平屋建てのマイホームの間取り決めに悩んでいませんか?日本の伝統的な家屋である平屋建てのマイホームは、段差がないことで老若男女問わず住みやすく、一人暮らしから二世帯住宅まで幅広い家族の暮らしに合わせて設計ができます。
しかし、平屋住宅は間取り決めに苦労する人も多いです。階数がない分使えるスペースが限られ、間取りによる生活への影響がより大きいためです。
そこで、本記事では平屋建ての間取り決めに役立つ知識をまとめました。平屋住宅の基本的な知識から、間取りを決めるコツ、費用相場など詳しく解説します。また、代表的な間取りパターンとおしゃれな成功例も紹介するので、ぜひ平屋建ての家づくりの参考にしてください。
平屋だけでなく、他のハウスメーカーが気になる人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
- 平屋住宅は全ての生活空間が一階に集約されており、高齢者や子どもが安全に過ごしやすい環境を提供します。しかし、広い土地が必要であり、坪単価が高くなりやすいというデメリットもあります。
- 平屋の間取りは、大きくI型、L型、コ型、ロ型の4つのパターンに分けられます。これらは生活動線の効率、日当たり、風通しの良さ、プライバシーの保護などに影響を与えるため、自分の生活スタイルに合ったパターンを選ぶことが重要。
- 平屋建ては、家族が自然と集まりやすくコミュニケーションが取りやすいというメリットがありますが、建築費用が高くなる傾向にあるため、予算とのバランスを考慮する必要があります。
【パターン別】平屋の間取り成功例7選
I型・L型・コ型・ロ型の4つのパターン別に、間取りの成功例を紹介していきます。
【I型】3LDKのファミリー向け間取り例
壁や廊下を少なくし、開口部の大きな開放的なリビングが魅力の間取りです。広さを調整することで部屋数の増減をしやすいI型のメリットを活かして、ファミリー向けの3LDKを作り上げています。
隣地や周辺建物の影響や、住宅の向きが原因で採光性が低くなる場合は、日差しを入れるための天窓や高窓などの設置を検討すると良いでしょう。
【I型】老後や二人暮らし向け間取り例
一人暮らしや二人暮らしに向いている、1LDKのコンパクトな間取りです。リビングを中心に配置し、トイレ・浴室・寝室への距離を短く取った無駄のない動線と、四季の景色を楽しめるリビングと続くテラスが、老後の生活にもマッチする間取りとなっています。
平屋の1LDKの多くは生活音が課題となりやすいですが、浴室やトイレと寝室を離しているため、水回りの音を気にすることなく暮らせるでしょう。
【I型】ロフトを趣味や仕事につかえる間取り例
平屋の3LDKに、2階建てのような使い方ができるロフトを付けた間取りです。リビングに繋がる部分にスペースを設けているため閉塞感がなく、家族の様子を確認しながら作業ができるのが魅力といえます。
また、子供の成長に合わせて中心に間仕切りを設置できる洋室や、広めの土間収納、ウォークインクローゼットなど、こだわりと工夫を存分に詰め込んでいます。
【L型】プライベート空間もかなえる間取り例
※画像引用元:HOME4U家づくりのとびら「【平屋の間取り】おしゃれパターン6例!形状・部屋数(LDK)・坪数別にわかる」
開放的でありながら、プライベートにも配慮した使い方ができるL型の間取りです。縦と横で空間を分け、主寝室とダイニングを別エリアとして使えるのが特徴です。
また、道路からはL字の外側部分のみを見えるように配置すれば、プライベートガーデンを設けられます。L字の内側にウッドデッキを作り、すべての部屋から屋外の開放的な空間を存分に楽しめるようにしています。
【コ型】家族が集まるLDKの間取り例
両側に建物を拡げて、周囲の視線を遮ることができる中庭があるコ型の間取りです。中庭はプライベートな場所として自由に利用しやすく、広めのウッドデッキの設置でセカンドリビングとしても活用できます。
大きな開口部で風通しが良く、中庭に面した壁に設置した窓から十分な採光を確保しやすい点が魅力ですが、室内の熱を逃しやすい間取りのため、樹脂サッシや内窓の採用を検討すると良いでしょう。
【コ型】バリアフリーで二世帯でも安心の間取り例
