住宅購入で親からの支援を受ける平均は?贈与税や特例・制度について知ろう

住宅購入にあたって、親や祖父母からの資金援助を検討している方は多いのではないでしょうか。実際に、住宅購入者の約1割が親から資金援助を受けており、その平均額は700万〜800万円にのぼります。

しかし、親からの資金援助には贈与税がかかる可能性があります。一方で、住宅購入に特化した非課税制度を正しく活用すれば、最大3,610万円まで贈与税がかからない方法もあります。

本記事では、住宅購入時の親からの支援に関する最新の統計データ贈与税の計算方法2024年税制改正を踏まえた3つの非課税制度、そして贈与額別のシミュレーションまで徹底解説します。

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すぐわかる!この記事のポイント!
  • 住宅購入者の約11.4%が親から資金援助を受けている
  • 非課税特例で省エネ住宅なら最大1,000万円まで贈与税ゼロ
  • 2024年改正で相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設
  • 制度を併用すれば最大3,610万円まで非課税に
  • 暦年課税 vs 相続時精算課税の選び方をケース別に解説
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目次

住宅購入時に親から支援を受けている人はどのくらい?

住宅購入にあたって、親から資金援助を受けることは決して珍しいことではありません。まずは最新の統計データから、支援の実態を確認してみましょう。

支援を受けた人の割合

一般社団法人不動産流通経営協会(FRK)の「不動産流通業に関する消費者動向調査(第29回・2024年度)」によると、住宅購入時に親からの資金援助(贈与)を受けた人の割合は11.4%です。

約10人に1人が親からの支援を活用して住宅を購入していることになります。

支援金の平均額(新築・中古別)

同調査による支援金の平均額は以下の通りです。

住宅の種類親からの支援金の平均額
新築住宅購入者776.3万円
既存(中古)住宅購入者752.9万円

※出典:不動産流通経営協会不動産流通業に関する消費者動向調査」第29回(2024年度)

新築・中古ともに700万〜800万円が平均的な支援額であり、住宅購入資金の中で大きな割合を占めていることがわかります。

住宅種別ごとの自己資金比率

国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、住宅種別ごとの購入資金に占める自己資金の比率は以下の通りです。

住宅種別自己資金比率
注文住宅(土地購入含む)27.2%
建て替え住宅48.5%
分譲戸建住宅26.5%
分譲マンション39.4%
中古戸建住宅39.1%
中古マンション43.5%

※出典:国土交通省住宅市場動向調査

自己資金の中には親からの支援分も含まれています。特に注文住宅や分譲戸建は自己資金比率が約27%と比較的低く、住宅ローンへの依存度が高いため、親からの支援が購入の可否を左右するケースも少なくありません。

住宅購入で親から支援を受ける際にかかる贈与税とは

親から住宅購入の資金援助を受けた場合、金額によっては贈与税が課税されます。ここでは贈与税の基本的な仕組みを解説します。

贈与税の仕組みと基礎控除110万円

贈与税とは、個人から財産を無償で譲り受けた(贈与された)場合にかかる税金です。

贈与税には年間110万円の基礎控除があります。つまり、1年間(1月1日〜12月31日)に受けた贈与の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、申告も不要です。

一方、110万円を超えた部分には贈与税が課税されます。住宅購入の支援では数百万〜数千万円の贈与を受けるケースが多いため、何の対策もしなければ高額な贈与税が発生することになります。

贈与税の計算方法と税率表

贈与税の計算式は以下の通りです。

贈与税額 =(1年間に受けた贈与額 − 110万円)× 税率 − 控除額

税率は、贈与する人と受け取る人の関係によって2種類に分かれます。

特例税率(父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
200万円超〜400万円以下15%10万円
400万円超〜600万円以下20%30万円
600万円超〜1,000万円以下30%90万円
1,000万円超〜1,500万円以下40%190万円
1,500万円超〜3,000万円以下45%265万円
3,000万円超〜4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

一般税率(上記以外の贈与)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
200万円超〜300万円以下15%10万円
300万円超〜400万円以下20%25万円
400万円超〜600万円以下30%65万円
600万円超〜1,000万円以下40%125万円
1,000万円超〜1,500万円以下45%175万円
1,500万円超〜3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

