マイナビニュースマイナビ マイナビニュースマイナビ
Index square
( Car ) 夢のクルマが大集結! JMS2025特集

トヨタがロールス・ロイスと直接対決? センチュリーの超豪華クーペが誕生した背景

NOV. 04, 2025 11:00
Text : 原アキラ
Share

トヨタ自動車は「センチュリー」を高級ブランドとして展開していくと発表した。高級車ブランド「レクサス」よりも上という位置づけで、最初にお披露目となったモデルは2ドアクーペだ。超高級車ブランドの「センチュリー」がロールス・ロイスに真っ向勝負を挑む、という展開になったら面白そうだが……。

  • トヨタ「センチュリークーペ」

    トヨタが「センチュリー」をブランド化して2ドアクーペ公開!(本稿の写真は撮影:原アキラ)

センチュリークーペの特徴は?

「センチュリー」はトヨタが生産する高級車の車名だ。それを今後は高級ブランドとして展開していく、というのが今回の発表だ。

  • トヨタ「センチュリークーペ」

    「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、会期は11月9日まで)でセンチュリーのブランド化を発表するトヨタ自動車の豊田章男会長

トヨタが展開する高級ブランドには「レクサス」があるが、センチュリーは「アバブ レクサス」(above Lexus)という位置づけ。トヨタが展開する超高級車のブランド名が「センチュリー」となるイメージだ。

トヨタのサイモン・ハンフリーズ執行役員は、「レクサスはパイオニアとしてどんどんチャレンジすればいい」とし、「センチュリーはTop of Top、One of Oneとして、ハイエンドにチャレンジする」とそれぞれの役割が異なることを強調する。

現在のセンチュリーのラインアップはセダンタイプとSUVタイプの2種類だが、センチュリーを同社のハイブランドに昇格させることで、今後は新型クラウン群やカローラ群など、さまざまなブランド群のひとつとする戦略をとるようだ。大きく見れば、これまでのレクサス、トヨタ、ダイハツ、GRにセンチュリーを加えた5ブランド体制に再構築するものと考えられる。

鮮烈な緋色のカラーリングをまとったセンチュリークーペは流麗な2ドアクーペスタイルで、一見するとロールス・ロイスの「レイス」に似ている気もするが、助手席側には前後に両開きするスライドドアを採用していて、「何者にも似ていない2ドアクーペ」というスタイリングを強調。ショーファーカーとして3人乗車のデザインとすることで、新しい高級クーペスタイルを提案している。

  • トヨタ「センチュリークーペ」

    「かつて、1枚の布に魂を織り込んだ人がいた。100年後、その思いを1台のクルマにした人がいた。技術を尽くし、その車を磨き上げた人がいた。歴史がある。けれど時代は変わる。生まれ変わることでしか、歴史は紡げない。ものづくりに終わりはない。日本にしか作れないものが、きっとある。ただ一つの道を、ただ一人のあなたと」と、創業者の豊田佐吉から始まったトヨタの歴史とともに紹介された「センチュリークーペ」。発売予定のモデルではなく、コンセプトカーという位置づけだ

  • トヨタ「センチュリークーペ」

    助手席側は前後に両開きするスライドドアを採用(この写真のみマイナビニュース編集部撮影)

フロントマスクは、SUVと共通イメージの四角い4灯タイプのヘッドライトに鳳凰のエンブレムを備えたものだが、それに続く長いボンネットの中央部には膨らみがあり、その左右には2つのスリット付きエアウトレットが備わっている。

  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」

ついにトヨタは、ロールス・ロイスやベントレーが築いてきた高級パーソナルクーペの世界に、真っ向勝負を挑んできたのだ。

  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」
  • トヨタ「センチュリークーペ」

豊田章男会長が語ったセンチュリーへの想い?

