レクサスがミニバンタイプの6輪モデル「レクサスLSコンセプト」を発表した。LSなのに、なぜミニバン? ミニバンなのに、なぜ6輪? 疑問だらけなので詳細をチェックしてきた。
LSの解釈が変わった?
既存のレクサス「LS」はセダンタイプだが、LSコンセプトはボディタイプの全く異なるミニバンとして登場。新たなプレミアム3列シートを採用するため、ホイールを6輪としたことが最大の特徴だ。「これからの高級車の新しい形」として、豊田章男会長が提案したものを具現化したという。
レクサスの「LS」といえば、もともとは「ラグジュアリー・セダン」を意味していたが、新しいレクサスでは「ラグジュアリー・スペース」の意とした。となると、フラッグシップはセダンでなくてもいいのでは、という解釈から生まれたのが、新時代LSのこのスタイルだ。レクサスのミニバンとしては「LM」があるものの、そちらのベースとなるのはトヨタ「アルファード」。今回のモデルは、純粋なレクサスオリジナルのミニバンという意味でも貴重だ。
2列目も3列目もプレミアムシートとするために採用したのが、リアの前後2輪(合計4輪)の小径タイヤだ。これにより低床かつフラットな床面を実現している。「乗る時、降りるときをかっこよく」というコンセプトのもと、スライドドアは開口部の広いタイプを採用。3列目にもシート移動なしで容易にアクセスできる。イメージはトヨタとJAXAが共同開発する月面探査車「ルナクルーザー」からきているとのこと。「月だけでなく地球の上でも走りたい」という豊田会長の発想から、このスタイルが生まれたそうだ。
センチュリーのブランド化でレクサスの自由度が拡大?
「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、会期は11月9日まで)のプレスカンファレンスに登壇したトヨタ自動車 チーフブランディングオフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は、「センチュリーがトヨタの最高峰に立ったことで、レクサスはラグジュアリーの中心として自由に進化できるようになりました」と前置きし、「レクサスの想いはディスカバー。誰の真似もせず、自由に進化できるようになります。それはフラッグシップのLSから始まります」と話した。
それにしても、6輪とは思い切った手法だ。なぜ踏み切れたのだろうか。ハンフリーズ氏はこう語る。
「人々はこれまでとは異なる体験を求めています。お客様は自らの基準で価値を見いだしたいと考えています。自分の時間を最大限有効に使えるよう、スペースと自由を求めています。そしてその理想を追求するにあたり、現状に挑戦することを恐れません。これまでレクサスの取り組みは車、四輪だけにとどまってきませんでした。挑戦を恐れずに進んできました。新しいプロダクト、サービス、体験を発見するために。そして今、私たちはフラッグシップを再定義します。ラグジュアリーセダンでもラグジュアリーSUVでもなく、ラグジュアリースペースとしてLSは生まれ変わります。将来は四輪に留まらずとは申し上げましたが、六輪になるなんていうのは想像もしていなかったのではないでしょうか」
LSコンセプトについてはこのように紹介した。
「そのドアを開けた瞬間、我が家のように自分だけのプライベートな空間、真のサンクチュアリに誘います。6輪によるパッケージの革新、広い室内スペース、スムーズな乗り降り、あなただけの空間。スペース。それは自由であり、とても特別な空間です。この2つはまさに代え難い価値そのものです。目まぐるしく変化しているこの時代に、これ以上のラグジュアリーはあるでしょうか。より多くのお客様が新しい形や価値観を求めています」
















