風呂の排水口がつまったらやるべきこと
お風呂の排水口がつまってしまった場合、まずはつまりの原因を特定し、自分で対処ができるものは対処を行いましょう。
また、自分での対処が難しいと感じたり、排水管に問題があり素人ではつまりの原因に手が届かない場合は、業者へ連絡することをおすすめします。
原因を特定する
排水口がつまった際にまずやるべきことは、原因の特定です。
何が原因で、どこでつまりが発生しているのかを探ることで、適切なつまり解消の対処が行えるでしょう。
また、流れが悪い場合に「原因はわからないけどまだ使えるから」と放置してしまうと、本格的につまりが発生してしまい、大掛かりな修理が必要になることもあります。
そのため、完全に排水口がつまっていなかったとしても排水口の流れが悪くなっている原因を探り、今行える対処法を見つけることが大切です。
こちらの記事でお風呂の排水溝が詰まってしまう原因について解説しています。
自分で対処できる場合は行う
お風呂の排水口がつまっている、もしくは流れが悪い原因が特定できたら、自分で修理や掃除など対処できる場合は作業を行いましょう。
排水口の軽度なつまりであれば簡単な作業で改善できるため、まずは自分で対処を行ってみることで水の流れが良くなるケースも多くあります。
記事後半では自分で簡単に行える排水口つまりの解消方法について手順を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
どうしても難しい場合は業者へ相談する
後ほどお風呂の排水口がつまった際の対処法について解説しますが、自分での解決がどうしても難しいと感じたり、自信がなかったりする場合は、無理せずに業者へ相談することがおすすめです。
もし作業の進め方が分からないまま独断で修理を進めてしまうと、排水管を傷つけたり、それにより水漏れが発生したりする恐れがあります。
無理やり作業を行った結果、さらなるトラブルが発生してしまうと大変ですので、作業を進めていくうえで無理はしないようにしてください。
お風呂の排水口の仕組み
始めに、お風呂の排水口に水が流れる仕組みについて理解しておきましょう。
ここでは、排水口の場所や種類、排水トラップの役割などについて解説していきます。
排水口の場所と種類
家庭によくみられるユニットバスタイプのお風呂では、排水口が洗い場と浴槽で1つずつあります。
それぞれの排水口から流れる排水は1つの排水管へと繋がっており、浴槽から洗い場の排水口を流れ、最終的に排水管へと流れる仕組みです。
お風呂の排水口がつまってしまう際、洗い場側の排水口でつまりが発生することが多くなっていますが、なかには浴槽側の排水口でつまりのもとが蓄積され、つまってしまうこともあります。
そのため、お風呂にある全ての排水口のお手入れをしっかりとすることが欠かせません。
排水口がつまる主な原因や対処法、お手入れ方法などについては後述しますのでそちらをご覧ください。
排水トラップとは
排水口には「排水トラップ」という水が溜まっている部分があります。
排水トラップの役割は、一定量の水を溜めておき、水管の奥から臭いや害虫、雑菌が上がってこないようにすることです。
排水トラップには「ワントラップ型」と「ドラムトラップ型」、「管トラップ型」の3種類があり、それぞれで以下のように異なります。
- ワントラップ型:目皿の下にお椀の形をしたカップがあり、外側に水を溜める
- ドラムトラップ型:目皿の下にドラムの形をしたカップがあり、水がたくさん溜まる
- 管トラップ型:排水パイプの曲がった形状に水を溜める
ドラムトラップ型の方が水を多く溜められるため水が蒸発しにくく、それによって臭いが発生しづらいことが特徴です。
また、ワントラップ型は簡単に取り外せるため洗いやすい反面、水が蒸発しやすく臭いが発生しがちな点が挙げられます。
現在は、ユニットバスがある家庭ではドラムトラップ型の排水トラップが多くなっています。
そのほか、管トラップと呼ばれる排水パイプが曲がった形状の排水トラップがあり、S字・P字・U字の種類に分かれています。排水パイプを曲げて水を溜められるため、スペースを必要としないことが特徴的です。
しかし、曲がった形状であるため、途中で異物がつまりやすいことに注意しなければなりません。
お風呂のつまりで修理が必要なパターンは?
