排水口がつまる原因
水を流す穴である「排水口」がつまる原因にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。つまる原因は場所によって異なるため、場所別にそれぞれ説明していきます。
キッチンの排水口がつまる原因
キッチンの排水口がつまる原因には、以下の4つが挙げられます。
- 油汚れ
- 食材カスやぬめり
- 固形物
- 排水管のつまり
油汚れ
キッチンの排水口がつまる最大の原因は、油汚れです。「油は直接流してない」と思うかもしれませんが、フライパンや鍋、食器に付着した油は日常的にシンクに流れています。
油が毎日少しずつ排水口に流れて固まり、そこに食材カスや洗剤が付着してひとつの塊となって排水口をふさいでしまうのです。
食材カスやぬめり
排水口に食材カスやぬめりが蓄積すると、つまりを起こします。
食材カスは排水ネットにキャッチされていたとしても、ぬめりがゴミ受けの網目をふさいでつまりを起こしてしまうこともあるので要注意です。
固形物
うっかり手元がすべり、排水口をふさいでしまいがちなのが固形物です。調味料のキャップや輪ゴム、アルミホイルの切れ端などが排水口に落ちてつまってしまうこともあります。
また、非常に稀ではありますが、排水口を掃除しているときにカトラリーを落としてしまい、排水口に入り込んでつまってしまうことも。
固形物が排水口から排水管まで流れてつまりを起こした場合、床を解体するほどの大工事になる可能性があるので注意が必要です。
排水管のつまり
排水管のつまりが原因で排水口がつまりやすくなることもあります。排水口に流れた油汚れが排水管へと流れて蓄積すると、水の流れが悪くなり、排水口を掃除してもすぐにつまってしまうのです。
もし排水口から水が溢れてしまうような事態の場合は下記の維持を参考にしてみてください。
浴室の排水口がつまる原因
浴室の排水口がつまる原因は以下の2つです。
- ゴミ受けや排水トラップの汚れ
- 排水管の汚れ
ゴミ受けや排水トラップの汚れ
浴室のゴミ受けや排水トラップを外して水が流れるのであれば、ゴミ受けや排水トラップの汚れが原因のつまりです。
浴室では石鹸やシャンプーを使って体を洗うので、石鹸カスやシャンプー、皮脂、垢汚れなどが排水口に流れます。
さらに洗髪時には髪の毛も大量に抜けるため、小まめに掃除をしておかなければあっという間につまりを起こしてしまいます。
ゴミ受けや排水トラップが汚れているのであれば、掃除をすればつまりを解消できるでしょう。
排水管の汚れ
ゴミ受けや排水トラップを外しても水が流れない場合には、排水管の奥がつまっている可能性があります。
排水管のつまりも、石鹸カスやシャンプー、皮脂、垢汚れなどの浴室から出た汚れです。
排水管のつまりを解消する方法は以下の記事に詳しくまとめているので、こちらも参考にしてください。
洗面所の排水口がつまる原因
洗面所の排水口がつまる原因は以下の2つです。
- 皮脂や石鹸カス
- 固形物
皮脂や石鹸カス
洗面台では日常的に顔や手を洗うため、少しずつ皮脂や石鹸カスがヘアキャッチャーに蓄積されてつまりを引き起こします。
髪の毛も洗う場合には大量の髪の毛もヘアキャッチャーに引っかかるので、さらにつまりやすくなるでしょう。
固形物
洗面台で身支度をする場合、ヘアピンやピアス、ネックレスといった小物が排水口に落ちてしまうこともあるかもしれません。排水口に落ちた小物類もつまりを引き起こす原因になります。
「小まめに掃除をしているはずなのに、つまっている」という場合には、排水口に小物が落ちていないか確認してみてください。
洗濯機の排水トラップから水が溢れている場合はこちらの記事も参考にしてみてください。
排水口のつまりは溶かす3つの方法
排水口がつまった場合、つまりの原因を溶かして解消できることもあります。
必ず解消できるわけではありませんが、以下の方法を試せば軽度〜中度のつまりであれば解消することができるでしょう。
- お湯をためて溶かす
- 重曹・クエン酸で溶かす
- 液体パイプクリーナーで溶かす
お湯をためて溶かす
一番簡単で手間もかからないつまり解消方法が、お湯を流してつまりの原因を溶かす方法です。
- 給湯器の設定温度を50℃〜60℃にする
- 排水口に栓をして水が流れないようにする
- 栓を抜き、排水口に一気にお湯を流し込む
栓を抜くときにはヤケドをしないよう、割り箸やトングなどを使ってください。軽度なつまりであれば、この方法でつまりを解消することができるでしょう。