生活空間を左右で分けた二世帯住宅のコ型の間取りです。世帯ごとにキッチン・トイレ・浴室などの水回り設備を設け、玄関ホールを中心に生活空間をはっきりと分けているため、互いにストレスを感じることなく快適に過ごせます。
同じ屋根の下で生活する安心感を得ながら、互いのプライバシーを確保できる魅力的な間取りですが、形状がI型やL形よりも複雑であることと、キッチンやトイレなどをそれぞれ設置していることにより、コストが高くなるのも見落とせない特徴です。
【ロ型】中庭・サンルーム付きの広々した間取り例
建物に完全に囲まれた中庭のあるロ型の間取りです。外の空気や光を取り入れながらプライバシーを保てる中庭は、子どもの遊び場や半屋外のアウトドアリビングなど、さまざまな使い方を楽しめるのが特徴です。
中庭に接する部屋の中に、屋外の景色を眺められるデザイン性の高い和室や、閉塞感を抑えるサンルームなどを加え、ロ型の間取りだからこそ実現できるこだわりや工夫を結集させています。
平屋だけでなく、他のハウスメーカーが気になる人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
平屋の間取り4パターン|特徴とおすすめの人
平屋住宅の間取りは、大きく4つの型(I型・L型・コ型・ロ型)に分類できます。間取りの型によってコストや生活動線、日当たり、開放感など特徴はさまざまです。間取りを検討するなら、さまざまなパターンを比較して暮らしに合ったものを選択しましょう。
まず、4つの間取りパターンの比較を表にまとめました。
間取り型パターン | I型(長方形型) | L型(L字型) | コ型(コの字型) | ロ型 (ロの字型・コートハウス) |
イメージ | ||||
特徴 | 長方形のシンプルな間取り | 庭やデッキを建物でL型に囲んだ間取り | コの字の形で庭を囲う間取り | ロの字で庭を完全に囲う間取り |
メリット |
|
|
|
|
デメリット |
|
|
|
|
おすすめの人 |
|
|
|
|
上下に空間を分けずにワンフロアにすべてを集約する平屋は、間取り選びが過ごしやすさに直結します。
L型はプライベートガーデン、コ型・ロ型はセカンドリビングにもなる中庭など、庭部分の使い方も比較して選びましょう。
平屋だけでなく、他のハウスメーカーが気になる人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
平屋の間取りを考えるコツ
平屋にはいくつかの間取りパターンがあることがわかりました。では、実際に間取りを考えるうえで意識したいポイントを4つ解説します。コツを押さえて後悔のない家づくりを目指しましょう。
日当たりの良さをチェックする
平屋は周りの建物よりも高さが低いことで、採光しにくい傾向があります。日当たりが良い家をつくりたいなら、ハウスメーカーや工務店の担当者とよく相談して採光性の高い間取りを作りましょう。
土地や周りの建物の状況などによっても異なりますが、採光性を高める工夫には次のようなものがあります。
- 東西に伸びる平屋にして南側に窓や庭をつくる
- 天窓を設ける
- 随所に採光窓を取り付ける
- 高さのある勾配天井や折り上げ天井を導入する
- 中庭を作って採光する
日当たりの良さを意識して、家全体に光が届きやすい家をつくりましょう。
風通しの良い構造にする
平屋住宅は構造上立体的な風通しが難しいため、間取りによっては通気性が悪くなる恐れがあります。通気性を良くするには、ドアや窓からの風通しを意識して間取りを決めましょう。
家の要所に通気のための窓をつけることも大切です。大きな窓を付けたくない場所は、できるだけ天井に近い位置に高窓(ハイサイドライト)をつけると、利便性も保ったまま風通しを良くできます。
家の風通しが良くなると、快適性が上がるだけでなく、湿気対策にも役立ちます。家の基礎や土台、室内の家具などにも良い環境を保てるのでおすすめです。
動線を短く、動きやすくする
平屋住宅を建てるなら、家事動線や生活動線に気を配った間取り決めも大切です。動線とは、建物内を人が移動する経路のことで、平屋は2階建て住宅に比べて動線が長くなりやすい傾向があります。
