デビューからわずか2年で“超新型”へとフルモデルチェンジした三菱自動車工業の軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」。発売前の段階で1万台以上の予約が入ったというから、好スタートであることは間違いない。試乗して新型の魅力を探ってきた。
「デリ丸」の顔に近づいた?
デリカミニがたった2年でフルモデルチェンジした理由は、簡単に言えば、ベースモデルとなる日産自動車「ルークス」/三菱自動車「ekスペース」がフルモデルチェンジしたからだ。とはいえ、「デリ丸」顔が大人気だった先代のイメージは新型もしっかりと引き継いでいて、あの「カッコかわいさ」は健在だ。
エクステリア全体ではより四角くなっているのが印象的。先代と並べてみると、フロントガラスの角度が大きく立ち上がっている。
アウトドアのイメージは、更に強まった。ボンネット左右の盛り上がりや大きくなった前後のアンダーガード風スキッドプレート、トレッキングシューズのソールをイメージしたというアルミホイールなどが効いている。
人気のマスコットキャラクター「デリ丸」の顔は変更なし。ただ、その顔つきをよく見てみると、時期的には先代と同時開発されていたという新型デリカミニのフロントマスクの方がよく似ているので、実は元から新型の顔がモデルになっていたのでは、と勘繰ってしまいたくなるのだ。
新型デリカミニのボディサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,815mm(4WD、ルーフレール付きは+15mm、2WDは-30mm)。660ccのパワートレインはインタークーラー付きターボ車(Tグレード)が47kW(64PS)/100Nm、WLTCモード燃費17.8km/L~18.8km/L、ターボなしの自然吸気車(Gグレード)が38kW(52PS)/60Nm、WLTCモード燃費19.5km/L~21,0km/Lだ。
フルモデルチェンジでマイルドハイブリッドモデルは廃止となってしまったが、カタログ燃費でいけばモデルチェンジ前と数値は同等。グレードは4WD、2WDともにT(ターボ)、G(ターボなし)があり、それぞれに上から「プレミアム DELIMARU パッケージ」「プレミアム」「スタンダード」の3つがあって、価格は196万4,600円(G 2WD)~290万7,300円(T プレミアム DELIMARU パッケージ 4WD)と幅広い。
機能は全方位的に進化
2トーン6色、モノトーン9色を展開する新型の中から試乗に供されたのは、一番人気である「T プレミアム DELIMARU パッケージ」(4WD)のサンドベージュパール/ブラックマイカモデルだった。
乗り込んでみると、Aピラーを立てたことでさらに115mmも室内長を伸ばしたスーパーハイトワゴンの空間の広さには、いつものことながら感心する。グランピングコテージの家具をイメージしたというベージュとグレーの2トーンシートは、撥水生地の素材感とともにさらに上質な座り心地になった。ドライバーの眼前に広がる7インチ液晶メーターと12.3インチインフォテインメントパネルを一体化した「モノリスディスプレイ」の視認性や操作性は、軽自動車であることを忘れさせるほどの出来栄えだ。
開口幅650mmというイージークローザー付き電動スライドドアを開けて乗り込んだリアシートについても、最大で320mmというシートスライドをいかして乗員の足元空間を増やしたり、逆にラゲッジスペースを広げたりと工夫が見える。前後シートを倒してフラット化した際の床面は、段差を30%削減し、寝転んだ時に腰に当たる感覚を減らしたそうだ。
キックセンサーやステアリング/シートヒーター、プラズマクラスター付きフルオートエアコン、リアサーキュレーター、リアロールサンシェード、助手席インパネトレイ、タイプCのUSBポート(前2口、後1口)など、欲しい装備は大体ついている。
ドライブモードセレクターを搭載! 新型の走りは?
ドライバーズシートからの視界の良さは相変わらずだが、新型ではホンダやダイハツ工業のライバル車(タント、N-BOX)と比べて着座位置を高め、さらにステアリングとの距離を短縮し、より好ましい運転姿勢を取れるようにした。また、Aピラーの前にあるA0ピラーが細くなったので、その隙間から見える左右斜め前方の視界が広くなっている。
それでも死角に入るものについては、ノーズパノラマビューや3Dマルチアラウンドモニター、車体の下が透けて見えるフロントアンダービューなどをフル活用することで、立体的かつ直感的に確認することができるのだ。ちょっと前までは高級オフローダーだけが装備していたものが、今や軽モデルでも使えるようになったというのは、これまでの他の装備の流れと同様だ。
試乗車のフルタイム4WDがもたらす走りを最大限にいかしたいなら、シフトレバー横という最上位の場所に設けられたダイヤル式のドライブモードセレクターを操作してみよう。
左手を伸ばせばちょうどの位置にあるドライブモードセレクターは、慣れれば視線を送らなくても操作が可能。センターの「ノーマル」のほか、走行状況に応じて左から「パワー」「エコ」「グラベル」「スノー」を選ぶことができる。
ヒルディセントコントロールやヒルスタートアシスト、ぬかるんだ路面での脱出をサポートするグリップコントロールまでついているので、コンパクトなボディをいかしつつ、通常のキャンプ場などで遭遇する細い道路や、ちょっと躊躇するようなオフロードでも安心してクリアできそうだ。
もう、いうことなしの走りと仕上がりで、クルマ選びはデリカミニ一択(最上位モデルが1番人気ということから、値段はあまり関係ないのだろう)、というお客さんが多いのもわかる。
「デリカ ビッグミニ」の登場に期待!
あえてネガポイントを挙げるとすると、ながーい上り坂が続く時に感じる1トン越え(1,050kg)の車重に対するパワー感と、その燃費に対して容量27Lという燃料タンクが供する航続距離か。
この部分を克服するためには、スズキの「ジムニー」に対する「ジムニーノマド」、「ハスラー」に対する「クロスビー」のように、ハイパワーなエンジンと大きな燃料タンクを積んだ「デリカ ビッグミニ(?)」的な別バージョンがあってもいいのかも。でも、そうなると、このカッコかわいさがなくなってしまうのでは、という心配がないわけではないのだが。








































