お風呂の排水口がつまる原因とは?
お風呂の排水口つまりの原因を知るには、目に見えない構造がどうなっているかを知っておくことも大切です。
また、原因となる場所や状況によっては自己解決が難しいこともあります。そんな時は、迷わず業者に連絡をし相談や見積もりをとるなど行動することで、排水口つまりを早く解決しましょう。
まずは、排水口の構造について簡単に説明していきます。
お風呂の排水口の構造
ユニットバスの構造は浴槽のお湯を抜いたときに流れる水と、浴室の洗い場の排水口から流れていく水が、お風呂の床下で繋がって一つの排水管から外に流れ出るタイプが一般的です。
古いタイプだと浴槽と洗い場の排水管はそれぞれ独立していたりします。
浴槽からの排水は洗い場の排水口付近で合流し、その後一本の排水管で流れる仕組みになっており、合流する場所を「排水トラップ」といいます。
排水トラップは、常に一定量の水を溜めることで、下水からの汚臭や害虫の侵入を防ぐ役割を担っています。しかし、排水口からの水が常に溜まっていることから、汚れが付きやすい場所でもあります。
お風呂の排水口つまりの原因(重曹やクエン酸で直せるもの)
原因がヌメリや汚れの付着で、洗い場の排水口に近い位置にある場合は、重曹とクエン酸で作った粉末洗剤を使う方法である程度解消する事ができます。
具体的には、以下のようなものがあります。
- 皮脂汚れや雑菌が繁殖してできたヘドロ汚れ(重曹が有効)
- 石鹸カスや洗剤・湯あかなどお風呂の汚れ(クエン酸が有効)
- 洗い場側の排水口に近い位置にあり、重曹やクエン酸の効果が届く場所に原因がある
お風呂の排水口つまりの原因(重曹やクエン酸では直せないもの)
一方、ヘアキャッチャーや排水トラップなどの部品を外して掃除をしても流れが悪い場合は、自己解決が難しい可能性があります。
原因として考えられるのは、以下です。
- 重曹やクエン酸では取り切れない頑固な汚れがこびりついている
- 排水管の奥に汚れが付着、重曹やクエン酸の効果が届かない場所に原因がある
- 排水管の曲がったところにゴミが溜まっている
- 自然災害により排水管の勾配が変化した
- 排水桝などの排水管の境目や切れ目に木の根が入り込んでいる
これらを放置すると、水漏れなどの大きなトラブルに発展しかねません。後述している別の道具や薬剤を使って汚れやゴミを取り除くか、排水口周りを掃除して改善されなかった段階で業者に相談してみるのもおすすめです。
排水口と排水溝の違い
排水口つまりについて調べていると、排水「口」と排水「溝」という言葉が出てきます。
- 排水口:屋内の排水の入り口(洗面台やキッチンなども含む)を指します。
- 排水溝:屋外・排水が流れている水路。簡単に言うとドブのことをいいます。
排水溝と呼んでいる方も多く見えますが、本来それぞれの場所を指す言葉になります。
重曹やクエン酸の効果とは?
ナチュラルクリーニングなどでおなじみの重曹やクエン酸の効果はよく取り上げられており、人気の理由は自然由来の素材で環境に優しく、小さいお子さんがいても安心して使えるところです。
お風呂はもちろん、キッチンやトイレなど家の中を綺麗にすることができ、消臭効果のメリットもあります。また、お風呂やキッチン・トイレなど部屋ごとに専用の洗剤をそろえる必要がないため経済的です。
重曹やクエン酸を各々で振りかけて使ったり、水に溶かすことでそれぞれの効果にあった汚れを落とす事もできます。
特にお風呂汚れは石鹸カスや垢、皮脂などさまざまな汚れが混ざり合い雑菌が繁殖し溜まっていることが多いので、重曹とクエン酸を混ぜて同時に使う事で複雑な汚れを効果的に中和させることが可能です。
重曹とは?