日々の家事や身支度などの動線が悪いと、毎日の生活にストレスが生じてしまいます。特にキッチン・洗面所・クローゼット・庭・玄関の位置関係は大切です。家事がしやすい動線を意識して間取りを決めると、平屋住宅での生活がより快適になるでしょう。
しかし、動きやすい家事動線や生活動線は人によって異なります。例えば、洗濯物を外に干す人は、洗面所と庭が近くにあるほうが便利ですが、乾燥機で乾かしてしまう人はクローゼットなど収納場所が近くにあったほうが便利かもしれません。このように、自分の生活や家事を考えて動きやすい間取りを作りましょう。
業者に要望を正しく伝える
快適で暮らしやすい間取り決めには専門的な知識が必要です。希望を叶えながら、安全で過ごしやすい平屋をつくるためには、ハウスメーカーや工務店との意思疎通が重要になります。平屋をつくるうえでの要望や叶えたいイメージは正確に伝えるようにしましょう。
要望を漏れなく正確に伝えるには、事前に希望条件を整理しておくことがおすすめです。実際に住む人全員で希望を出し合うと、住んだあとの後悔を防ぐことができます。
また、希望条件には優先順位をつけておき、リストアップしておくと安心です。すべての条件を満たす家を建てることは難しいので、譲れないポイントを明確にしておくとよいでしょう。
\無料+2分で完了/
【坪数別】平屋の金額相場・費用感
続いて、平屋住宅の費用相場を坪数別に紹介します。平屋住宅の建築費用は、依頼する工務店やハウスメーカー、利用するプランや設備・建材のグレードによって異なるので、目安として参考にしてください。
20坪の平屋の相場
20坪の平屋は、1~3人で住むことに適したややコンパクトな間取りです。畳数でいうと36畳ほどの大きさなので、4人暮らし以上になると、やや手狭に感じられるサイズ感です。
20坪の平屋の場合、建築費用相場は次のとおりです。
ローコスト平屋住宅 | ハイグレード平屋住宅 |
500万〜1,500万円 | 1,000万〜2,000万円 |
設備や建材のグレードを抑えたローコストタイプの場合、安くて500万円から建てられます。I型のシンプルな形で、内外装にもこだわらなければ建築費用の大幅な節約も可能です。
一方グレードを上げると2,000万円以上かかる場合もあり、こだわりによっては2階建て住宅よりも高くなるケースも珍しくありません。
30坪の平屋の相場
30坪の平屋は、4人以上の家族にも適した間取りをつくることができます。3人家族にはゆったり、4人家族にはコンパクトでコミュニケーションが取りやすい広さです。
3LDK~4LDKの間取りを設けられる広さが十分あるので、個人の部屋や仕事・趣味の部屋をつくりたい人にもおすすめです。
30坪平屋の建築費用の相場は次のとおりです。
ローコスト平屋住宅 | ハイグレード平屋住宅 |
1,500万~3,000万円 | 2,500万~3,500万円 |
30坪の広さになると、グレードを抑えたローコスト住宅でも1,500万円ほどの費用は必要です。内外装や設備にこだわると、2,500万~3,500万円以上かかることが予想されます。ゆとりある資金繰りが必要です。
40坪の平屋の相場
40坪の広さが用意できると、建てる平屋住宅の選択肢も幅広くなります。L型やコ型・ロ型の間取りもできるので、理想のマイホームをつくりやすいです。4人以上の家族でも、個人のプライバシーを守りながらゆったりと暮らせる広さを設けられます。
建築費用の相場は次のとおりです。
ローコスト平屋住宅 | ハイグレード平屋住宅 |
1,500万~3,500万円 | 3,000万円~ |
40坪の広さになると、ローコスト住宅でも1,500万円以上かかり、ハウスメーカーなどによっては3,500万円ほどかかる場合もあります。
40坪の平屋住宅は、広さゆえに快適に暮らすためにはいくつか工夫が必要です。例えば、室内温を保つための断熱対策や、風通しや日当たりのための窓や通気口、中庭の設置などに費用がかかります。
また、広い室内で効率良く家事をするためにも、動線の確保が必要です。担当者と相談しながら、住みやすい間取りを考えましょう。
平屋はなぜ人気?平屋を選ぶメリット・デメリット
