100」は、ポータブル電源への充電に使うDC出力以外にも、USBポートを使用した3ポート同時充電も可能です。
スマートフォンやタブレット端末へ直接給電できるため、地震時の非常用電源としても活用できます。
また、さらに高出力で充電したい場合は、最大で200Wの充電を可能とした「Jackery SolarSaga 200」もおすすめです。
Jackery(ジャクリ)では、ポータブル電源とソーラーパネルのセット商品も販売されています。
Jackery(ジャクリ)はこんな人におすすめ
- 企業の実績や信頼度を重視する人
- 変換効率が高い高性能な製品を探している人
- ポータブル電源とセットでお得に購入したい人
ソーラーパネル(太陽光発電)とは
一口にソーラーパネルと言っても種類があり、大きくは自宅の屋根や更地に設置するソーラーパネルと、持ち運びが可能な小型ソーラーチャージャーの2つに分かれます。
持続可能な社会への取り組み(SDGs)の考え方が強まる昨今、太陽光発電に興味を抱く人も増えています。
継続的に家庭の消費電力を節約したいのであれば、初期費用はかかりますが家庭用ソーラーパネルを、レジャーや緊急用として手軽なものが欲しいということであれば小型ソーラーチャージャーを検討するとよいでしょう。

本記事では家庭用ソーラーパネルについておすすめメーカーなどメインで取り上げますが、小型ソーラーチャージャーのおすすめメーカーも紹介します。目的や予算に合う製品を探してみましょう。
※以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
経済産業省:再生可能エネルギーとは
家庭用ソーラーパネルを選ぶ5つのポイント
ソーラーパネルメーカーを紹介する前に、まずはソーラーパネルを選ぶ際に着目すべきポイントを見ていきましょう。代表的な5つのポイントは以下の通りです。
- かけたコストに対してどれほどの発電量があるか
- 設置する地域の日照量・気温に合う発電性能があるか
- 設置する地域の気候に合った耐久性があるか
- 設置する住宅の屋根に合うサイズがあるか
- 保証サービスが充実しているか
それぞれのポイントを詳しく確認していきましょう。
かけたコストに対してどれほどの発電量があるか
初期コストが多くかかっても、そのぶん発電能力が高いシステムを導入すれば、電気代の大幅な節約や売電収入が実現しやすくなります。
太陽光発電の場合は、kW(キロワット)が高いほど多くの電気を生み出す能力がありますが、この値はパネルの設置数によって変動します。
高性能なパネルほど、少ない日射時間で多くの電力を生み出せるため、性能も重要です。
つまり、なるべくコストを抑えてよりkWの高いシステムを導入することが、太陽光発電を始める際のポイントといえます。

経済産業省の発表によれば、2023年の1kWのシステムを導入する際の平均単価は26万7,000円とされているため、業者から出される見積もりを評価する際の基準にするとよいでしょう。
さらに太陽光の導入には、パワーコンディショナや蓄電池など、周辺機器の購入や設置にかかるコストも設備も考慮する必要があります。
“参考元:経済産業省 参考箇所:「令和5年度以降の調達価格等に関する意見(案)」”
設置する地域の日照量・気温に合う発電性能があるか
ソーラーパネルの種類によって、日照量や気温の変化で発電量が変わることがあります。
曇りや雨が多いエリアでは、日照量が少なくても発電量をキープできる全天候型のソーラーパネルを選びましょう。
逆に晴天が多く気温が上がりやすいエリアでは、高温に強いソーラーパネルを選び発電量が落ちないようにすることが大切です。
設置地域の日照時間を把握しておく
”設置する地域がどのぐらい晴れるのか”を考えることも重要です。
年間で見ると、地域によって日照時間が大きく異なります。
例えば、南東の角部屋と呼ばれているぐらい日当たりのよい「静岡」と、冬型の気圧配置になると大雪が心配される「秋田」では、年間の日照時間におよそ624時間の差があります。
太陽光発電は最大変換効率などの性能を重視するのはもちろんですが、まず設置する地域が年間でどのぐらいの日照時間を確保できそうなのかを把握するのが重要です。
日照時間が分かれば、得られる発電量を大まかに知ることもできます。設置する地域の天候特性を把握したうえで、自分に合ったソーラーパネルを選ぶようにしましょう。
各地域の日照時間は気象庁HPの「過去の気象データ検索」(左にある地域を選択する)の、月別平年値でチェックできます。
設置する地域の気候に合った耐久性があるか
ソーラーパネルは、雪の冷たさや海からの潮風によってダメージを受けることがあります。
そのような地域に設置する場合は、闇雲に耐久性の高いソーラーパネルを選ぶのではなく、積雪試験や塩害試験など地域の気候に合った耐久試験を、クリアしているソーラーパネルを選びましょう。
自宅の屋根に合うサイズがあるか
メーカーごとに販売しているソーラーパネルの大きさは異なります。
屋根によって設置できる大きさが決まっているため、屋根の形に適した大きさのソーラーパネルを選ぶことが大切です。
中にはハーフサイズや台形、三角形などのサイズを展開しているメーカーもあります。
屋根に隙間なく敷き詰めたい場合は、ソーラーパネルの大きさや形を吟味して選びましょう。
保証サービスが充実しているか
ソーラーパネルは基本的に長期で運用する機器のため、万が一のトラブルに備えたい場合は、保証期間の長さや保証内容の充実度で選ぶことをおすすめします。
長年使っていると出力値が下がることもあるため、出力保証を設けていたり、故障したときに無償で修理・交換などに対応してくれたりするメーカーを選びましょう。

