排水管掃除の洗剤選びは成分に注目しよう!
まず排水管掃除用の洗剤の成分から見ていきましょう。
パイプクリーナーにはおもに、以下の成分が配合されています。
- 水酸化ナトリウム:油汚れに有効
- 次亜塩素酸ナトリウム:皮脂・髪の毛などのつまりに有効
- 界面活性剤:石鹸の役割を果たす
成分表の表記にはルールがあります。含まれている量がもっとも多い成分を先に表記させるという決まりのもと、記載されているのです。
たとえば「成分/次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、界面活性剤」と書かれている場合は、次亜塩素酸ナトリウムがもっとも多く含まれていることになります。
排水管用の洗剤は使用する場所、落としたい汚れに応じて使い分けることが大切です。洗剤購入時は、成分表の左側の一番上に表記されている成分をチェックしましょう。
台所の油汚れには水酸化ナトリウム
水酸化ナトリウムは、油汚れを落とす効果が期待できるアルカリ性の成分です。その濃度は製品によって異なります。濃度が高いパイプクリーナーは、溶解性も高くなると考えればわかりやすいですね。
たとえば排水管のにおい、ぬめりを解消したい場合、水酸化ナトリウムの濃度は1%以下の洗剤で対処可能です。
頑固な汚れ、排水管つまりを改善するのであれば、濃度が1%以上含まれている洗剤をおすすめします。水酸化ナトリウムの濃度は、用途によって使い分けるとよいでしょう。
悪臭予防・汚れの除去|濃度1%以下の水酸化ナトリウム
排水管から漂う悪臭、ぬめりの改善など、日頃の掃除に使うのであれば、水酸化ナトリウム濃度は1%以下で充分です。
1%以下の製品であれば、気軽にドラッグストアやホームセンターで購入できます。
ただし水酸化ナトリウムの濃度が低い洗剤は、長期間に渡って蓄積した頑固な油汚れには対応できない可能性があります。
排水管のつまり・頑固な汚れ|濃度1%以上の水酸化ナトリウム
排水管つまりの改善、頑固な汚れを落とすことを目的とする掃除であれば、濃度1%以上の水酸化ナトリウムがおすすめです。
濃度1%以上のパイプクリーナーは、溶解性に優れており、髪の毛や皮脂汚れを砕けやすい状態にするパワーがあります。
水酸化ナトリウムの働きは、汚れを溶かすのではなく、もろい状態にすること。濃度が高くなれば、そのぶん溶解性が高くなります。水を流すことで、最終的に汚れを取り除く効果が期待できる洗剤です。
強い洗浄力を望むのであれば、業務用として販売されている洗剤も検討してもよいでしょう。業務用のパイプクリーナーは、水酸化ナトリウムの濃度4.5%のものが販売されています。
<商品例>

ただしホームセンター、ドラッグストアなどで購入可能な洗剤の水酸化ナトリウムの濃度は、5%以下。5%以上のものは、医薬用外劇物となるため気軽に購入できません。
皮脂・髪の毛のつまりには次亜塩素酸ナトリウム
人の体から出た皮脂、髪の毛などが排水口に流れる浴室や洗面所には、次亜塩素酸ナトリウムが多く含まれた洗剤をおすすめします。
次亜塩素酸ナトリウムは、タンパク質を酸化させ分解する働きを持つ塩素系の洗剤です。おもな用途はカビの発生防止や除去、漂白剤のほか、インフルエンザやノロウイルスなどの消毒にも使用されます。
ただし次亜塩素酸ナトリウムの取り扱いには注意が必要です。皮膚に対する刺激が強いためゴム手袋で防護し、換気しながら使用しましょう。
石鹸の役割を果たす界面活性剤
排水管掃除用の洗剤には、界面活性剤が含まれた製品が販売されています。界面活性剤は、いわば石鹸の役割を果たすもの。パイプクリーナーだけでなく、シャンプーやハンドソープなどにも含まれている成分です。
界面活性剤には、乳化と呼ばれる働きがあります。これは分離された汚れと水を混ぜ合わせ、汚れを除去する作用です。
たとえば、水と油は分離しますよね。排水管に付着した油汚れは、水を流すだけでは落としきれません。しかしこれに界面活性剤が加わることで、水と油が融合され、排水として流れるようになるのです。
場所に特化したパイプクリーナー6選
排水管掃除の洗剤は種類が豊富です。どこの排水管に、どのような洗剤を使えばよいのか迷ってしまいますね。
ここで紹介するのは、以下の場所におすすめのパイプクリーナーです。
- 台所:Pix 強粘度ジェルタイプ パイプクリーナー
- トイレ:サンポール・スクラビングバブル 超強力トイレクリーナー
- 浴室:サニボンパイプ泡パワー
- 洗面所:パイプユニッシュプロ
- 洗濯機:パイプユニッシュ
さっそく見ていきましょう。
台所の排水口掃除|Pix 強粘度ジェルタイプ パイプクリーナー
台所の排水口の汚れ、つまりの原因には、食材や調味料、油汚れなどが挙げられます。油汚れ、ぬめりの除去に効果的な洗剤は、水酸化ナトリウム濃度が1%以上の液体パイプクリーナーです。
Pix 強粘度ジェルタイプ パイプクリーナーは、水酸化ナトリウム濃度が1.8%。粘度の高いジェルが排水管の汚れにアタックし、効率的に掃除できます。

