日本通信は1日、WiMAXネットワークとNTTドコモの3Gネットワークのデュアル・サービスを、年内をめどに提供開始すると発表した。

WiMAXは次世代の高速ワイヤレス通信として期待されており、全国展開を目指す事業者と地域展開を目指す事業者が基地局設置を進めている。しかし、「現時点においては、限定的なエリアでのみ使用可能となっており、利用者も限定されている」(日本通信)のが現状。一方、NTTドコモの3Gネットワークは、全国人口カバー率100%(※)となっており、「極めて広域なエリアで使用可能となっている」(同社)。

※ 人口カバー率は市町村の役所が所在する地点で通信が可能か否かを基に算定

同社では今回、こうした現状に関し、「WiMAXが使えるエリアでは高速なWiMAXが使え、WiMAXが使えないエリアではNTTドコモの3Gが使えるというのがユーザーの要望」とし、年内をめどに、WiMAXネットワークとNTTドコモの3Gネットワークのデュアル・サービスを開始することにした。

同社は、デュアル・サービス実現には、「技術的な課題」「料金的な課題」「端末の課題」があると指摘している。技術的な課題は、「WiMAXが使えるエリアでは自動的にWiMAXが、3Gしか使えないエリアでは自動的に3Gが使えるというような仕組みを、ユーザーが意識することなく使いこなせるようにする」ことにあるとし、これについては「従前より培ってきているマルチ・ネットワーク技術により解決が可能」と説明している。

料金的な課題は、「WiMAXと3Gとが1つの統合的な料金プランで使用できること」とし、同社が提供している、3GとWi-Fiのサービスであるドッチーカにおいて、1,000円のチャージで100分間3Gが使えるサービスを例に挙げ、「例えば、WiMAXを使っても3Gを使っても、同一料金で分単位の利用が可能な料金プランなど、ユーザーが使いやすい料金の実現を目指す」としている。

端末の課題については、ノートPCへのWiMAX内蔵化が進んでいることから、「まずはWiMAX内蔵PCに日本通信のUSB型3G端末を挿すことで解決する」と指摘。また、「3G内蔵PCも急速に増加しており、これにUSB型WiMAX端末を挿すことでも解決できる」としている。さらに、「デュアル・サービス開始時点では、WiMAXと3Gの両方を内蔵するPCも市場投入されており、これらのPCにおいても、内蔵したWiMAXと3Gを使用したデュアル・サービスを提供する予定」と説明している。

同社では、デュアルサービスを開始することについて、次世代高速ワイヤレス通信の提供できる通信エリアがユーザーの期待を満足させることができないという理由で、次世代高速ワイヤレス通信のMVNOが成功しないということは、「創業時から一貫してMVNOを提唱してきた当社としては、見過ごすことができない」と強調。「MVNOを支援するMVNEとして、WiMAXと3Gのデュアル・サービスを提供する使命があると認識し、MVNO向けと当社顧客向けにデュアル・サービスを提供する」と決意表明している。