「休むことに勇気がいる」「忙しいときほど寝ている場合じゃない」と思っても、体は休養を求めています。そこで睡眠コンサルタントの友野なお氏の著書『新版 わたしを救う睡眠パーフェクトブック』(大和書房)から、一日を充実して終わらせ、翌朝からまた元気に一日をはじめられるようになった効果的な方法を紹介します。
眠らないと「太る・病む・ミスが増える」
「太りやすくなった」「プチ不調が増えた」「集中力が落ちてきた」という日常で感じやすいトラブルは、年齢を重ねたためだと思い込んでいませんか?
実は「太る」のも「体調不良」も「ミスが増える」のも、すべてよく眠れていないことと関係があるものばかり。反対にいえば、睡眠を見直すことで予防できるのです。
よく眠れないと太るワケ
私たちの“食欲”は、さまざまなホルモンの影響を受けています。睡眠不足が続いたとき、甘いものやジャンクフードをものすごく食べたくなるという経験はありませんか? あれは忙しくて疲れているからエネルギーを補充しようとしているのではなく、しっかり眠れていないためにホルモンバランスが乱れて食欲が増し、糖質や脂質への欲求が高まってしまっているのです。
よく眠れないと体調不良になるワケ
たとえば、体調がすぐれないとき、自然と「横たわりたい」とからだが睡眠を求めているのを感じませんか? これは、私たちのからだに備わっている自衛システムとなる免疫力が働き、からだを守ろうとするから。私たちのからだに備わっている免疫力は、眠っている間に強化されることもわかっています。だからこそ、睡眠をおろそかにしていると免疫力が下がり、からだが不調を訴え始めるようになるのです。
よく眠れないとミスが増えるワケ
仕事でのうっかりミスを減らしたいなら、まずはよく眠ること。
「脳」は睡眠不足のダメージをもっともはやく受けやすく、集中力や記憶力、判断力などが低下し、パフォーマンスが落ちてしまいます。
さらに、睡眠不足の状態では、日中に耐えがたい眠気に襲われることも多く、ミスや事故を起こしやすくなる、というわけです。
忙しいときには、「寝ないでがんばろう」とはりきるのではなく、むしろ忙しいときほど「しっかり眠ってがんばろう」と考えたほうが、ムダなミスを減らし、効率よく高い生産性を発揮できます。
睡眠は、「時間のムダ」ではない
朝の通勤時に電車に乗ると、座っている人の大半は眠っているのか目をつぶっていて、立っている人も前日の疲れが顔に表れている......というシーンを良く見かけます。1日のスタートだというのに、すでにぐったりしていて不機嫌そうな人もたくさんいますよね。 「人生の3分の1は布団のなかにいる」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。1日24時間のうち8時間を睡眠にあてていると、人生のおよそ3分の1は眠っているそう。
人生80年とした場合、より具体的に、日々の生活の平均的な時間の使い方に当てはめて考えてみると、「食事は6年」「仕事は13年」「風呂やトイレは4年」という時間を費やしていることになるそうです。
肝心の睡眠はというと、なんと25年。個人差はありますが、私たちは一年のうち、25年もの時間を睡眠にあてているということになるのです。
「人生の25年分も眠っているなんてもったいない!」と思いますか?
実は昔の私もそうでした。「寝る間も惜しんで」が美学だと思っていたし、睡眠時間ほどムダな時間はないと、極力削る努力をする生活を繰り返していました。
けれど、人は眠らずに生きていくことはできません。
明日の自分は、今夜の眠りが作ってくれるのです。
じつは、しっかり睡眠がとれていないために、心身に不調をきたすケースはとても多いのです。だからこそ、もっと「いい眠り」をとるための知識を深め、習慣を取り入れて、自分のからだと心を守ってほしいと思っています。
「時間がもったいないから睡眠を削ろう!」という考え方から、「健康ときれいをはぐくむ時間にしよう!」という考え方にシフトできたなら、まるで魔法にかかったかのように、どんどん理想が現実へと変わっていく体験をすることになるでしょう。
睡眠力=免疫力!
よく「風邪は万病のもと」といわれますが、じつは「寝不足も万病のもと」。
睡眠をおろそかにし続けていると、病気になりやすいからだになってしまいます。
具体的には、寝不足の日が続くことで高血圧や糖尿病、心臓病や脳卒中などの生活習慣病や、うつ病などのリスクは高まってしまうといわれています。
病気を寄せつけないためには、健康の基盤である「免疫力の強化」がマスト。
日頃、「睡眠力とはなんですか? 」と聞かれたときには、ずばり「免疫力です」とお答えしているくらい、私たちの眠りは、免疫力と深く関わっています。
「よく眠れていないと、風邪をひきやすくなる」ということを証明したアメリカの有名な実験報告もあります。
21~55歳の男女153名を対象に行われた、睡眠時間と免疫系の関係を調査した研究で、風邪のウイルスを鼻から投与してしばらく様子をみるというものでした。すると、普段から睡眠時間が短い人の方が風邪をひきやすかった、という結果が出たのです。
1日の睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上眠っている人に比べて、風邪をひくリスクが約4倍高くなるという研究報告がありました。
睡眠と免疫は相互関係にあって、お互いに働きかけているため、寝不足は免疫機能を低下させること、つまり「体内の異物と闘う力が落ちる」ことにつながってしまうのです。
いろいろな健康法の情報であふれている現代だからこそ、基本に立ち返り、ぐっすり眠ること。
効果抜群でシンプルな「睡眠健康法」を続けない手はありませんよね。
(ライター:山口佐知子)
『新版 わたしを救う睡眠パーフェクトブック』(友野なお 著/大和書房 刊)
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