トイレの排水口掃除|黄ばみ・水垢の除去に有効な洗剤
日常のトイレ掃除におすすめの洗剤は、以下の2点です。
- サンポール
- スクラビングバブル 超強力トイレクリーナー
ただし、これらの洗剤は日常の掃除に有効な洗剤です。トイレットペーパー、排泄物が原因のつまりには対応できない可能性があります。
トイレのつまり解消に関しては、こちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
サンポール
サンポールは便器のトイレの黄ばみ、尿石の除去に効果を発揮する酸性洗剤です。
トイレの悪臭のもとはおもに、黄ばみや茶色の汚れ。これは尿に含まれるカルシウムに微生物が付着、増殖して生じます。
黄ばみや茶色の汚れは、上から覗き込むだけではチェックしにくい便器のフチ裏にも潜んでいます。サンポールのスミズミノズルなら、ブラシが届きにくい便器のフチ裏へのアプローチが可能です。
スクラビングバブル 超強力トイレクリーナー
スクラビングバブル 超強力トイレクリーナーは、強粘度ジェルタイプのトイレ用洗剤。密着ジェルが汚れに働きかけ、便器の黒ずみやカビ、水垢の除去に有効です。
さらに除菌効果も期待できます。掃除後の清潔な状態をキープできるのは、嬉しいポイントですね。

浴室の排水管掃除|サニボンパイプ泡パワー
浴室の排水管掃除には、サニボンパイプ泡パワーがおすすめ。主成分は、次亜塩素酸ナトリウム。水酸化ナトリウムは3.5%です。強力な泡がとどまり、髪の毛を溶かしてくれます。
容器を振ると泡がでてこないため、使用前は静かに持ち運ぶとよいでしょう。頑固にへばりついた髪の毛は、数回に分けて使用すると落ちやすくなります。

洗面所の排水管掃除|パイプユニッシュプロ
パイプユニッシュプロは、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムが含まれている洗剤。洗面所のぬめり、悪臭の除去が可能です。
ポイントは計量せずに使用できる点。用途に合わせてプッシュ回数が定められており、直接排水管に注ぐことができます。
使用量の目安は以下のとおりです。
- つまり予防・消臭・ぬめり除去:7~8回
- つまり解消:約20回
400gのコンパクトサイズなボトルは、収納に便利です。軽量のため、店舗で購入したときも持ち運びに困りません。

洗面台の排水管をキレイにすると、蛇口もピカピカにしたくなりますね。蛇口やシャワーヘッドの掃除方法に関しては、こちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

洗濯機の排水管掃除|パイプユニッシュ
洗濯機の排水管掃除には、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが含まれたパイプユニッシュがおすすめです。
洗濯機の排水管は、衣類の糸くずや髪の毛などが原因でつまることがあります。髪の毛であれば次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。しかし次亜塩素酸ナトリウムでは、衣類の糸くずを溶かせません。
洗濯機の排水管にパイプクリーナーを使用する際は、事前に排水口を掃除しておくとよいでしょう。除去できる範囲で糸くずを手で取ることで、洗剤が排水管の汚れまで行き届きやすくなりますよ。
洗濯機の排水口掃除に関しては、こちらの記事で紹介しています。掃除の効果を高めるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

