キッチン排水口からのボコボコ音の原因
キッチンの排水口から聞こえるボコボコ音は、多くの家庭で起こりやすい現象です。この異音は排水管の空気の流れやつまり、配管の設計に起因すると考えられます。原因を特定すると適切な対策ができるようになるので、以下の内容を参考にしてください。
- 排水管内につまりがある
- 他の部屋の排水による現象
- ダブルトラップになってしまっている
- 下水の処理に時間がかかっている
排水管内につまりがある
排水管内につまりがあると、キッチンの排水口からボコボコ音が発生することがあります。これは野菜のヘタや食べ物の残りなどが知らないうちに排水口から流れてしまい、排水管を部分的に塞ぐことで起こります。通常排水が流れる際に空気も一緒に流れるのですが、つまりがあるとそこで空気の流れが妨げられて、ボコボコという異音が出ます。
つまりの原因として、ゴミ受けで取りきれなかった食材や油脂が固まったもの、洗剤カスなどのゴミが引っかかったと考えられます。掃除などの際に落としてしまったブラシや小さな固形物が引っかかっても、水の流れを妨げてしまいます。すぐに影響が出なくても、ゴミや物がつまった場所に汚れが蓄積していく可能性もあります。
他の部屋の排水による現象
マンションやアパートなどの集合住宅では、他の部屋の排水が原因でキッチンの排水口からボコボコ音が聞こえるという現象もあります。これは複数の世帯が同じ排水管を共有している場合に起こりやすいです。
他の部屋で水が排水されると、その水は共用の排水管を流れます。その結果排水管内の空気が押し出されて、自宅のキッチンの排水口に逆流し、ボコボコとした異音が聞こえます。特に水の流れが急な場合や、排水管内につまりがあると、より異音が大きく感じられるでしょう。
そのほか、配管の構造に問題がある場合や共用の排水管につまりが発生して異音が大きく聞こえる可能性もあります。その場合は、集合住宅全体の排水管の定期的な点検やメンテナンスが重要になるので、気になる場合は管理会社などに相談するとよいでしょう。個人で依頼すると修理費用が自己負担になる可能性があるので、気をつけてください。
ダブルトラップになってしまっている
排水口からの異音は配管の構造に問題がある場合も考えられます。排水管にはトラップと呼ばれる、臭気などが逆流しないように水を溜めて封をする仕組みが取り入れられていることがあります。このトラップがひとつの排水経路に2箇所以上設けられていると、空気の逃げ道がなくなりボコボコ音が発生します。
そもそもダブルトラップとなる主な理由は、設計ミスやリフォームなどで後から配管が追加されたことによるものと考えられます。通常、トラップはひとつあれば十分なので、ダブルトラップの状態になるとトラップ間で水や空気の流れが滞りやすくなります。異音だけでなく、異物が溜まりやすくなったり、排水の流れが悪くなったりすると問題です。
ダブルトラップによる異音を解消するためには、専門家に相談する必要があります。異音の大きさや発生源を説明できるようにしておくと良いでしょう。
下水の処理に時間がかかっている
下水の量が多いと、キッチンの排水口からボコボコ音が聞こえることがあります。これは大雨のときなどに起こりやすい現象で、下水の量が多すぎて処理に時間がかかり、排水管内の水位が上昇することにより異音が発生します。
排水管は一定量の水を処理できるように設計されていますが、大雨が降ったりするとその処理能力を超えてしまいます。処理能力を超えた排水により空気の流れも妨げられ、排水口へと逆流することで音が出ると考えられます。大雨の時のみにボコボコ音が発生するなら、一時的なものと捉えて良いでしょう。
同じような現象は、お風呂の残り湯を流す時など、大量に水を流す時にも起こりやすいです。排水トラップに大量の水と一緒に空気も入り込んでしまうため、ボコボコ音が鳴ります。この場合も原因が明らかなら、修理は考える必要はないでしょう。
キッチン排水口からのボコボコ音を止める方法
ボコボコ音の原因として、排水管内のつまりやダブルトラップ、下水の処理能力などさまざまな要因が考えられます。一時的なものなら放置しても構いませんが、続くようなら原因を特定して適切に対応しなければなりません。以下では、具体的な対処方法を解説します。
つまりの原因を取り除く
ボコボコ音は、排水管内のつまりや汚れを取り除くことで止まる可能性があります。軽度のつまりであれば、自分で対処することも可能です。パイプクリーナーや重曹を使うと、排水管内の汚れを効果的に取り除けます。道具を使って物理的につまりを取り除く方法もあります。下記の記事で台所のつまりの解消方法について紹介していますので参考にしてみてください。
