私たちは毎日様々な判断をしながら生活しますが、判断ミスをしてしまうこともあります。仕事で判断ミスをしたときは、取り返しのつかない大事になってしまう可能性もあり、多くの人ができる限り仕事での判断ミスを減らしたいと思っているはずです。

そこで本記事では、医学博士で「脳の学校」代表を務める加藤俊徳氏の著書『仕事の「判断ミス」がなくなる脳の習慣』から、一部を編集・抜粋してお届けします。

成功している経営者は判断基準が明確である

経営者というのはつねに的確な判断を求められます。判断基準が明確でなければ、その判断は場当たり的なものになり、業績は悪化するでしょう。

では優秀な経営者は、どのような基準や尺度を持っているのでしょうか。彼らがいつ、どのような判断を下したのかをつぶさに見ていけば、その一端を垣間見ることができるはずです。

以前、テレビでユニクロの柳井正さんのインタビューを見る機会がありました。そこで柳井さんがしきりに強調していたのが、「少数精鋭」という言葉でした。

おそらくユニクロは、成長する過程で、たくさんの社員を雇ってきたはずです。

それがいま、少数精鋭を強調するということは、そこに柳井さんの「判断」があるように思います。

アパレル業界において、世界でも屈指の企業に成長したユニクロですが、一方でこれまでと同じような戦略や体制ではダメだ、という考えがあるのでしょう。

規模が大きくなると、どうしても責任の所在が不明確になる“大企業病”が起きるのだと柳井さんは指摘します。

とくに日本の企業組織はその傾向が強いと言われます。少数精鋭という考え方は、大企業病に陥らないための柳井さん流の判断なのではないでしょうか。

ちなみに柳井さんは、これまでたくさんの失敗をしてきたけれど、それを忘れずに、失敗と向き合ってきたからこそ現在があると言います。

失敗がなければ、成功もない、と言うのです。

失敗とは、つまりは判断ミスということだと思いますが、そう考えると、柳井さんにとっての失敗=判断ミスは、じつは成功のための布石に過ぎないということになります。

このこともまた、柳井さん自身の「判断基準」であり、「尺度」ということになるでしょう。

基準がしっかりしているから、失敗やミスを恐れるのではなく、それを糧にして次に進むことができるのです。

つまり、一種の覚悟ができるということであり、自分自身の仕事の型を持っているということでもあると思います。

こういう人はミスも少ないし、一見、ミスに見えることが、将来的には成功につながっていくことになるのです。

『仕事の「判断ミス」がなくなる脳の習慣』(加藤俊徳 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)

AかBか? 迷ったときの頭の使い方がわかる1冊! 判断が速くて正確な人が「決める前」に考えていること

判断することも判断ミスも、すべては人間の脳が行っている活動です。脳の構造と働き方を紐解いていけば、判断ミスがどのようにして起こるか、そのメカニズムを解き明かすことができるのではないか。それによって判断ミスをどう防ぐか、あるいはミスをしたときのリカバリー法がわかるのではないか。著者の脳研究者という独自の立場と、医師として数多くの臨床に当たる中で、致命的な判断ミスを避けるために最大限注力してきた体験を踏まえて、その詳しい内容と具体的な方法を提案します。

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