※出典:国税庁No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

【計算例】800万円の贈与を受けた場合

親から800万円の贈与を受けた場合の贈与税額を計算してみましょう(特例税率適用)。

(800万円 − 110万円)× 30% − 90万円 = 117万円

何の制度も使わなければ、800万円の支援に対して117万円もの贈与税がかかります。だからこそ、次に紹介する非課税制度の活用が重要になるのです。

住宅購入で使える3つの非課税制度・特例

住宅購入時の贈与税を軽減・回避するために、以下の3つの制度が利用できます。

①住宅取得等資金贈与の非課税特例(最大1,000万円)

住宅購入における最も重要な制度が「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、非課税特例)です。

住宅の種類非課税限度額
省エネ等住宅1,000万円
一般住宅500万円

※適用期限:2026年12月31日までに贈与を受けた場合

受贈者(もらう側)の要件
  • 贈与者の直系卑属(子・孫など)であること
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること(床面積40m²以上50m²未満の場合は1,000万円以下)
  • 贈与を受けた翌年3月15日までに住宅の取得・居住すること
省エネ等住宅の要件(2024年以降)

2024年以降、省エネ等住宅の要件がZEH水準に引き上げられました。以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 断熱等性能等級5以上 かつ 一次エネルギー消費量等級6以上
  • 耐震等級2以上(免震建築物を含む)
  • 高齢者等配慮対策等級3以上
住宅の要件
  • 床面積が40m²以上240m²以下であること
  • 中古住宅の場合は1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅、または耐震基準に適合する住宅であること
  • 日本国内に所在する住宅であること

この特例は暦年課税の基礎控除110万円と併用できるため、省エネ等住宅であれば最大1,110万円(1,000万円+110万円)まで非課税で贈与を受けられます。

②暦年課税制度(年110万円の基礎控除)

暦年課税制度は、贈与税の基本的な課税方式です。前述の通り、年間110万円の基礎控除があり、この範囲内であれば贈与税がかかりません。

非課税特例との併用が可能なため、特例の枠を超えた部分の110万円を暦年課税の基礎控除でカバーすることで、さらに非課税枠を広げられます。

2024年改正:暦年贈与の持ち戻し期間が延長
2024年1月1日以降の贈与から、相続発生時に相続財産に加算される「持ち戻し期間」が従来の3年から7年に延長されました。ただし、延長された4年間(4〜7年前)については合計100万円まで加算の対象外となる経過措置があります。

③相続時精算課税制度(2,500万円+基礎控除110万円)

相続時精算課税制度は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税がかからない制度です。2,500万円を超えた部分には一律20%の税率が課されます。

2024年改正:年間110万円の基礎控除が新設
2024年1月1日以降の贈与から、相続時精算課税制度にも年間110万円の基礎控除が新設されました。110万円以下の贈与は申告不要であり、相続財産にも加算されません。これは暦年課税の持ち戻し7年延長と比較して、大きなメリットです。

制度利用の注意点
  • 一度選択すると暦年課税に戻ることができない(不可逆)
  • 贈与時には贈与税がかからなくても、相続発生時に相続財産として加算される
  • 住宅取得資金贈与の非課税特例と併用する場合、贈与者の60歳以上の年齢要件は撤廃される

【2024年改正】暦年課税と相続時精算課税、どちらを選ぶ?

2024年の税制改正により、暦年課税と相続時精算課税制度の特徴が大きく変わりました。どちらを選ぶべきか、改正内容を踏まえて比較します。

2024年税制改正の主なポイント

改正項目改正前改正後(2024年1月1日〜)
暦年贈与の持ち戻し期間相続前3年間相続前7年間
持ち戻しの経過措置なし延長4年分は合計100万円まで対象外
相続時精算課税の基礎控除なし年110万円(申告不要・相続加算なし)

暦年課税 vs 相続時精算課税 比較表

比較項目暦年課税相続時精算課税
基礎控除年110万円年110万円(2024年新設)
非課税枠年110万円のみ累計2,500万円+年110万円
超過分の税率10〜55%(累進)一律20%
相続時の加算過去7年分を加算基礎控除超過分を全額加算
110万円以下の扱い加算なし加算なし(2024年〜)
贈与者の年齢要件なし原則60歳以上
撤回可能性いつでも変更可不可逆(戻れない)
申告110万円以下は不要110万円以下は不要(2024年〜)