排水口に熱湯を流すと排水管が破裂する恐れがあります。必ず50℃〜60℃のお湯を使用してください。
重曹・クエン酸で溶かす
お湯を流してもつまりを解消できない場合は、重曹とクエン酸を試してみましょう。
どちらも食用にも使用されるものなので「洗剤を使いたくない」「手荒れが心配」という方も安心です。
- 重曹を排水口まわりや奥にふりかける
- 重曹の上からクエン酸をかける
- ぬるま湯を少しずつかける
- 粉が溶けて泡になったら30分〜1時間放置する
- 45℃〜50℃のお湯を流す
この方法では、重曹とクエン酸の化学反応によって発生した炭酸ガスが汚れを浮かせ、つまりを解消します。
洗剤ほどの効果は得られませんが、軽度のつまりであれば解消することができるでしょう。
液体パイプクリーナーで溶かす
重曹とクエン酸を使っても解消できないつまりには、液体パイプクリーナーを使いましょう。
- 排水口に45℃〜50℃のお湯を流す
- 説明書に記載されている適量を排水口に流す
- 30分〜1時間放置する
- 水を流す
頑固なつまりには、ジェルタイプや高粘度タイプの液体パイプクリーナーを使って一定時間つけ置きしましょう。
液体パイプクリーナーには漂白・除菌効果もあるので、悪臭やぬめり、黒ずみが気になるときにもおすすめです。
ただし、混ぜ合わせると有毒ガスが発生するものもあるので、必ず単体で使用しましょう。また、下記の記事でも薬剤を使用したつまりの解消法について解説しています。
ここまで、つまりを溶かす3種類の方法を説明しましたが、つまりの原因が固形物のときにはどの方法も効果を発揮できません。つまりの原因に固形物の落下が考えられるときには、業者に相談しましょう。
排水口のつまり解消におすすめの液体パイプクリーナー
排水口の頑固なつまりには、液体パイプクリーナーが適しています。けれど「液体パイプクリーナー」と一口に言ってもさまざまな商品があるので、つまりの原因に合わせた商品を選ぶことが大切です。
まずは、汚れの原因別に適している成分を見てみましょう。
- 油汚れ：水酸化ナトリウム
- 髪の毛：次亜塩素酸ナトリウム
- ぬめり：微生物
水酸化ナトリウム
水酸化ナトリウムには油汚れを分解する効果があり、皮脂や垢に含まれる油分も溶かすことができます。
液体パイプクリーナーのラベルには水酸化ナトリウムの濃度が記載されているので、頑固なつまりには高濃度の商品を選ぶと良いでしょう。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムには、髪の毛に含まれているタンパク質を溶かす効果があります。
そのため、髪の毛が原因でつまりを起こしている可能性がある部分には、次亜塩素酸ナトリウムが含まれている液体パイプクリーナーが適しています。
微生物
液体パイプクリーナーのなかには、薬剤を使用せずに「微生物」で汚れを分解する商品もあります。微生物配合の液体パイプクリーナーには「バイオ」や「微生物」などとラベルに書かれていることが多いです。
ただし、微生物が分解できるのは主にぬめりや臭いなので、油や髪の毛によるつまりは解消できません。
ラベルに記載されている成分は、含有量が多いものから先（左側）に表記されています。
キッチンにおすすめの液体パイプクリーナー
キッチンの排水口がつまる原因は、油汚れであることがほとんどなので「水酸化ナトリウム」が高濃度で配合されている商品や微生物配合の液体パイプクリーナーがおすすめです。
ここでは、2種類の液体パイプクリーナーを紹介します。
ドメスト パイププロ 濃縮タイプ
水酸化ナトリウム2%、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤が含まれています。プロ仕様の液体パイプクリーナーなので、頑固な汚れはもちろん、臭いまでしっかりと除去できます。
バイオ 排水管きれい
原材料は、水と微生物のみでできているので、ぬめりを解消できます。「キッチンには強力な洗剤を使いたくない」「洗剤の匂いが苦手」という方におすすめです。
浴室におすすめの液体パイプクリーナー
浴室の排水口がつまる原因は、髪の毛・垢・皮脂・石鹸カスなどさまざまです。ここでは、強力な液体パイプクリーナーを2つ紹介しましょう。
超強力パイプ洗浄剤 クロッグパス
水酸化ナトリウム4.5%、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤が含まれています。
