洗面台の排水管はなぜ汚れる?
洗面台の排水管が汚れる原因は、おもに以下の4つが考えられます。
- 髪の毛
- 固形物
- ぬめり
- 水垢
これらが互いに絡み合うことで汚れが大きくなり、排水管つまりの原因となります。
たとえば洗面所で髪をブラッシングしたりドライヤーで乾かしたりして、髪の毛が排水管まで流れたとします。シャンプードレッサー付きの洗面台であれば、洗髪する家庭もあるでしょう。
ヘアキャッチャーが設置されていたとしても、すべての髪の毛を受け止めるのは難しいことです。ヘアキャッチャーの目を通り抜け、排水管まで流れた髪の毛が、手や顔を洗う際に使用するハンドソープや石鹸と絡み合うと、ぬめりが発生します。
さらに指輪やピアス、ヘアピンなどの固形物が流れるとつまりの元は大きくなります。金属類であればサビが生じることもあるでしょう。
加えて、洗面台は水垢が溜まりやすい場所。水垢とは、水道水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が固まったものです。これに髪の毛や固形物がひっかかり、汚れやつまりの原因になることもあります。
水の流れが悪いまま放置するとどうなる?
水の流れがよくないということは、排水管に軽度なつまりが生じている状態。そのつまりこそが、洗面台に悪臭を放つ原因です。
そのまま放置すると、つまりの上に、髪の毛や石鹸かすなどが蓄積。排水管の幅が狭くなり、水漏れが起きたり逆流して溢れたりする危険性もあるのです。
そうなってしまうと、水道業者を呼んでの修理になることもあります。
洗面台の排水管つまりは、早めに対処することが大切。完全に水が流れなくなる前から掃除し、つまりを予防しましょう。
洗面台の排水管の掃除方法
洗面台の排水管掃除の方法を3つ紹介します。
- パイプ洗浄剤を使う掃除方法
- 重曹とクエン酸を使う掃除方法
- 排水トラップを取り外す掃除方法
自宅にある道具を使用し、さっそく試してみてください。
パイプ洗浄剤を使う掃除方法
パイプユニッシュなどの、液体パイプ洗浄剤を使用する掃除方法を紹介します。
- パイプ洗浄剤を排水口に注ぐ
- 15~30分放置する
- 水を流す
可能であればパイプ洗浄剤を排水管に注ぐ前に、まず排水栓を取り外しましょう。洗面台の排水栓を外した方が、そのまま洗浄剤を注ぐよりも充分な効果が期待できます。
ただし排水栓の取り外しが困難な場合は、無理をしないことが大切です。排水口掃除、排水栓の取り外しに関しては後述します。
パイプ洗浄剤は、排水管に沿うようにして注ぐことがポイントです。洗浄剤が排水管の汚れに密着しやすくなります。
パイプ洗浄剤の規定量や放置時間は、商品によって異なります。商品の説明書きを読み、正しく使用しましょう。
最後にパイプ洗浄剤を水で洗い流せば、掃除終了です。
重曹とクエン酸を使う掃除方法
重曹とクエン酸は、洗面台の排水管に溜まった皮脂汚れ、石鹸かすの掃除に有効です。2つを混ぜることで炭酸ガスが発生し、泡が生まれます。この泡によって、汚れを浮き上がらせ落とす効果が期待できます。
詳しい効果についてはこちらの記事で解説していますので気になる方は読んでみてください。
発生する炭酸ガスは人体に悪影響を及ぼすものではありませんが、換気しながら行いましょう。
重曹とクエン酸は人が口にしても問題ないため、安心して使用できます。刺激の強い成分が含まれていないことから、洗剤で肌荒れしやすい方におすすめの洗浄方法です。
キッチン掃除にも使えるため、自宅に常備する洗剤の数を増やしたくない方にもおすすめします。
掃除手順は以下のとおりです。
- 排水管に重曹を振りかける
- クエン酸(酢)・水をかける
- 約10分放置する
- 40~50度のお湯を排水管に流す
排水管に重曹を振りかけ、クエン酸をかけます。クエン酸は酢でも代用可能です。
この上から水をかけると、シュワシュワと泡が発生します。発泡後は約10分放置し、汚れの浮き上がりを待ちましょう。
約10分経過したら、40~50度のお湯を排水管に注ぎ、重曹とクエン酸を洗い流します。掃除のポイントは熱湯を使用しないことです。沸騰するくらい熱いお湯は排水管や洗面台を傷めてしまうため、温度に注意しましょう。