ケース別おすすめの選び方

暦年課税が向いているケース
  • 毎年少額(110万円以下)を長期間にわたって贈与する場合
  • 贈与者がまだ若く、相続までの期間が十分にある場合(7年超)
  • 将来的に他の特例制度を柔軟に使いたい場合
相続時精算課税が向いているケース
  • 住宅購入などで一度に高額の贈与を受ける場合
  • 贈与者が高齢で、暦年贈与の持ち戻し7年の影響が大きい場合
  • 値上がりが見込まれる財産を早めに移転したい場合
  • 非課税特例と併用して最大3,610万円の非課税枠を活用したい場合

住宅購入の場面では、まとまった資金を一度に受け取るケースが多いため、非課税特例+相続時精算課税制度の併用が最も効果的な選択肢となることが多いです。

【ケーススタディ】贈与額別の税額シミュレーション

非課税制度を活用した場合の贈与税額を、3つのケースで具体的に計算してみましょう。いずれも父母から18歳以上の子への贈与(省エネ等住宅を取得)を想定しています。

ケース1:500万円の贈与(非課税特例のみで税額ゼロ)

項目金額
贈与額500万円
非課税特例(省エネ等住宅)△1,000万円(うち500万円を使用)
課税対象額0円
贈与税額0円

省エネ等住宅であれば1,000万円まで非課税のため、500万円の贈与は全額非課税です。ただし、翌年3月15日までの確定申告は必須です(申告しないと特例が適用されません)。

ケース2:1,500万円の贈与(非課税特例+暦年課税)

項目金額
贈与額1,500万円
非課税特例(省エネ等住宅)△1,000万円
残額500万円
暦年課税の基礎控除△110万円
課税対象額390万円
税率(特例税率)15%、控除額10万円
贈与税額48.5万円

制度を使わなかった場合の贈与税は約366万円ですので、非課税特例の活用で約317万円の節税になります。

ケース3:3,000万円の贈与(非課税特例+相続時精算課税)

項目金額
贈与額3,000万円
非課税特例(省エネ等住宅)△1,000万円
残額2,000万円
相続時精算課税の基礎控除△110万円
相続時精算課税の特別控除△1,890万円(2,500万円枠のうち)
課税対象額0円
贈与税額0円

非課税特例(1,000万円)+相続時精算課税の基礎控除(110万円)+特別控除(1,890万円)を組み合わせることで、3,000万円の贈与が贈与税ゼロになります。

ただし、相続時精算課税を選択しているため、基礎控除110万円を超える部分(1,890万円)は将来の相続発生時に相続財産として加算されます。

最大非課税額のまとめ
制度の組み合わせ最大非課税額
非課税特例のみ(省エネ等住宅)1,000万円
非課税特例+暦年課税1,110万円
非課税特例+相続時精算課税3,610万円

※相続時精算課税の場合、基礎控除110万円を除く部分は将来の相続時に加算対象

親からの支援を受ける際の注意点

非課税制度を正しく活用するために、以下の注意点を必ず確認しておきましょう。

必ず確定申告を行う(手続きの流れ)

非課税特例や相続時精算課税制度を利用する場合、贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日の間に確定申告が必要です。

申告を行わなければ、たとえ要件を満たしていても特例は適用されません。期限を過ぎると通常の贈与税が課されるため、必ず期限内に手続きしましょう。

確定申告の流れ

  • 必要書類の準備(戸籍謄本、登記事項証明書、売買契約書の写し、省エネ等住宅の証明書など)
  • 贈与税の申告書を作成(国税庁のe-Taxまたは書面)
  • 所轄の税務署に提出(贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日)
  • 納付すべき税額がある場合は同期限内に納付

贈与契約書を必ず作成する

親からの資金援助が「贈与」であることを明確にするため、贈与契約書を作成しておきましょう。

贈与契約書がないと、税務署から「貸付」と判断されたり、逆に「贈与の時期が不明確」として問題になる可能性があります。

特に複数年にわたって贈与を受ける場合は、毎年ごとに契約書を作成する必要があります。まとめて1通の契約書にすると、全期間分の贈与を一度に受けたとみなされ、高額な贈与税が課される恐れがあります。

住宅ローン控除との併用に注意

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)と非課税特例は併用可能ですが、控除額の計算に影響する場合があります。