しかし、つまりが深刻な場合や自分で対処しても改善しない場合は、専門の業者に依頼することがおすすめです。経験豊富な業者ならつまりの原因を特定し、専用の機材を使って適切に対処してくれるでしょう。
ダブルトラップの解消
ダブルトラップの状態を解消すると、キッチン排水口のボコボコ音を止めることができる場合があります。ダブルトラップは排水管の構造上の問題なので、解消するには配管の専門知識と技術が必要です。
解消方法は排水管の設計図を確認したり、異音の発生源を確認したりして、不要なトラップを特定します。トラップがどんな形状でどこにあるかわかれば、トラップの一部を取り替えたり手を加えたりすることで、空気の流れを変えることが可能です。トラップの形状によっては簡単に解消できない場合もあるので、ダブルトラップが原因と考えられる場合は、専門業者への相談をおすすめします。
自分で排水管つまりを解消する方法
ボコボコ音の原因が軽度なつまりと考えられるなら、自分で解消することが可能です。専門の業者に依頼する前に自分で試せる簡単な方法を知っておくと、待ち時間を短縮したり、コストを抑えられたりできます。自宅で簡単にできるつまりの解消方法は以下のとおりです。
パイプクリーナーを使って解消する
- ゴム手袋
- パイプクリーナー
- 50℃ほどのお湯
水酸化ナトリウムが含まれているパイプクリーナーはキッチンの排水管にこびりついた油汚れやつまりの原因となるゴミを溶かしてきれいにしてくれます。市販されているパイプクリーナーにはパイプユニッシュやパイプハイターなどがあります。以下では一般的な使い方を紹介しますが、実際に使う際には使用する商品の使い方や注意事項をよく読んで使うようにしてください。
- 排水口に50℃ほどのお湯を流す
- ゴム手袋を着用して、パイプクリーナーを適量注ぐ
- 一定時間放置する
- 水を流してパイプクリーナーをすすぐ
まずは50℃ほどのお湯を流して汚れが落ちやすいように温めます。キッチン排水口に溜まる汚れの多くは油汚れが混ざっているのでお湯を流すことで多少改善はします。流すお湯の温度が高いほど良いと思われがちですが、排水管は高温への耐性が高くないので熱湯を流すのは破損の原因になり得ます。温度は50℃ほどにとどめましょう。
その後パイプクリーナーを適量注ぎ、説明書にかかれている時間放置して汚れを溶かしましょう。パイプクリーナーの放置時間は商品によって異なり、短いと汚れは完全に溶けず、長すぎると逆に再度固まってしまうので時間を守って使用してください。
一定時間放置したら排水管内でパイプクリーナーが固まらないようにしっかりと水を流して汚れを落としましょう。
重曹とクエン酸を使って解消する
- 重曹:100cc
- クエン酸:50CC
- 50℃ほどのお湯
キッチンで刺激が強いパイプクリーナーを使用することに抵抗感がある方には、重曹とクエン酸を使う方法がおすすめです。重曹やクエン酸は日頃の掃除でも使用できるため用意しやすく、人体への影響も少ないのでキッチンの排水口つまりの解消におすすめです。
- クエン酸を200CCのお湯に溶かす
- 排水口に重曹をふりかける
- お湯に溶かしたクエン酸を排水口に流す
- 重曹とクエン酸が反応したら、10分ほど放置する
- お湯で重曹とクエン酸を流す
- 10分放置してから、すすぐ
まずはクエン酸をお湯に溶かしてクエン酸水を作ります。排水口に重曹をふりかけたらクエン酸水を注ぎましょう。クエン酸水を注ぐと重曹と反応して発泡しますので換気を行いながら作業をしてください。
化学反応が始まったらしばらく放置をしてから流してください。重曹が残っているとつまりの原因になるのでしっかりと流し切るようにしましょう。この方法は上で説明したパイプクリーナーを使用するものよりも効果は弱いですが簡単にできるのでおすすめです。
ラバーカップを使って解消する
- 排水口に合ったラバーカップ
- 養生シートやビニールなど
- 雑巾やタオル
排水口のつまり解消用具としてラバーカップの使用もおすすめです。ラバーカップには排水口に合わせてさまざまな種類があるのでキッチンの排水口に適したものを用意しましょう。
- 周囲を片付けて養生をする
- シンクに水を張っておく
- ラバーカップを排水口に密着させる
- 一度押し付けてから勢いよく引き抜く
- 何度か繰り返す
ラバーカップを引き抜くときには周囲に水が飛ぶため汚さないように養生を行いましょう。水を通さないビニールなどで床を覆いつつ、すぐに水を拭けるように雑巾やタオルがあると安心です。