重曹と酢(クエン酸)を使用した掃除方法に関しては、こちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。

排水トラップを取り外す掃除方法
排水トラップとは、排水管の悪臭が室内に入ってこないように、常に水を溜めておく装置です。洗面台だけでなく、キッチンや浴室など、水回りに使用されています。
排水トラップは洗面台の下にある排水管の一部。U字の部分です。排水トラップを外している間は、洗面台が使用できなくなるため注意しましょう。
排水トラップの取り外しは前述したパイプ洗浄剤、重曹とクエン酸を使用した掃除方法よりも複雑なため、難しさを感じた場合は別の方法をおすすめします。
掃除手順は以下のとおりです。
- 水抜きする
- 排水トラップを外す
- 異物・ゴミを除去する
- 排水トラップを洗う
- 排水トラップを取り付けて水を流す
最初に水抜きを行います。水を受けられる容器を下に置き、水抜きコックを開けましょう。
次にU字の上部2ヶ所のナットを外し、排水トラップを取り外しましょう。排水トラップには水が溜まっているため、こぼれないように注意してくださいね。
このとき水が滴ることを考慮し、手の届く範囲に雑巾を準備しておくことをおすすめします。
取り外した排水トラップを、ブラシなどを使用して洗いましょう。キレイになったら、排水トラップを元どおり設置します。最後に洗面台の水を流し、問題なければ掃除終了です。
洗面台の排水管つまりを防ぐには?
洗面台に限らず、排水管つまりを予防するには、日頃からつまりやすいものを流さないように意識することが大切です。
また排水管つまりや汚れが大きなトラブルにつながる前に、定期的な掃除も必要です。
つまりやすいものを流さない
洗面台の排水管がつまりを起こす原因は、前述した髪の毛や固形物の他にもホコリが挙げられます。
洗面所を脱衣所として使用している家庭もあるでしょう。衣類を脱ぎ着する際は、ホコリが舞いやすくなるもの。ホコリもつまりの原因となるため、排水管に流れないように注意しましょう。
定期的に排水口と排水管の掃除をする
洗面台は家族が毎日使用する場所。掃除の頻度が低い場合、皮脂汚れや髪の毛は毎日蓄積していきます。そのため掃除は定期的に行うことが理想です。
しかし、毎日本格的な排水管掃除を行うのは難しいこと。仕事や子育てに追われ、掃除の時間が取れない日もありますよね。
ならば、簡単にできるメンテナンスと手間がかかる排水管掃除を分けてみてはいかがでしょう?
洗面台の理想的な掃除頻度は、以下のとおりです。
- 毎日:ヘアキャッチャーのゴミを取り除く
- 週1回:排水口まわりの掃除
- 月1回:排水管の掃除
たとえば、ヘアキャッチャーのゴミ取りの習慣化。就寝前の歯磨き後など、ヘアキャッチャーのゴミ取りが毎日の行動とひも付けできれば苦に感じにくいですよ。
排水口、排水管の掃除であれば、あらかじめ曜日や日にちを決めておくのもよいですね。
日頃からセルフメンテナンスを行うことで、洗面台の排水管の悪臭やぬめり、つまりが予防できます。
こまめに手入れを続けると、まったく手つかず状態の排水管よりも汚れが溜まりにくくなるため、月1回の掃除もラクになるでしょう。
排水口やオーバーフロー穴の掃除も大切
悪臭やぬめり予防には、排水管だけでなく排水口、オーバーフロー穴の掃除も重要です。
排水口はいわば、排水の入り口。排水管が汚れているのであれば、排水口もキレイにする必要があります。
また洗面台の側面に付いているオーバーフロー穴は、見落としがちな排水口のつまりポイントです。洗面台の清潔を保つのであれば、オーバーフロー穴の掃除もおすすめします。
排水口の掃除方法
重曹、クエン酸を使用する掃除方法を紹介する際にお伝えしたとおり、排水栓を取り外すと、洗浄効果のアップが期待できます。
可能であれば、排水栓を外して排水口を掃除した方がよいでしょう。
排水口掃除の手順は以下のとおりです。
- 排水栓を取り外す
- ゴミを取り除く
- 排水口・排水栓を掃除する
- 排水栓を元どおり設置する
- 水を流す
取り外した排水栓を掃除します。使い古した歯ブラシなどを使用し、排水栓のゴミを取り除きましょう。