重曹は環境に優しい洗剤として、またお菓子のふくらし粉や野菜のあく抜きなど食用としても幅広く使われています。別名、炭酸水素ナトリウム。弱アルカリ性の性質を持っている事から、酸性の汚れを中和し汚れを落としやすくしてくれます。
反対に、金属石鹸カスという白く固まった水道水のミネラル成分からできた水垢はアルカリ性なので重曹で掃除しても効果はありません。
クレンザー代わりとしての研磨作用やこびりつきを剥がす発泡作用もあるのでお風呂やキッチン掃除に好相性の素材となります。
【得意な汚れ】
皮脂汚れ、湯垢、タンパク質汚れ、ピンク色のヌメリ、これらの雑菌繁殖によるヘドロ汚れ
【重曹が使えない素材】
大理石、塗装面(ウルシ・ニスも不可)、アルミ製品
クエン酸とは?
クエン酸とは、柑橘系の酸の意味でレモンやグレープフルーツに含まれている成分。お酢や梅干しなど酸っぱいものにクエン酸は含まれています。弱酸性の性質を持ち、市販のクエン酸はサツマイモのデンプンを発酵させて作られたものなので、重曹と同じく身体に害のない安心できる素材といえます。
また、お酢も同じ酸性のクエン酸を多く含む事からクエン酸の代用として使う事ができますが、独特の臭いが残るので臭いが気になる方はクエン酸を使われるのがいいでしょう。他にもレモン汁での代用も可能です。
クエン酸には抗菌・消臭効果があることから、掃除後の汚れが付きにくかったり、雑菌の繁殖を抑えるなどの嬉しい効果も期待できます。
【得意な汚れ】
水垢、石鹸カス(金属石鹸)、洗剤の結晶化
【クエン酸が使えない素材】
大理石、天然木、コンクリート、さびやすい鉄や銅などの金属
お風呂の排水口つまりの解消方法(重曹とクエン酸)
ここまで、排水口の構造と重曹とクエン酸の効果について説明してきました。
お風呂の排水口に限らず、浴室全体が酸性の汚れとアルカリ性の汚れが混在しており、排水口の汚れも複雑に絡み合っていることから、弱アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を同時に使う事で汚れを中和させることができます。
そのような理由から、排水口付近の皮脂やヘドロ汚れ・石鹸カスが原因であれば重曹とクエン酸で汚れを落とす事ができ、排水口つまりを改善する事ができるのです。
種類 | pH | 中和される汚れ |
---|---|---|
台所用漂白剤 炭酸ソーダ |
アルカリ性 | (アルカリ性で落ちる汚れ) 手垢・湯垢・皮脂 タンパク質汚れ 腐敗臭・油汚れ |
酸素系漂白剤 重曹 |
弱アルカリ性 | |
中性 | ||
台所用洗剤 | 弱酸性 | (酸性で落ちる汚れ) 水垢、石鹸カス |
クエン酸 | 酸性 |
重曹やクエン酸は特別な洗剤ではないので、近所のスーパーやドラックストア、100円ショップなどで手軽に購入したり、自宅にある素材で代用したりすることで簡単につまりを解消できる方法といえます。
クエン酸の酸性とカビ取り剤や液体パイプクリーナーなどの塩素系の洗剤が混ざると有害な塩素ガスが発生するため、たっぷりと水で流した後に1日以上間を空けて使う事が必要です。
お風呂の排水口つまりの解消手順
重曹とクエン酸を使って排水口つまりを解消する手順についてお伝えしていきます。
まず、掃除道具を用意しましょう。
- 重曹の粉末 90g
- クエン酸の粉末 30g
- ゴム手袋
- スポンジ
- 歯ブラシ
- コップ1杯分(約200cc)の水または、ぬるま湯
重曹とクエン酸を使って掃除をする前に、排水口の目皿やフタを取りヘアキャッチャーなど取り外せる部品はすべて取り外し、髪の毛やホコリなど大きな汚れなどをある程度取り除きます。
ヘアキャッチャーなどの裏側も歯ブラシなどを使って絡ませて取り、洗い流さずゴミ袋に入れましょう。取り外した部品は、後で一緒に掃除をします。