どこの排水管にも使用可能!強力な万能パイプクリーナー2選
ここでは日常的な排水管掃除に使用できる洗剤を紹介します。
複数の洗剤を常備すると、購入費がかかるものです。また自宅の収納スペースには限界があるため、排水管の場所ごとに洗剤を置くとかさばります。
家計のやりくり、収納を考慮する主婦には「できれば1つの洗剤で掃除したい」という方もいるでしょう。
家中のあらゆる排水管を掃除する洗剤を使用するのなら、水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムが配合された以下の洗剤がおすすめです。
- ドメスト パイププロ
- パイプハイター 高粘度ジェル
さっそく紹介します。
ドメスト パイププロ
ドメスト パイププロは排水管つまりの予防、悪臭、ぬめりの除去におすすめの洗剤です。
水酸化ナトリウムの濃度は2%。次亜塩素酸ナトリウムも含まれています。使用量を変更することで、台所だけでなく、洗面所や浴室など、場所を選ばずに使用可能です。
パイプハイター 高粘度ジェル 業務用
パイプハイター 高粘度ジェルは、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムが含まれた洗剤です。容量は500gの家庭用、2kgの業務用が販売されています。
水酸化ナトリウム濃度は1%。粘度が高く、排水管にピタリと密着して汚れにアプローチできます。除菌効果も期待できる洗剤です。