コスト・日照時間・設置条件など総合的な観点からソーラーパネルを選ぶようにしましょう。
太陽光発電一括見積りサイト利用者が選んだおすすめサービスTOP3
4位以下のサイトはこちらの記事で紹介しています。
ソーラーパネルをお得に設置する方法
ソーラーパネルの購入費用は次のような方法を実施することで、通常よりもお得に設置することができます。
- ソーラパネルの補助金・助成金を利用
- ソーラーパネルと蓄電池をセットで購入する
- 電力会社に売電する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ソーラーパネルの補助金・助成金を利用
家庭用ソーラーパネルの設置費用は、雑費なども含めると100万〜200万円はかかるため、補助金・助成金など上手に活用したいものです。
設置費用に利用できる補助金・助成金制度には、国が実施しているものと地方自治体が実施しているものの2種類あります。
令和5(2023)年度の国の制度としては、「こどもみらい住宅支援事業」や「戸建ZEH補助金」などがあり、それとは別に各自治体ごとに数万〜数十万円の助成制度を設けているところもあります。
東京都では、住宅メーカーを対象に新築住宅の太陽光発電設置の義務付けが決まっており、今後ますます再生エネルギーシステム普及のため補助・助成制度の強化が進むことが予想されています。
なお、申請総額が予算枠に達した場合は、申請期間内であっても受付を終了してしまうため早めの手続きをおすすめします。
ソーラーパネルと蓄電池をセットで購入する
ソーラーパネルと蓄電池はセットで購入すると、以下のメリットがあります。
- 工事費用が安くなる
- 災害時や卒FIT後も安心
蓄電池とセットで購入した場合、同時に工事がおこなわれるため、人件費など1回分の工事費用が抑えられます。場合によっては数十万円ほど差が出ることもあるため、この点だけでもセットで購入する価値があります。
また、蓄電池に発電した電気を貯めることができれば、災害時に活用したり、卒FIT後も有効的な使い方が可能です。
将来を見据えた太陽光発電の設置をおこなうためにも、セットでの購入がおすすめです。
電力会社に買電する
ソーラーパネルで貯めた電気は、自宅消費用の電力供給だけでなく電力会社に買い取ってもらうことでさらにメリットも増えます。
経済産業省の発表では、2022年度の太陽光発電による買取価格は1kWhあたり17円と決して大きな金額ではありませんが、多く発電した電気の使い道として検討してみるのも一つの方法です。
ソーラーパネル導入前に知っておきたいこと
ソーラーパネルの設置には以下のような注意点があります。
- ソーラーパネルのランニングコストも考慮する
- 将来の撤去に備えて準備が必要
- 住宅ローンの適用は限定的
- 信頼できる施工業者を選ぶ
ソーラーパネルのランニングコストも考慮する
ソーラーパネルを維持するためには、次のようなランニングコストがかかります。
- 定期点検
- 電気代
- 保険代
有償保険に加入しなければ保険代はかかりませんが、パワーコンディショナが故障して修理や交換となった場合に多額の費用が発生します。トラブルが起こった場合に慌てることがないように、保険への加入を検討しましょう。
将来の撤去に備えて準備が必要
ソーラーパネルは、経年劣化により寿命を迎えた場合は撤去する必要があります。
その際は産業廃棄物として処理することになり、1kW当たりで20,000円程度かかるため、一般的なマイホームでは4.5kW分で90,000円の撤去費用が発生する計算です。
撤去に備えて資金を準備しておきましょう。
住宅ローンの適用は限定的
マイホームを建築するときに太陽光発電を導入する場合は、設置費用を住宅ローンに含めることができます。
しかし後付けの場合は、基本的に住宅ローンには含めることができません。
ローンを利用したい場合はソーラーローンを申し込むか、住宅ローンの借り換えをして浮いたお金でソーラーパネルを購入する方法があります。
いずれにしても住宅ローンの適用は限定的であることを覚えておきましょう。