作業の流れは以下の通り。
- 重曹とクエン酸を混ぜ合わせ粉末洗剤を作る
- 排水口に粉末洗剤を振りかける
- 水またはぬるま湯をかけて30分~1時間程度放置する
- この間に取り外した部品を洗う
- 汚れを洗い流す
詳しく見ていきましょう。
1.重曹とクエン酸を混ぜ合わせ粉末洗剤を作る
重曹3:クエン酸1の割合でそれぞれの粉末を混ぜ合わせる。
2.排水口に粉末洗剤を振りかける
粉末洗剤を排水口にまんべんなく振りかけます。この時に取り外した排水口の部品にも粉末洗剤をふりかけましょう。
3.水またはぬるま湯をかけて30分~1時間程度放置する
粉末を振りかけた部分に、コップ一杯の水またはぬるま湯をゆっくりかけていきます。重曹とクエン酸が反応し発泡し始めます。この状態で30分~1時間程度放置。汚れが分解され浮き上がってきます。
この時、放置する時間が長すぎたり、正しい配分で粉末洗剤を作らなかった場合、粉末が固まり排水口つまりの原因になるので注意しましょう。
4.この間に取り外した部品を洗う
フタや排水トラップなど排水口の部品をスポンジや歯ブラシなどで磨くと汚れをキレイにおとせます。
5.汚れを洗い流す
放置後、緩んだ汚れにシャワーや水で洗い流します。落としきれない場合は歯ブラシやスポンジを使ってこすり落としましょう。この時にスムーズに排水口の水が流れれば部品を元に戻して完了です。
【お酢で代用する場合】
重曹2(300㏄):お酢1(150㏄)を準備。先に排水口に重曹を振りかけ、水の代わりにお酢を回しかけるように注ぎます。重曹を流してしまわないように50㏄ずつゆっくり注いでいくのがポイントです。
30分程度放置して洗い流します。ただし、お酢の独特臭いが残ってしまう事もあるので、お酢が苦手な方にはおすすめしません。
お風呂の排水口つまりの解消方法(重曹とクエン酸以外)
排水口のつまりは、ヘドロ汚れ以外の原因も考えられます。例えば誤って流してしまったヘアゴムやシャンプーの詰め替えキャップなどもつまりの原因になります。また、髪の毛などの塊も重曹やクエン酸では溶かしきれないものになり、排水口の奥で酷いつまりの原因となっている場合があります。
掃除をしてもつまりが解消されない場合、酷い汚れやゴミの存在が予想されます。排水口を傷めてしまうことにつながる可能性があるため無理に自分で解決しようとせず、業者に連絡し相談しましょう。
薬剤や道具でつまり解消
重曹やクエン酸の方法で解決しない時は、次の道具や薬剤を使ってみるのも有効です。
- 液体パイプクリーナー
- ワイヤーブラシ
- ラバーカップ
液体パイプクリーナーで髪の毛つまりを解消
髪の毛は思っている以上に抜け落ちています。多い人で一日100本、そのほとんどがシャンプーをする時に抜けているそうです。そのため重曹やクエン酸で解消できなかった排水口つまりは髪の毛が原因である可能性が考えられます。
そんな時は、髪の毛つまりに強い液体パイプクリーナーです。髪の毛を溶かす有効成分が入っているため、使用量や放置時間を守り、たっぷりの水で洗い流すだけでお掃除完了です。
この方法でつまりが残っている場合は、次に紹介する道具を使う方法を参考にしてみて下さい。
ワイヤーブラシでごみを掻き出す
つまりの原因が髪の毛だけではなく、頑固な汚れとなって溜まっている可能性があります。
ワイヤーブラシを排水口から入れて、回転させながら汚れを掻き出し引き抜いていく行程を数回繰り返していくことで、つまりの原因を取り除いていていきます。
ラバーカップでつまりの原因を吸引する
トイレがつまった時に使うラバーカップ、実は排水口つまりにも使えます。ラバーカップで圧をかけて汚れを吸引します。