排水管掃除に有効な洗剤以外のアイテム
排水口掃除には、洗剤以外にも効果が期待できる道具があります。
- 重曹・クエン酸
- ワイヤーブラシ
これらのアイテムは肌荒れを起こしやすい、アレルギーがあるなど、強力な洗剤が使用できない方におすすめです。
重曹・クエン酸
重曹にはアルカリ性、クエン酸には酸性の性質があります。2つを混ぜることで汚れを浮かせ、落とす効果を発揮するのです。
パイプクリーナーには高い洗浄力が期待できますが、そのぶん刺激が強いもの。万が一洗剤が体に付着すると、溶解力で皮膚がただれてしまうことがあります。また排水管以外の場所に洗剤が触れることで、その場所が傷む可能性もあるのです。
重曹、クエン酸にはこのような心配がないため、幼い子どもがいる家庭やアレルギーを持った方におすすめです。
重曹、クエン酸のおもな入手先は、ホームセンターやドラッグストア。100円ショップでも購入できます。
ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシとは、排水管掃除に使用できる金属製のブラシのことです。汚れの除去、つまりの解消などに対応した、さまざまなタイプがあります。
先端がブラシのタイプは、手が届かない奥の汚れをこすり落とす際に使用します。紹介した洗剤と併用することも可能です。
先端がらせん状になっているタイプであれば、排水管のつまりに有効。先端をつまりの原因に当てることで汚れを削り、除去できます。
ワイヤーブラシの使用方法、選び方に関してはこちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
パイプクリーナーで掃除する際の注意点
汚れや悪臭の除去に有効なパイプクリーナーですが、使用する際は注意が必要です。
たとえば、以下のような点に注意が必要となります。
- 規定量・放置時間を守る
- 他の洗剤と混ぜない
- ゴム手袋を着用・換気する
- 固形物がつまっている場合は効果が期待できない
これから紹介する注意点をチェックし、正しく安全に使用してくださいね。
規定の放置時間を守る
パイプクリーナーを使用する際は、製品に記載された規定の時間を守りましょう。
「長く放置すれば、効果が増すのでは?」と思うかもしれませんが、定められた時間よりも長く置くことで、洗剤が固まってしまいます。溶け出した汚れと洗剤が固まると、新たなつまりの原因になることも。
「排水管の汚れを残さずに落としたい」のであれば、放置時間を長く取るよりも、掃除の頻度を高めることをおすすめします。
他の洗剤と混ぜない
洗剤に書かれている「まぜるな危険」という表記を目にしたことはありませんか?排水管パイプクリーナーを使用する際は、他の洗剤を組み合わせないことが大切です。
なかでも次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系のパイプクリーナーに含まれている成分です。酸性タイプの洗剤と混ぜると素早く分解が進み、塩素ガスが発生し、体調に影響する危険性があります。クエン酸や酢も酸性のため、混ぜてはいけません。
もし誤って併用し、ツンと鼻をつくようなにおいを感じたときの対処法は以下のとおりです。
- 換気する
- その場から離れる
- 刺激臭がなくなったら水で洗い流す
すぐに換気し、可能な限り早くその場から立ち去ることが大切です。においがなくなったことが確認でき次第、水で洗い流しましょう。
塩素ガスはずっと発生するものではありません。落ち着いて対応してくださいね。
ゴム手袋を着用・換気する
排水管掃除に洗剤を使用する際は、ゴム手袋を着用しましょう。排水管の汚れだけでなく、洗剤が手に直接付着することを予防できます。
また換気しながら行うことも大切です。溶解力が高く、強力なパイプクリーナーであればあるほど、人体に影響を及ぼす危険があります。
万が一洗剤が衣類に付着した場合は、すぐに大量の水で洗い流しましょう。また洗剤が目に入ったときは15分以上洗眼し、病院へ行くことをおすすめします。
固形物がつまっている場合は洗剤の効果が期待できない
油汚れ、髪の毛以外の固形物は、パイプクリーナーでは溶かせません。固形物が排水管に流れた場合は、つまりの原因を取り除く作業が必要になります。
台所であればスプーンなどの食器、洗面所であれば化粧品のキャップなどが誤って流れ、排水管つまりの原因になることがあります。
固形物が排水管の手前でつまっているのなら、手で取ることが可能です。しかし万が一排水管の奥に流れると、簡単に除去することが難しくなります。道具を使用することで、さらに奥へ進んでしまうこともあるでしょう。
固形物が排水管に流れたときは、慌てずに水回りトラブルの専門業者に依頼する方法がおすすめです。
洗剤で排水口のつまり・悪臭が改善できない場合の対処法
排水管の汚れ、つまりが自分で解決できない場合は、以下の対処法があります。
- 高圧洗浄する
- 水回りの専門業者に依頼する
洗剤を使用しても効果が感じられないときに、試してみてくださいね。
高圧洗浄する
高圧洗浄機によって圧力を加えることで排水管の汚れ、つまりの原因を除去する方法です。高い圧力の水を吹きかけることで、排水管のつまりが洗い流されます。
しかし高圧洗浄機は高額な上、収納場所の確保も必要になります。毎日の掃除で使うものではないため、使用頻度も低いでしょう。
一時の排水管トラブルで家計に負担をかける前に、専門業者に相談してから購入するかどうか決断しても、遅くないでしょう。
水回りの専門業者に依頼する
洗剤を使用しても排水管の悪臭、つまりが改善できないのなら、専門業者に相談してみてはいかがでしょう?
「掃除のために業者に依頼するなんて、大げさでは?」と思うかもしれませんが、小さな汚れが原因となり、大きなトラブルに発展する危険性があるのです。
自己判断で無理に強力な洗剤や道具を使用すると、排水管がダメージを受けます。もし排水管が破損した場合、状況によっては排水管を分解するほどの大規模な工事が必要になる可能性が否定できません。
このような事態を防ぐためにも、自分で解決できなかったときは業者に連絡することをおすすめします。
水回りの専門業者は状況に応じて適切な判断、方法で排水管トラブルを解決に導いてくれます。排水管の構造を熟知したプロから、メンテナンスのアドバイスを受けることも可能です。
業者選びの際は、見積もりや相談を無料で行っているところに依頼すると安心ですね。
まとめ
排水管掃除の洗剤選びは、汚れやつまりの原因や場所に応じて成分、濃度をチェックすることが大切です。紹介した内容を参考に、最適なパイプクリーナーを選んでくださいね。
排水管トラブルを早めに解消すると、大きな問題を未然に防げます。
もし自分で改善することが難しい場合は、専門業者に頼る方法も検討してみてはいかがでしょうか。「ただの排水管掃除だから」と軽視せず、問題が小さなうちに解決しておきましょう。
排水管がキレイになれば、あとはその状態を維持するだけ。毎日の掃除もラクになりますね。さっそく排水管をキレイにして、快適な家族の生活を守りましょう。
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