環境性能に優れたプラグインハイブリッド車(PHEV)の購入を検討する際、日々の満足度に直結するのが「車内の居住性」「シートの快適性」「荷室の積載力」である。今回はトヨタ「RAV4 PHEV」と三菱自動車「アウトランダーPHEV」の実力派2台を徹底比較してみよう。
トヨタ「RAV4 PHEV GR SPORT」と三菱「アウトランダーPHEV」の写真を一気に見る
乗車定員と「3列シート」がもたらす選択肢の差
両車の車内パッケージを決定づける最大の違いは「乗車定員」にある。RAV4 PHEVは2列シートの5人乗り仕様のみを展開するが、アウトランダーPHEVは5人乗りに加えて3列シートの7人乗り仕様を選択できる。
5人乗り同士で比較すると、室内幅や室内の高さはどちらも僅差だが、アウトランダーPHEVは室内長が40mm長く設計されており、特に2列目の足元空間にゆとりが生まれている。
7人乗り仕様における3列目のサードシートは、大人が長時間座るには膝を抱えるような姿勢になり窮屈であるものの、子供の送迎や非常時における多人数乗車の安心感は、競合車にないアウトランダー独自の強みである。
「シートの快適性」対決
RAV4 PHEVは、選ぶグレードによってシートの仕様と快適装備が大きく変化する。 通常版にあたる「Z」グレードは、プレミアムな快適性を追求した仕様だ。シート表皮にはしっとりとした柔らかい質感が特徴の「ウルトラスエード」(上質な人工スエード)と合成皮革を採用し、白いステッチが映える上質な室内を演出する。
機能面では、3段階の温度調節が可能なシートヒーターに加え、夏場にシート表面の熱気を吸い込んで涼しくする「シートベンチレーション」を標準装備。乗降時に運転席が自動で後退する「オートスライドアウェイ」や2名分の位置を記憶できる「シートポジションメモリー」など、快適なドライブをサポートする機能が凝縮されている。
これに対し、スポーツ志向の「GR SPORT」は走りのホールド性を重視している。シートには「ブランノーブ」(滑りにくく身体を保持しやすい高級スエード調人工皮革)を採用し、コーナリング時に身体の揺れを効果的に抑える「スタビライジングプラスシート」を特別に装備。足元にはアルミペダルが奢られる。ただし、走りへの特化に伴い、ベンチレーションやポジションメモリーなどの一部の快適電子装備は省かれ、シートヒーターの調節も2段階に留まる。
アウトランダーPHEVは、ラグジュアリーな車内空間を明確に目指している。特に最上級の「P Executive Package」には、しなやかで柔らかい肌触りが特徴の「セミアニリンレザー」(革本来の柔らかさを保ちつつ、防汚性に優れた薄い保護膜を施した高級本革)を使用したブリックブラウンのシートを採用。上質感は圧倒的だ。
運転席と助手席にはシートベンチレーション機能に加え、空気圧によって背中や腰を優しく刺激するマッサージ機能の「フロントリフレッシュ機能」を搭載。長距離移動における快適性はミドルクラスSUVの粋を超えている。高級ホテルのようなもてなしを感じさせる仕上がりだ。
荷室の実用性を比較
RAV4 PHEVの荷室は広い。後席を前に倒せば、ほぼフラットで広大な床面が出現するため、車中泊用のマットを敷いて大人が快適に横になれる。足を出し入れするだけで開閉する「ハンズフリーパワーバックドア」も標準装備され、アウトドアシーンでの利便性は極めて高い。
アウトランダーPHEVの後席は4:2:4(または6:4)の分割可倒に対応しており、中央のシートだけを倒すことで、スキー板などの長尺物を積みながら左右の後席に大人が乗車可能だ
7人乗り仕様であれば、必要に応じて3列目シートを床下に格納し、完全に平らな荷室を確保できるメリットもある。