シンクに一度水を張ることで引き抜いた際の圧力を高めます。目安としてはラバーカップが沈むくらいの深さで張りましょう。多すぎると引き抜く力が必要になるだけでなく水が伸び散りやすくなります。
ラバーカップは押し込むのではなく引き抜くときの力で異物を除去します。一度ゆっくりと押し込み、一気に引き抜くことでつまりの原因が手前に引っ張り出される仕組みです。何度か繰り返してみて改善が見られなければ排水管を破損させてしまう可能性があるので作業を中断しましょう。
ワイヤーブラシを使って解消する
- 養生シートやビニールなど
- ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシとは、ワイヤーの先端にブラシがついた掃除道具のことです。排水管のつまりを解消できるように長めのワイヤーがついているものやブラシの形状が工夫されているものが市販されています。
- 周囲を片付けて養生をする
- 排水管の壁に沿わせるように、ワイヤーブラシを入れる
- つまりを感じたら、押し込みながら回転させてゴミや汚れを取り除く
- 引っ掛かりがなくなるまで数回繰り返す
まずは周囲を養生して水が飛び散っても良いようにしておきます。ワイヤーブラシを排水管の奥へとゆっくり伸ばし、異物を感じたらワイヤーブラシを動かしてつまりの原因を除去します。市販されているワイヤーブラシは強度がそこまで高くはなので頑固汚れには効かないことがあります。その場合は専門業者に依頼するのがおすすめです。
排水口つまりの予防方法
キッチンの排水口のつまりや異音は、発生してしまうと日常生活に支障をきたしてしまいます。日頃から適切な予防方法を実践することでトラブルを未然に防げるので、できることから取り入れてみてください。
日頃から掃除を行う
排水口のつまりを未然に防止するには、日頃からこまめに掃除をしておくことが大切です。ここでは、排水管内の汚れやゴミなどの蓄積を防ぐために毎日できることと、週1回程度やっておくと良いことを紹介します。
毎日できる簡単な掃除で対応
シンクは油汚れや食材カス以外にも水垢が付くことがあるので洗い物のあとに軽くスポンジでこすり洗いをするのがおすすめです。洗剤は食器用洗剤をそのまま使えます。さらに乾拭きをすることで乾燥時の水垢やカビ、ぬめりの予防にもつながります。
排水口はゴミ受けにネットを掛けるなどして食材が排水口でとどまるようにし、都度交換をしましょう。ゴミを溜めないことでぬめりや悪臭の対策ができます。また、油汚れが排水管にこびりつかないように50℃ほどのお湯を流すのも有効です。排水管を破損させないように温度には気をつけて行いましょう。
週1回程度を目安にする掃除
毎日掃除をするのはあくまでも負担にならない程度の簡単な掃除です。週に1回を目安にとして排水口は掃除を行いましょう。排水口掃除では重曹とクエン酸を使用したものがおすすめで、重曹を排水口にふりかけてからクエン酸水を注ぐ方法です。つまり解消の方法で解説した通りの手順で定期的に行ってください。
油汚れを拭き取ってから洗う
油汚れをそのまま流すと排水管にこびりつき、つまりの原因になります。食器を洗う前に油汚れを拭き取っておくなどして、油を排水に流さないようにすることもつまりの予防方法のひとつです。あらかじめ古布などを小さく切っておき油拭き取り用に用意しておくこともおすすめです。水質汚染を防ぎ、地球環境を守ることにもつながります。
ゴミを流さない
排水口つまりを防ぐには、食べ残しや食材カスを排水口に流さないことが重要です。ゴミが排水管に溜まると、つまりの原因になります。排水口ネットやゴミ受けなどを使用することで、小さなゴミも流れる前にキャッチできます。排水口ネットやゴミ受けは定期的に交換・掃除するようにしてください。
異音に気づいたら放置せずに解消しましょう
キッチンのボコボコ音はつまりの前兆であることが多いです。放置すると本格的に排水管がつまる可能性があります。排水口のつまりは解消するのに時間や手間がかかる可能性が高いので、異音に気づいた段階で原因を調べて自分で対処できそうなら紹介した方法などを試してみてください。
パイプクリーナーや重曹とクエン酸を使った排水管の掃除方法は比較的手軽に試せます。ラバーカップやワイヤーブラシを使う場合は、周りが汚れないように必要なら養生をしてから試すようにしてください。自分で試してもつまりや異音が解消しない場合は、早めに専門業者に問い合わせるようにしてください。
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