屋根材や屋根の向きによっても設置コストは大きく変わってきます。自身が望む条件でのコストの相場を把握しておきましょう。
信頼できる施工業者を選ぶ
太陽光発電は信頼できる施工業者に設置してもらうことが大切です。業者選びの際は、以下の点を確認するとよいでしょう。
- 過去の実績
- 適正価格かどうか
- アフターフォローの有無
設置時のトラブルを防ぐために、過去の実績を確認しましょう。
10年以上設置に携わっている、1000件以上の実績があるといった業者は安心できるといえます。
また、設置にかかる費用が相場とかけ離れていないか確認することが大切です。
特に相場よりも明らかに安い金額の場合、悪徳業者の可能性も考えられるため、慎重に業者選びを進めましょう。
アフターフォローの有無を確認して、業者を選ぶのも1つの手です。太陽光発電は10年以上使用するため、途中で何らかの問題が生じる可能性があります。
なにかトラブルが起きた際の保証があるかで、比較することも大切です。
ソーラーパネルに関するよくある質問
ソーラーパネルに関する質問として以下のようなものが挙げられます。
- 価格の安い海外メーカーのソーラーパネルでも問題ない?
- 結局ソーラーパネル導入は得できる?
- 折りたたみ式のソーラパネルってどうなの?
それぞれの回答を見ていきましょう。
価格の安い海外メーカーのソーラーパネルでも問題ない?
昨今では国産と海外産で質の差がなくなっているため、 価格の安い海外メーカーのパネルでも問題ありません。むしろ価格自体は国産よりも安いため、収益を軌道に乗せやすいというメリットがあります。
ただし、サポートの面に関しては国産メーカーに劣ることもあるため、価格とサポート体制のどちらを重要視するかが判断の基準になるでしょう。
【専門家の回答!】海外のメーカーがおすすめ

高島さんがお勧めされているメーカーはありますか?

海外メーカーの方が国内のものよりパネル性能がよいためおすすめです。
ただし、必ずしもその家に合うといえるわけではないので家との相性などは事前に確認しましょう。
結局ソーラーパネル導入は得できる?
発電量が十分あればソーラーパネルの導入はお得です。初期費用は高額ですが、売電収入や電気代の削減により、設置にかかった費用を取り戻すことが可能です。
ただし注意点の存在も忘れてはいけません。ソーラーパネル設置後10年間は、FIT制度により電気の一定価格での買い取りがおこなわれますが、制度終了後は買取額が下がる可能性があります。
また、年間の日射量や日当たりといった周辺環境よっても得られる金額が変わるため、自分の状況にあわせてシミュレーションをおこなうことが大切です。
折りたたみ式のソーラパネルってどうなの?
住宅用や売電目的でソーラーパネルの導入を考えている場合、折りたたみ式のソーラパネルは向いているとは言えません。
折りたたみ式のパネルは持ち運びができることにメリットがあるため、レジャーやイベント時に活用されるのが一般的です。家庭用として導入するのであれば、災害や停電などの緊急時用として予備購入を検討するとよいでしょう。
折りたたみ式などの小型ソーラーパネルにも興味がある人はこちらを参考にしてください。
まとめ
家庭用ソーラーパネルはメーカーによって、パネルの種類や価格、変換効率、保証期間などが異なります。
今回紹介したメーカーの中から、自宅の屋根に適しているものを見つけましょう。
ソーラーパネルは価格だけでなく耐久性や発電性能、サイズ、保証などを考慮して選ぶことも大切です。
また、工事費に関しては、どの業者に頼むかで費用が大きく異なるため、必ず複数の業者に見積もりを取りましょう。
その際には本記事で紹介した「ソーラーパートナーズ」や「タイナビ」などの太陽光発電一括見積もりサービスを利用するのがおすすめです。
相見積もりや補助金を利用することでお得に購入することもできます。設置に関する注意点も把握して、ソーラーパネルを長く安心して使えるようにしましょう。
太陽光発電一括見積りサイト利用者が選んだおすすめサービスTOP3
監修者情報
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・https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/index.html
・https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/
・https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000062/1023018/1030818.html
・https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20220204_1.pdf
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