排水栓、排水口のぬめりの除去には、バスマジックリンなどの浴室用中性洗剤がおすすめです。
排水栓や排水口にサビが付着している場合は、使用済みの歯ブラシにクリームクレンザーを付け、こすり落とすとよいでしょう。
排水口内に髪の毛がこびりついている場合は、割り箸で絡め取る方法をおすすめします。排水口の中を掃除する際は、歯ブラシや割り箸が排水管に落ちないよう、注意してくださいね。
最後に水で排水栓、排水口を洗い流します。排水栓を元どおり設置し、水が流れることが確認できれば掃除終了です。
排水栓が取り外しが難しい場合は業者に相談する
洗面台の排水栓タイプはおもに以下の3種類です。
- ゴム式:チェーンがついたゴム製の排水栓
- ポップアップ式:レバーを押したり引いたりして開閉する排水栓
- ワンプッシュ式:レバーを押すことで開閉する排水栓
ゴム式の排水栓であればゴムやチェーンを手で掴み、開閉できるため、問題なく取り外しできるかもしれません。
しかしポップアップ式、ワンプッシュ式の場合は仕組みが複雑です。取り外しに難しさを感じることもあるでしょう。
もし排水栓の取り外し、掃除後の取り付けが困難だと感じたときは一度作業を中断し、リクシルやTOTOなど洗面台のメーカー、水回り専門業者に相談することをおすすめします。
ポップアップ式・ワンプッシュ式排水栓の取り外し方法
ポップアップ式、ワンプッシュ式の排水栓は、開栓した状態で栓を掴み、真上に持ち上げると引き抜くことができます。
たとえばリクシルの「てまなし排水栓」の場合は、栓を反時計回りに回しながら上に持ち上げます。「らくとれヘアキャッチャー」の場合は、そのまま上に持ち上げることで取り外し可能です。
もし排水栓が持ち上がらないときは、排水栓に布粘着テープを貼ると外しやすくなります。
ただし排水栓が簡単に取り外しできない場合は、無理に引き抜こうとせず、リクシルやTOTOなどのメーカー、水回り専門業者に相談することをおすすめします。
排水栓の取り外し・取り付けのリスク
ポップアップ式、ワンプッシュ式の排水栓が簡単に取り外しできないのであれば、髪の毛などのゴミが絡み、つまっている可能性があります。
力任せに引き抜こうとした場合は引き抜く際の反動で、排水栓だけでなく排水管、洗面台まで破損する可能性が否めません。
また取り外しができたとしても、排水管掃除後の排水栓の取り付けがうまくいかないことも。取り付けが不十分だった場合は、水漏れやパーツ破損などのリスクがあります。
もし排水栓の取り外しや取り付けがうまくいかない場合は、状況が悪化する前に手を止め、洗面台の排水栓の知識を有するプロに相談しましょう。
オーバーフロー穴の掃除方法
オーバーフロー穴とは、洗面台の側面に付いている穴のこと。洗面台から水が溢れないようにしたり、水が流れる排水口の空気を逃がす役割を担っています。
オーバーフロー穴の内部は通気性が悪く湿気がこもりやすいため、汚れが蓄積している可能性が高い場所です。
オーバーフロー穴の掃除には、洗剤で浸け置きする方法があります。掃除手順は以下のとおりです。
- 洗面台下にある排水トラップを外す
- 排水管パイプに合う栓を取り付ける
- オーバーフロー穴の上まで水を溜める
- 漂白剤・カビ用洗剤を入れ浸け置きする
- 穴のまわりをブラシで掃除する
- 排水パイプの栓を外してバケツに汚水を流す
- 排水トラップを取り付ける
- オーバーフロー穴に水を流す
ワイヤーブラシでオーバーフロー穴を掃除する方法もありますが、洗面台の排水管の構造に関する知識がない場合、無理にワイヤーブラシを差し込むと内部が破損する可能性があるため注意が必要です。
ワイヤーブラシを使用する排水管掃除に関しては、こちらの記事で紹介しています。
1.洗面台下にある排水トラップを外す
オーバーフロー穴の内部は排水管とつながっています。前述した排水トラップを外し排水管パイプを塞ぐことで、下水に続く水の通り道が遮断。穴の中に水が溜まる状態になります。
2.排水管パイプに合う栓を取り付ける
あらかじめ排水管パイプのサイズを調べ、ぴったり合う栓を購入しておきましょう。栓はホームセンターやネット通販で入手可能です。
3.オーバーフロー穴の上まで水を溜める