平屋は、1階層建ての建物のことをいいます。2階層を設けず、すべての生活空間がワンフロアに集約されているのが特徴です。不動産広告では1階建てと表記されたり、登記上では平家建と表記されたりする場合もあります。
最近では、マイホームに平屋建て住宅を選択する人も多いです。平屋のニーズが高まっているのには、どのような理由があるのでしょうか?メリット・デメリットを解説します。
平屋のメリット
平屋建ての家は、2階建て・3階建て住宅と比べて次のようなメリットがあります。
- バリアフリー性能が高い
- 開放感を演出しやすい
- 家族でコミュニケーションが取りやすい
- 災害に強い
まず、平屋は階段がないため子育て世帯や高齢者のいる世帯にも安全です。老後の安全性を考慮して平屋住宅を選ぶ人もいます。
また、上の階を気にせず天井を高くしたり、天井に勾配を付けたりもできるので、開放感のある部屋がつくれるでしょう。さらに、家族全員が同じフロアで過ごすので、コミュニケーションが取りやすいこともメリットです。
また、平屋住宅は高さがないことで倒壊の危険性が低く、地震や台風などの災害にも強いというメリットもあります。
平屋のデメリット
対して、平屋には次のようなデメリットもあります。
- 建てるには広い敷地が必要
- 坪単価が高くなりやすい
まず、平屋建ての住宅はワンフロアしかないため、家族で十分な広さの家を建てようとすると広い土地が必要です。2・3階建て住宅を建てるよりも土地探しに苦労する可能性もあります。また、建ぺい率や容積率の定めによって、思いどおりの間取りを実現できない恐れがある点もデメリットでしょう。
さらに、平屋住宅は坪単価が高い傾向にあります。坪単価とは1坪あたりの建築費用のことです。平屋住宅はワンフロアで延床面積が少ないものの、屋根や基礎のコストは2階建て以上の住宅と同様にかかるため、建築費用は割高になってしまいます。しかし、工夫次第で坪単価を抑えることも可能です。予算を決めてハウスメーカーや工務店に相談してみましょう。
平屋建てがおすすめの人・向いていない人
メリット・デメリットを踏まえると、平屋建て住宅に向いている人・向いていない人の特徴は次のように考えられます。
- 高齢者や小さな子どもが安全に過ごせる家をつくりたい人
- 家族が自然と集まってコミュニケーションが取れる家を建てたい人
- 平屋住宅を建てられる十分な広さの土地を持っている人
- 間取りやデザインを考えることが面倒に感じられる人
- コストパフォーマンスの高い家を建てたい人
- 都市部など広い土地が少ないエリアに住みたい人
平屋住宅は伝統的な構造でありながら、モダンなデザインや開放的なインテリアなどを実現できることで人気が高まっています。
メリットが多い一方で、必要な土地の広さや建築費用の高さといったデメリットもあるため、自分の暮らしや理想に合っているかよく考える必要があります。
次の章から平屋の間取り事例を紹介するので、マイホームのイメージを膨らませてみてください。
平屋だけでなく、他のハウスメーカーが気になる人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
平屋の間取りについてのよくある質問
記事の終わりに、平屋の間取りについてよくある疑問に答えました。他にも気になることがあれば、工務店やハウスメーカーに問い合わせておくと安心です。
まとめ
平屋の建物は、生活圏がワンフロアにまとまるため、効率の良い家事動線を作ることができ、高齢者や子どもにも安心して暮らせるなどのメリットがあります。しかし、ワンフロアにスペースが限られることで、間取りに迷ってしまう人も珍しくありません。
平屋の間取りは、日当たり・風通しの良さ、生活動線、デザインなど、さまざまな希望を踏まえて考える必要があります。便利な動線や好みのデザインは人によって異なるので、住む人に適した間取りを作るようにしましょう。
本記事を参考に、自分や家族に合った間取りを作成して、理想のマイホームを建てましょう。
平屋だけでなく、他のハウスメーカーが気になる人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。