濃度4.5%はほぼ劇薬に近い濃度なので、とても強力です。排水口のあらゆる汚れをしっかりと除去したい方は試してみてください。
ポチップ
サニボン泡パワー
水酸化ナトリウム3.5%、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤が含まれています。
強力な泡で髪の毛をしっかり溶かせるので、髪の毛が原因でつまりを起こしているときにおすすめです。
ポチップ
洗面所におすすめの液体パイプクリーナー
洗面所の汚れは髪の毛・垢・皮脂・石鹸カス・歯みがき粉のカスなどが原因です。さまざまな汚れが混ざり合ってぬめりと化していることも多いので、ぬめりに効果的な洗剤を2つ紹介します。
泡のジェット噴流で排水管キレイ
界面活性剤が含まれています。オレンジの香りがついているので、洗剤のツンとした匂いが苦手な方にもおすすめです。
商品を直接排水口に当てて泡を噴射するので、ぬめりやヘドロに触れることなくつまりを解消できます。
ポチップ
排水口のつまり解消に効果的な方法
排水口のつまりを溶かす以外でも効果的な方法があります。
ただし、固形物が原因でつまりを起こしている場合には、つまりを解消するどころか悪化させる恐れもあります。つまりの原因に固形物が考えられる場合には、絶対に道具を使用しないでください。
キッチンの排水口のつまり解消法
キッチンの排水口がつまったときにおすすめしたいのが、以下の2つの解消法です。
- ペットボトルを使って引き抜く
- ラバーカップを使う
ペットボトルを使って引き抜く
完全に排水口がつまっているときにもできる方法です。手順を説明していきましょう。
- 排水口のふたやゴミ受けを外す
- ペットボトルの口を排水口の穴に合わせる
- 空気を送り込むようにペットボトルの中心を数回押す
- ペットボトルを引き抜く
排水口の穴にペットボトルを合わせるときには、隙間ができないように抑えて差し込んでみてください。この方法を何度か繰り返しているうちに、ゴボッという音とともにつまりが解消できるでしょう。
道具を購入することなく自宅にあるペットボトルで試せることも、うれしいポイントです。
ラバーカップを使う
ラバーカップといえばトイレのイメージですが、キッチンの排水口にも使うことができます。
- キッチンのまわりに汚水が飛び散らないように養生する
- 排水口のふたやゴミ受けを外す
- 排水口にラバーカップを密着させて水位を調整する
- ゆっくり押して、勢いよく引き抜く
3の工程では、真空状態を作るためにシンクに水を流して水位を調整します。水位の目安はラバーカップのゴム部分が全体的に水に浸かる程度です。
ラバーカップを使ってつまりを解消した場合、下水から上がってきた悪臭がする可能性があります。悪臭がする場合には、換気やマスクを使って臭い対策をしましょう。
浴室の排水口のつまり解消法
浴室の排水口がつまっている場合には、以下の2種類の方法を試してみてください。
- 真空式パイプクリーナーを使う
- ワイヤーブラシを使う
真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーはラバーカップよりも強力な吸引力があるため、浴室の頑固なつまり解消にはうってつけです。ホームセンターやネットショップで2,000円〜3,000円程度で購入できます。
ポチップ
- 排水口にゴムカップを密着させる
- パイプクリーナーの持ち手にあるレバーを奥まで押して引っ張る
- つまりが解消できるまで数回繰り返す
真空式パイプクリーナーは浴室だけではなく、トイレや洗面所、キッチンなどさまざまな場所に使えます。
自宅に一つ備えておけば、突然のつまりにも対応できるでしょう。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシはその名の通り、ワイヤーの先にブラシがついている掃除アイテムです。細長いので狭い場所を掃除するときに活躍します。
ポチップ
- 排水口にワイヤーブラシを入れる
- つまりの原因に当たったら、柄を回すようにして汚れを挟んで引き抜く
- 少しずつ汚れを削り取り、排水口のつまりを解消する
ワイヤーブラシを使えばつまりの原因を直接取り除けますが、つまりが大きすぎたり固すぎたりすると取り除けないこともあります。
ワイヤーブラシでつまりを解消できないほどの頑固なつまりは、業者依頼をお勧めします。
洗面所の排水口のつまり解消法
洗面所の排水口のつまりにも、キッチンや浴室のつまり解消法が効果的です。汚れが原因でつまりを起こしているときには、これまでに紹介したつまり解消法を試してみてください。