お風呂の排水口につまりが発生した場合、以下の2パターンによって対処法が異なります。
- 排水トラップを外すと水が流れる場合
- 排水トラップを外しても水が流れない場合
それぞれについて解決方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
排水トラップを外すと水が流れる場合
排水トラップを外すと水が流れる場合は、排水口のゴミ受けや排水トラップに汚れが溜まり、水の流れを悪くしてしまっていることが考えられます。
この場合は、排水口付近の部品をしっかりと掃除することで水の流れを改善できるでしょう。
主な対処法としては、以下のようなものがあります。
- 排水トラップを分解して掃除する
- 重曹とクエン酸を使って掃除する
- 液体パイプクリーナーで部品を洗浄する
排水トラップを分解して掃除する際は、排水口のフタやヘアキャッチャー、排水トラップを取り外し、スポンジと洗剤を使って汚れを取り除きましょう。
重曹とクエン酸を使った掃除方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
液体パイプクリーナーを使った洗浄方法については、排水口の内部のつまりを解消する方法として後述していますので、そちらを参考にしてみてください。
排水トラップを外しても水が流れない場合
お風呂の排水口がつまっており、排水トラップを外しても水が流れない場合は、排水口内部に原因があると考えられます。
これから紹介する詳しい原因や対処法をもとに、つまりを解消してみてください。
お風呂の排水口がつまる原因
お風呂の排水口がつまる原因として、排水トラップを外しても水が流れない場合は、以下のようなものが考えられます。
- 髪の毛や石鹸カスなどが溜まっている
- 固形物がつまっている
- 排水枡がつまっている
それぞれについて詳しく解説しますので、原因や放置するリスクについて押さえておきましょう。
髪の毛や石鹸カスなどが溜まっている
お風呂の排水口がつまってしまう1つ目の原因として、髪の毛や石鹸のカス、さらに皮脂や垢などが溜まっていることが挙げられます。
本来であれば排水口に設置されたヘアキャッチャーにゴミが溜まりますが、細かなゴミはヘアキャッチャーをすり抜けて排水口へと流れてしまいます。
石鹸カスや皮脂によって排水口にはぬめりが発生しやすいため、排水口のぬめりに流れた髪の毛が引っかかりさらに水の流れが悪くなり、つまりを引き起こしてしまうのです。
固形物がつまっている
お風呂の排水口がつまる2つ目の原因は、シャンプーなどをつめ替えた際のゴミ袋の切れ端やカミソリの刃などの固形物です。
固形物を誤って流してしまった際、すぐに気づいて取り除けば排水口のつまりは防げます。
しかし、固形物を流したことに気づかないまま放置してしまうと、固形物が髪の毛や石鹸のカスなどの汚れをキャッチしやすくなるため、大きなつまりが発生しやすくなってしまいます。
また、ヘアピンやアクセサリーなどもつまりの原因となってしまうため、お風呂に入る前に取り忘れがないように注意することも欠かせません。
排水枡がつまっている
排水枡とは、家庭における排水が下水管に流れるまでの間にある点検口のことであり、排水管と排水管を繋げるために使用されます。
この排水枡に汚れが溜まると排水管の流れが悪くなり、結果的にお風呂の排水口の流れを止めてしまい、つまりが発生します。
この場合は自分でつまりを解消することは難しいため、業者の手で排水枡を掃除してもらうことが必要です。排水枡の定期的な清掃やつまりの予防法は下記の記事を参考にしてみてください。

お風呂の排水口つまりを解消する方法
ここからは、お風呂の排水口がつまってしまった際につまりを解消する方法について、以下の5種類の対処法を紹介します。
- 液体パイプクリーナーを使う
- 重曹とお酢を使う
- ラバーカップを使う
- ワイヤーブラシを使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
それぞれの対処法について、手順を確認していきましょう。
液体パイプクリーナーを使う
髪の毛やぬめりなど、溶かせるものが原因でつまりが生じている場合は、液体パイプクリーナーを使うことで、排水口の流れを改善できます。
軽度のつまりであれば液体パイプクリーナーで解消できることがほとんどのため、まずはこの対処法を試してみると良いでしょう。
下記の記事でおすすめのパイプクリーナーを紹介しているので参考にしながら選んでみてください。
液体パイプクリーナーが用意できたら、以下の手順でつまりの元を溶かしていきます。
