スズキの小型5ドアオフローダー「ジムニーノマド」にやっと試乗することができた。2025年4月の発売前、少しだけ乗ったことはあるものの、本格的に試乗するのは今回が初めてだ。富士・朝霧高原の周辺で一般道もオフロードも試すことができたので、超人気モデルの実力をご報告したい。
スズキ「ジムニーノマド」の写真を一気に見る
まずはオフロードコースに乗り込んでみた!
ジムニーノマドのボディサイズは全長3,890mm、全幅1,645mm、全高1,725mm、ホイールベースは2,590mm。3ドアの「ジムニーシエラ」のボディを延長して5ドア化している。
搭載するパワートレインは「K15B型」1.5L直列4気筒エンジンで、最高出力74kW(101PS)/6,000rpm、最大トルク130Nm/4,000rpmを発生。信頼性は高い。トランスミッションは5MT/4ATの2種類で、2H(2WD)、4H(4WD高速)、4L(4WD低速)の機械式副変速機(トランスファーレバー式)を搭載したパートタイム4WD方式を採用している。
富士ヶ嶺オフロードコースでのメニューは、急な上り坂のある狭い林間コースを通過し、下りと上りを組み合わせたすり鉢ルートを抜け、その先にある長さ60mほどのモーグル路をクリアしてから、ローラー台に乗ってブレーキLSDを体験する、というもの。
コース内での基本ルールは、トランスファーレバーは4Lに固定、速度は上限20km/h、シートベルト着用(当たり前か)、ヘッドライト点灯、窓は全閉、となっていた。
試乗車は4ATモデルだったので、ステアリングとアクセル操作に集中できた。最初の林間コースは楽々とクリア。すり鉢に入るポイントでダッシュセンターにある「ヒルディセンントコントロールスイッチ」をON(勾配が7%を超えると作動)にすると、坂の降り始めで加速が抑えられ、車速を一定に保ちながらすり鉢の底へと安心して降りていけた。
次の上り坂の途中で一旦停止してみると、「ヒルホールドコントロール」が作動。2秒間は車体が後退しないのが確認できた。ゆっくりとアクセルを踏むと一瞬前輪がスリップするけれども、後輪にジワリとトルクがかかって再スタートが可能になった。
次のモーグル路は、高さ50~60センチ程の土のコブコブが左右に不連続に配置されたコース。慣れない人はちょっとビビりそうなレイアウトだが、そこはさすがのジムニー。最低地上高210mmとアプローチアングル36度、ランプブレークオーバーアングル23度、デパーチャーアングル47度という本格オフロード用ボディが力を発揮して、お腹を擦ることがない。
前後左右のどこかの車輪が浮き上がり、空転して動けなくなっても、その車輪にブレーキをかけつつもう一方の車輪に駆動力を伝える「ブレーキLSDトラクションコントロール」が働いて、すぐに路面を蹴りつつ動き出すことができた。
左右の車輪をダイレクトにつないでいる3リンクのリジッドアクスル式サスペンションのトラベル量が大きくて、ボディの揺れのスピードや量は、はたから見るよりも穏やか。頭を激しく揺さぶられることなく、平常心のままドライブが続けられたのはちょっと感動ものだった。もちろん、伝統のラダーフレームの丈夫さが寄与していることはいうまでもない。
オンロード走行は静かになった! ちょっとした注意点も
次はMTモデルに乗って一般路へ。走り出してみると、まずは静粛性がアップしたことに気がつく。
タイヤがオンロードでの快適性に特化したブリヂストン「DUELER H/L」であることも奏功しているわけだが、今回のマイチェンでは、騒音対策としてマフラーのサイレンサーを追加したり、トランク下に鉄板のアンダーカバーを取り付けたりしたとのことで、その効果がはっきりと出ているようだ。
2眼メーターの間にあるマルチインフォメーションディスプレイがカラー化されて見やすくなっていたり、アダプティブクルーズコントロールが全車速追従式に変更されていたり(ATのみ、MTは30km/h以上)するのも嬉しいところだ。
5ドア化によって前後席ともそこそこ広く、荷物もけっこう載せられるという美点は、当然ながらそのまま引き継がれている。
ゆったりとアスファルト路面を走っていると、ラダーフレームやリジッドアクスルのクセがわずかに顔を出し、なんとなくユサユサしている感じがオフローダーらしくて楽しい(わかっている人には)。ただし、モノコックボディの普通車から乗り換えたりしたユーザーは、若干の違和感を感じるところかも。小さいながら最小回転半径が5.7mなので、狭い交差点を曲がるときやUターンのとき、あるいは車庫入れの際には慣れが必要かもしれない。































