ホンダが軽自動車「N-BOXカスタム」の「顔」(フロントフェイスのデザイン)を変更して発売する。「カスタム」を名乗る軽自動車の顔といえばメッキ多めのギラギラ、オラオラ系が多い中で、N-BOXカスタムの現行型は威圧感を抑えたクリーンな表情だった。それを変更し、「迫力」「押し出し感」方向に振った理由とは?
やっぱり多かった! カスタムに「強さ」を求める人
ホンダが軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」の改良モデルを2026年7月17日に発売する。大きく変わるのはN-BOXカスタムの顔つきだ。
ここで、現行型(改良前)N-BOXカスタムの顔を見ていただきたい。
現行型(改良前)でホンダは、「新たな時代のカスタムとして、押し出し感を目指すのではなく、品格と高性能を表現し、誇りを感じさせる」デザインを目指した。ところが「誇りを感じさせるアイテムがユーザーに響かなかった」ため、エクステリアを変更するのだという。
改良モデルでは「迫力と押し出し感を体現したフロントフェイスの踏ん張りスタンスをリアとサイドにも採用」し、「堂々とした強いカタマリを表現」したそうだ。
一時期はミニバンでも「押し出し感」が強めのオラオラ系、ギラギラ系な顔つきが流行していたが、ここ数年はトレンドが移り変わり、クリーンな顔や先進的な顔が増えてきた印象。それは軽自動車のカスタムも同じなのかと思っていたのだが、実情はそうでもないようだ。
N-BOX開発責任者の諌山博之さんは改良前のN-BOXカスタムについて、「品格、高性能をデザインで表現して、響く方には響いたと思うのですが、軽自動車はいろいろな方にお使いいただくので……」とした上で、「ギラギラを好む方はかなり、まだまだいるというのが実際のところです。軽以外の市場だと変わってきているところもありますが、軽は特別な市場で、迫力や押し出し感をお求めになるお客様の声は、すごく出ています」とする。
-

「N-BOXカスタム」改良モデルのフロントフェイスは大きなクロームグリルが特徴。メッキの面積が大幅に拡大している。エクステリアを担当したデザイナーに聞くと、デザイン変更の目的は「強い顔」にすることであり、メッキはあくまで「手法のひとつ」でしかなく、開発の当初からメッキでギラギラにしようと考えていたわけではなかったそうだ
-

クルマを大きな塊として、顔を大きな面として見せるため、細かい部分にもこだわったと開発陣。例えばヘッドライトの透明な部分は、改良前より外側に張り出しているそうだ。サイズが規格で決まっている軽自動車で迫力を出すため、細部まで工夫を施した
ユーザーの流出を止め、乗り換えを促したいホンダ
N-BOXは日本で最も売れているクルマであり、保有台数は合計284万台と途方もない数字に到達しているものの、3代目モデルのカスタムが優しい顔つきになった影響もあったのか、2023年ごろからユーザーが他社モデルに流出する数が増えているという。2代目N-BOXカスタムを保有しているユーザーで、3代目に乗り換えていない「買い控え層」もかなりいる、というのが開発陣の見立てだ。諌山さんによれば、N-BOXカスタム改良モデルを営業(販売店の皆さん)に事前にお披露目したところ、「これで、2代目からの乗り換えがかなり進みそうです」と喜びの声が上がったいう。
N-BOXには大きく分けて「ベースモデル」「カスタム」「ジョイ(Joy)」の3つのタイプがあり、販売比率は35:50:15あたりで推移しているとのこと。今回の改良でホンダは、カスタムの販売比率を上げていきたい意向だ。































