- 排水口のカバー、ゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 排水口の内側に液体パイプクリーナーを流し入れる
- 規定の時間放置し、水かお湯でしっかりと流す
- つまりが解消されたら、外したパーツを元に戻す
パイプクリーナーを流し入れて放置する際は、規定の時間以上放置しないようにしましょう。長時間置きすぎると溶かした洗剤ごと固まってしまい、つまりを悪化させる恐れがあります。
もし1回で汚れが取りきれず、水の流れが改善されない場合は洗剤を複数回使用して汚れを分解させてみてください。
重曹とお酢を使う
重曹とお酢を使った掃除方法は、お風呂以外の排水口掃除にも有効です。
こちらの対処法は、重曹のアルカリ性により酸性の汚れを分解させ、お酢の酸性によりアルカリ性の汚れを分解させる効果があります。
お風呂の排水口の汚れを例に挙げると、皮脂や垢などの汚れは弱酸性のため、アルカリ性の重曹が効果的です。また、アルカリ性の石鹸のカスには、酸性のお酢を使うことで汚れを落とせます。
重曹とお酢を用意したら、以下の手順でつまりを解消していきましょう。
- 排水口のカバー、ゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 重曹1カップを排水口に振りかけ、その上からお酢2カップを入れる
- 泡が立ってきたら、1時間程度放置する
- 水で汚れをしっかりと流す
- つまりが解消されたら、外したパーツを元に戻す
重曹とお酢を使ったつまり解消方法は、人体に害がなく安全な方法ですのでぜひ試してみてください。
ラバーカップを使う
ラバーカップはトイレのつまり解消グッズとして有名ですが、お風呂の排水口のつまりにも効果的です。
ラバーカップを使って排水口のつまりを取る際は、カップの大きさと排水口の大きさが適しているかを確認してください。
以下のような手順で、排水口のつまりを取っていきましょう。
- 排水口のカバー、ゴミ受け、排水トラップを取り外す
- カップを排水口に強く押し当て、カップの上まで水を溜める
- 一気に引き上げ、つまりを取る
- つまりの原因が取れるまで2と3の手順を繰り返す
- つまりが解消されたら、外したパーツを元に戻す
ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシを使ったつまり解消方法は、排水管につまりが発生している際に有効です。
ワイヤーブラシは細長いワイヤーにブラシがついており、排水管などの狭い場所を掃除することができます。
ワイヤーブラシの詳しい選び方は下記の記事で取り扱っています。
ワイヤーブラシが用意できたら、以下の手順でつまりを削り取っていきましょう。
- 排水口のカバー、ゴミ受け、排水トラップを取り外す
- 排水管にワイヤーブラシを入れる
- つまっている箇所に当たったら、ブラシを動かして汚れを削り取る
- 水が流れるようになったら、外したパーツを元に戻す
注意点として、無理にワイヤーブラシを押し込むと排水管を傷つけてしまう恐れがあるため、これ以上入らないと感じたら作業を辞め、別の対処法に切り替えるか業者へ相談することがおすすめです。
また、ワイヤーブラシの代用品として、家庭によくあるワイヤーハンガーを活用することもできます。
ワイヤーハンガーを使う際は、ハンガーを1本の棒状にし、ワイヤーブラシと同じ手順でつまりを取ってみてください。
真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーを使うことで、ラバーカップよりも強力な圧力と吸引力でつまりを引き出せます。真空式パイプクリーナーは、ホームセンターやインターネットで購入でき、値段は2,000〜3,000円程度です。
以下の手順に沿って、真空式パイプクリーナーで排水口のつまりを掃除していきましょう。
- 排水口のカバー、ゴミ受け、排水トラップを取り外す
- レバーを下げた状態で、排水口にゴムカップを密着させる
- レバーを引き上げ、つまりを吸引する
- つまりの原因が取れるまで2と3の手順を繰り返す
- つまりが解消されたら、外したパーツを元に戻す
お風呂の排水口つまりを普段から防ぐためのポイント
ここからは、お風呂の排水口のつまりを普段から防ぐためのポイントについて紹介します。
以下の4つについて解説しますので、ぜひ日常的に意識して排水口を綺麗に保つようにしてみてください。
- 排水トラップに溜まったゴミはこまめに捨てる
- ヘアキャッチャーにネットを被せる
