日産自動車は2025年8月に「GT-R」(R35型)の生産を終了した。先ごろ日産が開催したイベント「FOREVE“R” ~GT-Rファンは永遠に~」には多くのファンが詰めかけ、名車との別れを惜しんだ。
こんなに愛されたクルマを、日産が簡単に手放すわけはない。
イヴァン・エスピノーザCEOが「GT-Rは進化を遂げ、将来、再び姿を表します。その日まで辛抱強くお待ちください。GT-Rをいつか復活させることが、我々の目標です」と語っているのだから、次期「R36型」のデビューに向け、何らかの形で歩み始めていることは想像に難くない。ここでは筆者個人の意見として、次期GT-Rの姿を予想してみた。
歴代GT-Rのエッセンスを詰め込んだクルマに?
2023年の「ジャパンモビリティショー」(JMS)で日産は、次期GT-Rをイメージしたコンセプトモデル「ハイパーフォース」を展示した。
大型のフロントカナードや各部がパキパキと出っ張ったエクステリアを見たときは、「このままの姿で市販化にこぎつけることはなさそう」と思ったのだが、グレーメタリックのハコ型ボディやフロントグリルセンターに取り付けられたエンブレム、リアの丸型4灯テールライトなどを見ると、今回のイベントにも展示されていたR35型だけでなく、初代や2代目、R32~R34の要素がしっかりと盛り込まれていることがわかる。
案外、日産はハイパーフォースのド派手なスタイルをそのまま市販化モデルに落とし込んでしまうのかもしれない。そう思った理由は、同じくJMS2023で展示されていたコンセプトモデル「ハイパーツアラー」に近い形のミニバンが、先ごろの「JMS2025」で次期「エルグランド」として登場したからだ。
全個体電池を搭載するBEVを想定?
ハイパーフォースは「ASSB」(全個体電池)と出力1,000kW(1,360PS)を発生するモーターに、4WDの「アドバンスドE-4ORCE」を組み合わせた日産らしいBEVスポーツカーというコンセプトだ。リアフェンダーには、それらの搭載技術がゴールドの文字ではっきりと書かれていた。
とはいえ、一足飛びにフル電動モデルになるのかについてはちょっとだけ疑問符がつく。
例えばランボルギーニは、現状のBEVスーパーモデルには官能性について満足できるものはない、との考えから、V12やV8のエンジンを搭載したプラグインハイブリッド車(PHEV)を新型車として投入し始めている。実際にその2台に乗ってみると、電動車であってもランボらしい官能性を備えていることが明確にわかった。
その考え方を新型GT-Rに当てはめてみると、R35が搭載していた3.8LのV6ツインターボに3モーターを追加したPHEV、というのが現実的な話だろう。
しかし、ここにきて、ライバルのトヨタ自動車が4.0LのV8ツインターボを搭載したハイブリッドスポーツモデルをデビューさせるというではないか。4.0L V8に対して3.8L V6では、GT-Rに勝ち目はないかも……。
となると、ここからは筆者の意見として(まあ、夢のような話だが)、初代に立ち戻ってS20型のような直6エンジンをツインターボ化し、3モーターのPHEV「スカイラインGT-R」として復活させるのはいかがだろう。
あの「スカG伝説」を受け継いだ直6エンジンはスカイラインGT-Rの証としてふさわしいものだし、直6が発する官能的な“サウンド”は日産ファンのハートをガッチリとつかめるはず。ハイパーフォースはBEVなので後ろ姿にテールパイプは見られないのだが、V6ならR35のように左右の4本、直6ならケンメリのような左2本出しのエキゾーストが見られるだろう。
インテリアも、ハイパーフォースはRモードが赤、GTモードが青のライティングになっていたが、私個人としては、初代ハコスカの6連や2代目ケンメリの7連の針式円形メーターが表示できるようになれば嬉しい。吹け上がりや加速が強烈なクルマのメーターは、デジタルの数値表示では変化が早すぎて読み取れないからだ。針式なら、一目で大体わかる。
このように、いろいろと想像を膨らませて楽しめるのも、GT-Rが日産を、いや日本を代表する高性能モデルとして長く君臨し続けてきたからだ。R36型GT-Rはいつ、どんな姿で戻ってくるのだろうか。それまで“辛抱強く”待つことにしよう。
























