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( Car ) 夢のクルマが大集結! JMS2025特集

日産が新型「エルグランド」公開! 高級ミニバンに足りないものを盛り込んだ?

OCT. 29, 2025 10:40
Text : 安藤康之
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日産自動車が新型「エルグランド」をついに公開した。高級ミニバン市場はアルファード/ヴェルファイアの独壇場のような様相を呈しているが、エルグランドはどう戦うのか。日産が見つけたプレミアムミニバンの「満たされていないニーズ」とは?

  • 日産の新型「エルグランド」

    日産が「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、一般公開日:10月31日~11月9日)で初公開する新型「エルグランド」。リニアモーターカーの先頭車両のようなサイドビューが特徴的だ

プレミアムミニバンのアンメットニーズを探して

エルグランドはFR(フロントエンジン、リア駆動)のプラットフォームに3.3リッターのV型6気筒エンジンを搭載し、快適性と運転する楽しさを両立することでプレミアムミニバンカテゴリーを切り拓いたクルマだ。Lクラス、LLクラスのミニバンの歴史は、初代エルグランドから始まったと言っても過言ではない。

  • 日産の初代「エルグランド」

    1997年に登場した初代「エルグランド」

他メーカーも追随して一大カテゴリーとなったプレミアムミニバンは、現在ではよりラグジュアリーなクルマへと進化している。いわゆる「ショーファーカー」と呼ばれるような、運転席よりも後席の快適性を重要視したクルマがカテゴリーを占拠している状況だ。

そうした中で日産は、新型エルグランドを開発するにあたり、プレミアムミニバン所有者や購入検討者、ビジネスユース使用者などに話を聞くうちに、「まだ、ひとつのアンメットニーズが残されていることがわかった」(日産自動車 商品企画本部 商品企画部 チーフプロダクトスペシャリストの中村智志さん)という。まだ満たされていないニーズとは、何だったのか。

  • 日産の新型「エルグランド」事前説明会

    新型「エルグランド」の開発背景を語る中村さん

それは「運転する楽しさ」だ。

ラグジュアリーを追求していくと、クルマ作りはどうしても後席重視となり、購入者(=ドライバー)は運転する楽しさを諦めなければいけなくなる。実際に「もう諦めた」という声はたくさん聞かれたという。

「しかし、よくよく考えてみると、日産が最初にプレミアムミニバンを作った時には、コンセプトに『運転する楽しさ』も掲げていました。この部分が、ラグジュアリーを追い求める中で抜けてしまったのだと思います。だからこそ、4代目となる新型モデルでは、全員が快適に過ごせるだけでなく、ドライバーに運転する楽しさを味わっていただきたいと考えて開発を進めました」(中村さん)

フラッグシップにふさわしい存在感抜群のエクステリア

新型エルグランドの開発コンセプトは「LIMITLESS GRAND TOURER」。「グランドツアラー」とは長距離を快適に走行できるクルマだが、新型エルグランドでは「500km、600kmと走っても快適で、もっともっと乗っていたい」と感じさせるリミットレスなクルマを目指した。

  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」

    新型「エルグランド」の車両サイズは全長4,995mm×全幅1,895mm×全高1,975mm(数値は日産測定値)。先代モデル(全長4,975mm×全幅1,850mm×全高1,815mm)と比べて若干のサイズアップとなる

デザインコンセプトは「THE PRIVATE MAGLEV」だ。プラベートジェットのようにしつらえた室内と「マグレブ」(リニアモーターカー)感のあるエクステリアで、旅に出かける高揚感を表現した。

日産のジャパンフラッグシップにふさわしい威厳とダイナミックなデザインを目指したエクステリアでキーワードとなるのが、「Dignified Futurism」と「Linear sense of Speed」。前者は先進性、後者は非日常を期待させるリニアなスピード感を意味する。

フロントは押し出し感を強調し、サイドはズバッと伸びる直線的でダイナミックなキャラクターラインを採用。特徴的なのが車体後部で、Dピラーを逆スラントに切ることで独特なシルエットとし、伸びやかさを表現した。

  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」

    フロントグリルには日本の伝統工芸「組子」を現代的に解釈したパターンを採用し、日本らしさと先進性を両立。フロントランプの2段構成は先代から踏襲している

  • 日産の新型「エルグランド」

    エクステリアの「マグレブ感」を強調するのがDピラーの逆スラントだ。前面に押し出したフロント部と相まって、サイドビューはまるでリニアモーターカーの先頭車両のようなスピード感のあるシルエットになる