「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、会期は11月9日まで)に登壇した豊田章男トヨタ会長は、センチュリーを次のように紹介した。

「センチュリーは最高峰にして別格のクルマ。このクルマは、日本を背負って生まれたと私は思っております。ただ自動車をつくるのではない。日本人の頭と腕で、日本に自動車工業をつくらねばならない。これは、豊田喜一郎の言葉。そしてセンチュリーの開発を担当したのは、トヨタ初の主査、中村健也さんでした。同じでないこと。これがセンチュリーの開発・生産・販売のすべてにおいて一貫した、中村さんの姿勢でした」

  • センチュリーJMS発表

豊田会長にとって、センチュリーは自身の父が長年にわたって乗り継いだ特別なクルマだ。

「開発がスタートしたのは1963年。『伝統は後から自然にできるもの。今までにない新しい高級車をつくろう。今の高級車のアキレス腱は新しいことができないことだ』。そう言って、斬新なアイデアや革新的な技術に果敢に挑戦いたしました。同時に、鳳凰のエンブレムには江戸彫金、シート生地には西陣織など、日本の伝統・文化を取り入れました。こうして誕生したセンチュリーを、初代はもちろん、2代目、3代目と章一郎は、生涯の愛車として乗り続けました。そして、時代時代のエンジニアに対し、『高速道路を走る時の直進性だけはしっかりやってくれ』『横風対応は大丈夫か』など、毎日のように、その後部座席から改良の指示を出し続けました。章一郎がそこまでしたクルマは、センチュリーだけでした」

豊田章男会長の父・豊田章一郎氏がそこまでセンチュリーにこだわった理由は?

「終戦のわずか3カ月後に喜一郎(豊田会長の祖父)が立ち上げた『自動車協議会』に込めた想いだったのではないか。私は、そう思っております。この自動車協議会は現在、私自身が会長を務めております『日本自動車会議所』の前身となる組織です。その立ち上げに際し、喜一郎はこう述べております。『民主主義 自動車工業 国家を建設し、平和日本の再建と世界文化に寄与したい』。この言葉が私の頭から離れませんでした。『平和日本の再建』には、自動車工業が原動力となり、日本の人々に笑顔と平和な日常を取り戻したい、という産業報国の精神が込められております。『ジャパン・プライド』。それを背負って生まれたクルマがセンチュリーだと私は思っております」

センチュリーという名称、鳳凰を象ったエンブレムの意味、そして、センチュリーのブランド化について、豊田会長は次のように話した。

「センチュリーに刻まれた鳳凰のエンブレム。『鳳凰』とは、世界が平和な時代にのみ姿を見せる伝説の鳥です。センチュリーは、単なる車名ではありません。世界の平和を心から願い、日本から『次の100年』をつくる挑戦。それこそが、センチュリーなのだと思います。章一郎亡きあと、これは、私自身の使命だと思いました。トヨタには、中村健也さんのスピリットを受け継ぐ仲間がたくさんいて、そんな仲間とともに、『センチュリー・ブランド』を立ち上げることを決意いたしました。『One of One』。中村さんの言葉を借りれば、『同じでないこと』。センチュリーは、トヨタ自動車のブランドのひとつではありません。日本の心、『ジャパン・プライド』を世界に発信していく、そんなブランドに育てていきたいと思っております」

最後は感極まり、目には光るものがあった。

  • センチュリーJMS発表

Share

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

  • Pick Up
    Iapp
    PR
    年金生活、住宅ローンの負担を減らしたい…“家”があなたの老後に恩返し!?
    • PR
      Large
      思い立って2日後に韓国へ、美容施術も1泊2日に詰め込んだ自分メンテ旅
    • PR
      Large
      未経験でも年収1,000万以上! 日本住宅ローンが“おもてなし採用”で求める人材とは?
    • PR
      Index.large
      【PR】黒一色で引き締まる洗練のスタイル - 超軽量ノートPC「FMV Zero」
    Weekly Ranking
    • 1

      Large
      1972年の札幌オリンピックにちなんだ車名を名乗った三菱自動車のクルマとは?
    • 2

      Large
      見どころ多すぎ! 日産「パトロール」の実車に乗り込んでじっくり解説を聞いてきた
    • 3

      Large
      ホンダの新型車「スーパーワン」を詳細チェック! 乗って楽しい小型EVは実現可能?
    • 4

      Large
      レア車だらけ! 高級車ディーラー「コーンズ」主催のオーナーズイベントに潜入
    • 5

      Large
      次のトヨタ「カローラ」は高級化? それとも大衆車? コンセプトカーを確認