住宅ローン控除は「住宅の取得対価」と「ローン残高」のいずれか少ない方を基準に計算されます。親からの贈与を受けて自己資金が増えた分だけ住宅ローンの借入額が減るため、結果としてローン控除額が小さくなる可能性があります。

贈与額と住宅ローンのバランスを考慮し、トータルでの税負担が最も少なくなる組み合わせを検討しましょう。

税務署からの「お尋ね」への対応

住宅を購入すると、税務署から「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という書面が届くことがあります。

これは住宅購入資金の出所を確認するための調査で、購入価格と資金の内訳(自己資金、住宅ローン、贈与など)や、贈与を受けた場合の贈与者と金額、利用した非課税制度などを回答します。

「お尋ね」は法的な強制力はありませんが、回答しなかったり虚偽の申告をした場合、税務調査に発展する可能性があります。正直に、正確に回答することが大切です。

住宅の要件を満たしているか確認する

非課税特例を利用するためには、取得する住宅が一定の要件を満たしている必要があります。特に以下の点は見落としやすいため、事前に確認しましょう。

  • 床面積:40m²以上240m²以下(登記簿面積で判定)
  • 省エネ等住宅の証明:住宅性能証明書、建設住宅性能評価書などが必要
  • 中古住宅の築年数:1982年1月1日以降に建築された住宅であること
  • 居住期限:贈与を受けた翌年3月15日までに取得し、居住すること

要件を満たしていない住宅を取得した場合、非課税特例は適用されず、通常の贈与税が課税されます。

合わせて読みたい

住宅購入の親からの支援に関するよくある質問

住宅購入時に親から支援してもらう平均額は?

不動産流通経営協会の2024年度調査によると、新築住宅購入時は776.3万円、既存(中古)住宅の場合は752.9万円が平均です。新築・中古で約20万円の差がありますが、いずれも700万円を超える水準です。

非課税特例を使えば贈与税はかかりませんか?

省エネ等住宅であれば1,000万円まで、一般住宅であれば500万円までは非課税です。ただし、非課税特例を利用するには必ず確定申告が必要です。申告しなければ特例は適用されず、通常の贈与税がかかります。

非課税特例と相続時精算課税制度は併用できますか?

併用可能です。省エネ等住宅の場合、非課税特例(1,000万円)+相続時精算課税の特別控除(2,500万円)+基礎控除(110万円)で、最大3,610万円まで贈与税がかかりません。ただし、相続時精算課税を選択すると暦年課税には戻れない点に注意が必要です。

2024年の税制改正で何が変わりましたか?

大きな変更点は2つです。①暦年贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長(2024年1月以降の贈与に適用)、②相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が新設(110万円以下は申告不要かつ相続財産に加算されない)。特に②は相続時精算課税制度の使い勝手を大きく向上させました。

住宅ローン控除と非課税特例は同時に使えますか?

同時に利用可能です。ただし、親からの贈与で自己資金が増えると、その分住宅ローンの借入額が減り、ローン控除額が小さくなることがあります。贈与額と住宅ローンのバランスを考慮して、総合的な節税効果を検討しましょう。

まとめ

住宅購入時の親からの支援は、非課税制度を正しく活用することで大幅に税負担を軽減できます。

ポイント内容
支援の実態住宅購入者の約11.4%が親から支援を受け、平均額は約750〜780万円
非課税特例省エネ等住宅で最大1,000万円、一般住宅で500万円まで非課税
相続時精算課税2,500万円の特別控除+年110万円の基礎控除(2024年新設)
最大非課税額非課税特例+相続時精算課税の併用で最大3,610万円
2024年改正暦年贈与の持ち戻し7年延長、相続時精算課税に基礎控除新設

制度の選択にあたっては、贈与額の大きさ、贈与者の年齢、住宅ローンとのバランスなどを総合的に考慮することが重要です。判断に迷う場合は、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

確定申告の期限(贈与を受けた翌年3月15日)を過ぎると特例が適用できなくなるため、早めの準備と期限管理を徹底しましょう。

住宅購入の際に、良いハウスメーカーを知りたい人、詳しく比較したい人は以下の記事を参考にしてください。【最新】ハウスメーカー・工務店のおすすめランキング30選比較|坪単価や選び方も徹底解説!

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