ここでは、洗面台に固形物を落としたときの対処法を説明していきます。
洗面所の排水口に固形物がつまった場合、排水トラップを解体して固形物を取り除く必要があります。
排水トラップとは、洗面所の下にあるS字やP字の配管のことです。
配管は洗面台下の収納扉のなかにあることが多いので、洗面台の扉を開けて作業を行います。
用意するものと手順を見ていきましょう。
- バケツ
- 割り箸
- 歯ブラシ
- 排水管の下にバケツを置く
- 排水トラップのネジとキャップナットを緩める
- 排水トラップを取り外す
- 排水トラップにつまった固形物を取り出す
- 排水トラップ内の汚れを歯ブラシや割り箸で落とす
- 取り外した手順と逆の手順で排水トラップを取り付ける
3の工程では、排水トラップに溜まっていた水が出てくるのでバケツで受け止めましょう。
一部の洗面台では排水トラップが分解できないことがあるので、分解が難しいときには無理に分解せずに、説明書の確認やメーカーに相談してみましょう。
無理やり作業をすると配管を傷つける恐れもあるため、自力で解決できないと感じたときには業者依頼をお勧めします。
排水口をつまらせないための予防策
排水口をつまらせないためには以下のような対策を心がけましょう。
- 排水口ネットを取り付ける
- 油や固形物を流さない
- こまめに掃除をする
排水口ネットを取り付ける
一番簡単で手間がかからないつまり対策が、排水口ネットを取り付けることです。
排水口ネットを取り付けておけば細かいゴミや髪の毛をネットでキャッチするので、排水口がつまりにくくなります。
掃除をするときには排水口ネットを取り替えて、軽くゴミ受けやキャッチャーを洗うだけなのでとても簡単です。
ただし、ネットにはさまざまな大きさや形状があるので、排水口のサイズや形状に合うものを選びましょう。
油や固形物を流さない
調理で使った油や食器に付着した油分は、できるだけキッチンペーパーや布で拭き取ってから洗いましょう。
油や固形物を流さないように気をつければ、排水口もつまりにくくなります。
排水口を通過して排水管に流れた油は固まり、頑固汚れへと進化してつまりを引き起こします。排水管のつまりを防ぐためにも、日頃からシンクでの油の取り扱いに気をつけてみてください。
こまめに掃除をする
固形物がつまったケースを除き、つまりは突然起こるものではありません。週に数回でも排水口の掃除をしておけば、つまりを防ぐことができるでしょう。
予防目的であれば、液体パイプクリーナーも強力なものを使う必要はありません。自宅に重曹やクエン酸があるのであれば、重曹とクエン酸を使ったナチュラルクリーニングでつまりを予防できます。
排水口のつまりを防ぐためには、日々の掃除が何よりも大切です。小まめな掃除を心がけましょう。
排水口のつまりを業者に依頼する際の費用相場
修理費用は業者やつまりの症状によっても異なりますが、一般的な費用相場は以下のようになります。
| 作業内容 | 修理費用の相場 |
|---|---|
| 真空式パイプクリーナー使用 | 7,000円前後 |
| 高圧洗浄機使用 | 30,000円～50,000円 |
| 排水ホースの修理 | 8,000円前後 |
| 固形物によるつまり解消 | 7,000円前後 |
| 油汚れのつまり解消 | 10,000円前後 |
上記金額は作業料金の相場なので、これらの金額に加えて「出張費用・早朝深夜費用」などの手数料や、部品代金がかかる場合もあります。
先述したように、修理費用は業者によって大きく異なるため、契約前に必ず見積もりを取り、できれば複数業者で相見積もりをしましょう。
業者のなかには手数料によって高額請求をする悪徳業者もありますので、業者選びは慎重に行ってください。
つまりが解消しないときには業者依頼を
本記事ではさまざまなつまり解消方法を紹介してきましたが、解消法を試してもつまりが直らない場合には業者依頼が必要です。
業者に依頼すれば、高圧洗浄機や専門の道具を使って配管内を洗浄するので、つまりを解消して排水口や配水管内をきれいにすることもできます。
また、固形物が落下して排水管に入り込んだ場合には、解体や排水口の交換が必要になるケースもあります。
自分で無理やり解決しようとすると症状を悪化させる恐れもあるので、まずは業者に相談してみましょう。
おすすめ業者4選
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