ユニットバスなど床下で排水口がつながっている構造の場合は、空気が漏れないようにそれぞれの排水口をタオルでふさぐなど、空気が漏れないようにします。
押したり引いたりして汚れを吸引し、つまりが取れてくると水が引いてくるので、改善するまで続けます。
~ラバーカップ使用時の注意~
力任せに勢いよく押し引きすると、排水口を傷めてしまうので注意しましょう。
また、つまりの原因がシャンプーの蓋やカミソリなどの固形物の場合、ラバーカップを使うことでさらに排水管の奥へと押し込んでしまう危険性があります。固形物を落として見えなくなってしまった時は、無理に対処しようとせず業者へ相談することをおすすめします。
業者に相談でつまり解消
重曹やクエン酸である程度取り組んでみたもののつまりが解消されない場合は、自己解決しようせず業者に連絡をし相談に乗ってもらいましょう。
また、排水口つまりについては作業する前には必ず見積もりを取るようにします。
一般的な排水口の修理は基本料金としては、5,000円~10,000円が相場ですが、業者によっては出張料金が発生したり、技術料や排水口の状況によっては専用の高圧洗浄機を利用するなど別途費用が発生する可能性がでてきます。
また、マンションの排水管の場合、排水口からつまりの原因までの距離が長いと、大きく料金も変わることも考えられます。業者によっては見積もりから有料で対応するところもあるので、インターネットなどの評判やクチコミ、ページの更新頻度などある程度信用できる業者を選び慎重かつ迅速に適切な業者を選んでいきましょう。
お風呂の排水口つまりの予防策
浴槽や洗い場だけではなく排水口まで意識して掃除することで、排水口つまりを防ぐ事ができます。日頃のケアについて、いくつか紹介していきます。
こまめな掃除や髪の毛の除去
目皿やヘアキャッチャーに抜け毛をためないよう取り除いたり、お風呂掃除も排水口をこまめに掃除をすることが一番です。重曹やクエン酸を使った粉末洗剤を週1回行い、定期的に液体パイプクリーナーで排水口の奥まで掃除できるのが排水口つまりを予防する方法です。
こちらの記事で排水口の正しい清掃法を解説していますので参考にしてみてください。

ヘアキャッチャーや目皿にネットをかぶせ異物を流さない
うっかり排水口に落としてしまわないためにも、目の細かいネットを取り付けておくことで異物を排水口に流してしまわない防止策となります。
こちらの記事で排水溝カバーの必要性や種類についても解説していますので参考にしてみてください。
ヌメリ予防にアルミホイルを丸めたものを置く
アルミホイルに水がかかると金属イオンが発生し、細菌の繁殖やヌメリを防いでくれる効果があり、排水口周りを清潔に保てます。ただし、誤って排水口に流さないように注意が必要です。
お風呂の排水口のカビ対策
排水口周りにカビが発生したら、カビハイターやカビキラーで除去しましょう。つまりの原因というより高温多湿という環境からカビが生えやすい場所で排水口のフタがあるだけで死角になりやすく不衛生な場所になります。こまめに掃除をする時に、カビ対策も一緒に行っていきましょう。
まとめ
お風呂の排水口つまりの解決策として、重曹とクエン酸で改善する方法などをご紹介しました。
お風呂は髪の毛や皮脂・石鹸カスがたまりやすく高温多湿でカビも発生しやすい環境です。浴槽や洗い場だけではなく、こまめに排水口の掃除をし清潔に保つことが一番です。
しかし「排水口の奥に頑固な汚れがとれない」「排水菅や排水桝がつまっている」など排水口つまりの原因が重曹やクエン酸で改善できない場合もあります。
液体パイプクリーナーなど他の方法と併せて解決できない場合は、無理をせず早めに業者に連絡することをおすすめします。
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
PR