マツダの新型「CX-5」は今が買い時なのか。それとも、まだ待つべきなのか。旧型CX-5との徹底比較を通じて考えた。

  • マツダの新旧「CX-5」

    マツダの新旧「CX-5」。乗り換えるなら今なのか、まだなのか

新型「CX-5」の写真を一気に見る

2代目CX-5はどんなクルマだった?

マツダの屋台骨を支えるミドルサイズSUVの「CX-5」。2017年に登場した2代目は、初代の持つ美点を引き継ぎながら、魂動デザインの艶やかさや静粛性、大人の上質さなどを磨き上げた、洗練のクロスオーバーSUVとして大人気モデルになった。

  • マツダ歴代「CX-5」

    歴代「CX-5」。左から初代、2代目、3代目(新型)

特に、「引き算の美学」を取り入れた魂動デザインは、薄くシャープな前後ライトや立体的なメッシュ構造のフロントグリル、メインカラーとして採用したソウルレッドメタリック、光の当たる部分と影の部分を巧みなラインで表現するサイドビューなどが特徴で、都会的で躍動感のあるデザインは、これまでにない上質さを醸し出していた。

さらにはプレミアム感のあるインテリア、G-ベクタリングコントロールによる走り、多彩なパワートレイン(2.0Lと2.5Lのガソリン、2.5Lガソリンターボ、2.2Lクリーンディーゼル)など、ユーザーの好みに応じた選択が可能だったことも人気を後押しした。

  • マツダ旧型(2代目)「CX-5」

    旧型(2代目)「CX-5」

「CX-60」は後継とはなり得なかった

2022年に登場した「CX-60」は当初、CX-5の後継モデルになるのでは、と思われていたが、結局はならなかった。

  • マツダ「CX-60」

    マツダ「CX-60」

FFベースのCX-5に対して、マツダラージ商品群の第1弾であるCX-60は、FRベースの縦置きプラットフォームを採用した完全な新開発モデルだ。パワートレインは新開発の大排気量3.3L直列6気筒クリーンディーゼルエンジン(ピュア/MHEV)と2.5L直4ガソリンエンジン(ピュア/PHEV)を搭載する意欲作。インテリアはナッパレザーや天然のウッドパネルを採用するプレミアムな仕様で、価格も300万円台~500万円台後半という高級モデルとなっていた。

  • マツダ「CX-60」

    「CX-60」のインテリア

一方、初期モデルの足回りはスポーツカー並みにガチガチで、揺り戻しがすぐに収まらず、初めて乗った時には「まだ試作中のモデルなのでは?」と思ったほど。トルコンレスの8速ATは、低速でギクシャクする動きが出てしまっていて、気持ちのいいダイレクト感が味わえるような仕上がりではなかった。

  • マツダ「CX-60」

    「CX-60」の走行シーン

こうしたクセの強さは年次改良でアップデートされていき、現在ではかなり滑らかな走りを披露するまでになっている。とはいえ、そのスポーティーさはさすがにファミリーでの利用が多いCX-5の後継とはなり得ず、CX-60登場後も2代目CX-5は併売されていて、好調な販売成績を保ち続けていた。

2代目の課題を全て克服したのが3代目CX-5だ

2026年5月にフルモデルチェンジした3代目CX-5は、2代目で感じられたネガなポイントを克服するとともに、デジタル化の進捗を取り込み、マツダの「大黒柱」らしいモデルとして登場した。

2代目の最大の弱点だった後席と荷室の狭さは、全長とホイールベースを115mm拡大し、その全てを車内スペースの拡大(延長)に充てることで解消。好評だった2.2Lディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)は、世界的な排ガス規制の強化や電動化を鑑みてラインアップから落とすことを決め、3代目ではスムーズな2.5L MHEV(e-SKYACTIV-G マイルドハイブリッド)を先行搭載し、2027年にはディーゼルに取って代わる新世代のストロングハイブリッド(SKYACTIV Z)を投入する予定だ。

  • マツダ新型(3代目)「CX-5」

    新型(3代目)「CX-5」

  • マツダ新型(3代目)「CX-5」

    新型(3代目)「CX-5」

  • マツダ新型(3代目)「CX-5」

    新型(3代目)「CX-5」

2代目で少し硬かった足回りは、初期応答を早めたダンパーと柔らかいスプリングの組み合わせとすることで、フラットかつ上質な乗り心地に。前後のどのシートに座っても、乗員全員が快適に過ごせるクルマになった。

デジタル化では、操作部分を15.6インチ(モデルによっては12.6インチ)の大画面ディスプレイと静電スイッチのステアリングに集約し、2代目にあったようなコマンダーコントロールなどの物理的操作部分を極力廃止。マツダで初めて「Googleビルトイン」となったインフォテインメントはスマホ的な操作で使いやすく、音声認識の精度も高い。デジタル化が一気に進んだ印象だ。

  • マツダ新型(3代目)「CX-5」

    新型(3代目)「CX-5」

一方、エクステリアデザインは好評だった2代目を踏襲。相似形として全体をサイズアップした形となった。

2代目のオーナーが感じていた「こうだったら、もっといいのにな」というポイントを丁寧にアップデートしたことで、純粋な正常進化を遂げた新型CX-5。ストロングハイブリッドに強いこだわりがないのであれば、2代目からすぐに乗り換えても後悔することはないはずだ。