  • 日産の新型「エルグランド」

    リアの水平垂直基調デザインは新型「エルグランド」も踏襲している

インテリアのキーワードは「Praivate lounge」。コックピットはドアから水平基調で連続するインストルメントパネルをドライバー側に少し傾け、コンソールは高くかつワイドな仕様とした。これにより、ドライバーに広さを感じさせながら、しっかりとしたコクピット表現を狙った。

  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」

    新型「エルグランド」のコックピット。14.3インチのダブルモノリススクリーン、シームレスに配置したスイッチ類、先進的な間接照明など、テクノロジーとシャープなデザイン表現で日産らしさと革新性を強調している

インテリアにはフロントグリルやホイールにも採用している組子のパターンを採用し、エクステリアとの統一感を持たせた。

  • 日産の新型「エルグランド」

    新型「エルグランド」の2列目シート

  • 日産の新型「エルグランド」

    新型「エルグランド」の3列目シート

  • 日産の新型「エルグランド」

    組子パターンを採用したホイール

  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」

    組子パターンを採用したインテリア

  • 日産の新型「エルグランド」
  • 日産の新型「エルグランド」

    ラゲッジスペース

ミニバンらしからぬ走りを実現する日産の最新技術とは?

アンメットニーズに応えるため、日産が惜しみなくつぎ込んだ最新技術にも注目だ。

パワートレインは日本初採用となる第3世代の「e-POWER」を搭載。第2世代e-POWERからの大きな変更点は、「ZR15DDTe」と「5-in-1電動パワートレイン」の2つとなる。

「ZR15DDTe」は「エクストレイル」が搭載している「MR15エンジン」を発電専用に作り直し、日産独自の「STARCコンセプト」によって燃費を大きく向上させたもの。「モーター」「インバーター」「減速機」「増速機」「発電機」を1つの筐体に収めた「5-in-1電動パワートレイン」とすることで、効率を高めている。

第3世代「e-POWER」の搭載により、旧モデルのエルグランドや第2世代e-POWER搭載車に比べて燃費が良く、静かで滑らかな走りを実現しているという。

  • 日産の新型「エルグランド」事前説明会

    日本初採用となる第3世代の「e-POWER」

日産独自の電子制御による四輪駆動制御「e-4ORCE」もエルグランド専用に作り込んだ。

「アリア」やエクストレイルのe-4ORCEは、どちらかといえば雪道での走破性やコーナリング性能の高さが注目されていた技術だ。新型エルグランドでは、クルマが思い通りに曲がる気持ちのいいコーナリングなどは継承しつつ、加速時や減速時にいかにクルマの姿勢をフラットにできるかをテーマに改良を施した。例えば、加減速時に必ず発生するピッキング(上下に頭が揺れる現象)をリアモーターを使って改善し、ドライバーや乗客が心地よく走れるフラットな乗り心地を実現している。

  • 日産の新型「エルグランド」事前説明会

    快適性の向上にも貢献する進化した「e-4ORCE」

e-POWERとe-4ORCEの魅力を高次元に引き上げる電制サスペンション「インテリジェントダイナミックサスペンション」も見逃せない技術だ。「スカイライン」も採用しているサスペンションをリチューンし、新型エルグランドに搭載した。

具体的には、小さい凹凸のある路面やうねりの大きな路面など、走行シーンに応じて減衰力を自動調整し、車体姿勢を緻密にコントロールする。これにより、常にフラットな走行が可能になるという。

特に顕著なのがワインディング時で、スポーツカーのように、ロールが少なく、しっかりと路面に食いついた粘り気のあるドライビングを実現したとのこと。これまでミニバンユーザーが諦めていた「走る楽しさ」をしっかりと追求したそうだ。

ドライブモードは6つから選択できる。シーンや好みによってクルマのキャラクターを変更可能にすることで、新型エルグランドは初代が提唱した「運転する楽しさ」と「快適性」を再定義している。

中村さんは「“この大きさのミニバンなのに、こんなに走れるの?”と思わせる走りができるように仕上げています。ぜひ、ここに注目してほしいですね」と話していた。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。