- 液体パイプクリーナーを定期的に使用する
- 浴槽のお湯を流す前にゴミを取る
排水トラップに溜まったゴミはこまめに捨てる
まずは、排水トラップに溜まったゴミをこまめに捨てることが大切です。ゴミを放置することで雑菌が繁殖し、ヘドロとなってつまりが発生するため、こまめにゴミを捨てるだけでもつまり防止に効果が期待できるでしょう。
また、排水口にゴミ取りシートを貼り付けたり、髪の毛が捨てやすい形状のヘアキャッチャーを使うことで掃除を楽にできます。
ゴミ取りシートはシートにゴミが溜まるため、シートを交換するだけで排水口を綺麗に保てます。使い終わったシートは捨てるだけですので、簡単に掃除が行えますね。
髪の毛が捨てやすいヘアキャッチャーについては、真ん中にくぼみがあるものがおすすめです。くぼみがあることで中心にゴミを集めやすく、楽に捨てられるでしょう。
また、ヘアキャッチャーを交換する際は、お風呂の排水口のサイズとヘアキャッチャーのサイズが合うかどうかを確認するようにしてください。
下記の記事でヘアキャッチャーの紹介をしていますので参考にしながら選んでみてください。
ヘアキャッチャーにネットを被せる
ヘアキャッチャーのみでも髪の毛やゴミをキャッチしてくれますが、さらに細かなゴミを流さないために、ヘアキャッチャーにネットを被せることも一つの手です。
ネットはかなり目が細かいため、ヘアキャッチャーではすり抜けてしまい取りきれないようなゴミもしっかりとキャッチできます。
また、ネットを被せておけばこまめにネットを交換するだけで汚れが溜まるのを防げるため、楽にお風呂の排水口のつまりを防止できるでしょう。
液体パイプクリーナーを定期的に使用する
先ほどお風呂の排水口のつまり解消グッズとして紹介した液体パイプクリーナーですが、日常的な排水口掃除にも効果があります。
定期的に液体パイプクリーナーを使用して排水口の汚れを分解させておくことで、排水口や排水管に汚れが蓄積するのを防げます。
排水口がつまる前に予防し、排水口を綺麗な状態で保てるようにしてみてください。
浴槽のお湯を流す前にゴミを取る
浴槽の栓を抜いてお湯を流す前に、水面のゴミを取ることで浴槽側の排水口のつまりを防げます。
浴槽の排水口は小さく複雑な造りになっていることもあるため、なるべくゴミを流さないように意識してみてください。
自分で直せないお風呂の排水口つまりは業者へ連絡を!
ここまで、お風呂の排水口がつまった際の対処法について紹介してきましたが、もし上記の方法を試してもつまりが解消されない場合は、業者へ連絡することがおすすめです。
無理に作業を行うと排水管を傷つけてしまう可能性があるほか、自分で直せない排水口のつまりの場合は、別の箇所に原因が隠れていることも考えられます。
原因探しからプロの手で徹底的にやってもらうことで根本的改善につながるため、自己判断で無理な作業はせず、業者への依頼を検討してみてください。
また、お風呂の排水口がつまってしまった際に業者へ依頼する場合、費用相場は以下の通りです。
- 基本料金:4,000〜6,000円
- 出張料金:3,000〜4,000円
- 作業料金:3,000〜10,000円
さらに、特殊作業が必要になる場合、次のような費用が発生することがあります。
- トーラー:10,000〜30,000円
- 高圧洗浄:15,000〜10万円
- 強力な薬剤:5,000〜10,000円
トーラーとはワイヤーブラシのような業務用の道具であり、一般的に売られているブラシよりも強力かつ、奥底の汚れを削り取ることができます。
上記の料金はあくまで目安であり、業者によって料金形態が異なったり、つまりの程度によっても異なったりすることがあります。
業者へ依頼する際の参考としてご覧いただき、相場よりも高すぎたり低すぎたりしないかどうかの判断基準にしてみてください。
まとめ
今回は、お風呂の排水口がつまってしまった際に考えられる原因や対処法、日頃から行えるつまりの予防策などについて解説しました。
排水口がつまってしまう主な原因は髪の毛や石鹸のカス、皮脂、垢、などの汚れであり、それらを放置することで蓄積してヘドロ化し、つまりが発生します。
そのため、できる限り排水口をこまめに掃除して綺麗な状態を保ち、ぬめりを発生させないようにすることでつまりを防げるでしょう。
もしつまりを解消するための作業の過程でトラブルが生じたり、自力で解決することが難しいと感じた場合は、迷わず業者へ相談してみてください。
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