水がせき止められる状態になったら、排水栓を閉めてオーバーフロー穴の上まで水を溜めます。このとき、洗面台から水が溢れないように注意しましょう。
4.漂白剤・カビ用洗剤入れ浸け置きする
洗面台に水が溜まったら漂白剤やカビ用洗剤を流し入れ、1~2時間放置します。
洗剤を使用する際はゴム手袋を着用し、換気しましょう。
5.穴のまわりをブラシで掃除する
オーバーフロー穴のまわりを掃除します。ブラシなどでこすり、汚れを落としましょう。
6.排水パイプの栓を外してバケツに汚水を流す
浸け置き後は、排水管のパイプの下にバケツを用意し、取り付けた栓を外します。バケツで汚水を受け止めましょう。
このとき、使用するバケツの容量に要注意。サイズが小さなバケツでは、排水管内の水が受け止めきれない可能性があります。
7.排水トラップを取り付ける
バケツで汚水を受け止めた後は、排水トラップを元どおりに設置します。これで洗面台の水が排水管を通り、下水まで流れる状態になります。
8.オーバーフロー穴に水を流す
最後にオーバーフロー穴から水を流し、内部の洗剤を落としましょう。これで掃除は終了です。
排水管の掃除をしてもつまりが解消できない場合は業者に相談
実は、家庭では解消できないつまりや汚れの種類があり、たとえば以下のようなケースです。
- 掃除しても悪臭・つまりが改善できない
- つまりの原因となる異物が見つからない
- 排水栓の取り外しが困難
- 重度のつまり
洗面台の排水管内部は、日常生活の中でチェックすることが難しい場所です。加えて排水管は複雑な構造。専門的な知識がなければ、悪臭やつまりの原因が特定できないことがあります。
もし原因がわからないまま排水管の知識を持たない人が安易に手を出すと、状況が悪化し、大がかりな工事が必要な事態に発展することも。
万が一排水栓だけでなく、排水管まで破損した場合は多額の修理費がかかってしまいます。洗面台が使えない状態になる可能性もないとはいえません。
洗面台の排水管掃除中に少しでも不安を感じたときは、水回りの専門業者に相談することをおすすめします。
水回りの専門業者を選ぶときのポイント
水回りの専門業者を選ぶときに最低限おさえておきたいポイントは、以下の通りです。
- 水道局指定業者である
- 見積もり料金が無料である
- 複数業者に相見積もりを取って比較する
水道局指定業者といわれている指定給水装置工事事業者だと安心して依頼することができます。
以下に、水道局指定で見積もり料金無料のおすすめ業者を表にまとめていますので、参考にまずは公式サイトを確認して相見積もりをしてみてくださいね。
業者 | 水道局指定 | 見積もり | 即日対応 | 作業料金 | 公式サイト |
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◎ | 無料 | 最短20分 | 8,800円~ | 詳細 |
![]() ハウスラボホーム |
◎ | 無料 | 最短20分 | 6,600円~ | 詳細 |
![]() 水110番 |
◎ | 無料 | 最短30分 | 8,800円~ | 詳細 |
各市区町村の水道局から、給水装置工事・排水設備工事を法律法令に基づいてその市区町村内で適正に施工することができる水道業者として認められています。
※水道局指定業者はお住いの市区町村の水道局指定かご確認ください。
※対応エリアは一部市区町村を除く場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください。
まとめ
洗面台の排水管トラブルを未然に防ぐのなら、定期的な掃除が有効です。ヘアキャッチャーに溜まったゴミ取りを習慣化するだけでも、何もしないときより悪臭、つまりが予防できます。
排水管の軽度なつまりや汚れであれば、自分で解決可能です。
ただトラブルの原因によっては、専門業者に依頼することも視野に入れましょう。なかにはプロにしか見抜けない原因があるかもしれません。
もし「自分では対処が難しいかもしれない」と感じたときは、排水管トラブルのプロに相談してみてはいかがでしょうか?
相談や見積もりを無料で行っている業者なら、安心して連絡できます。大きなトラブルに発展する前に、プロの目で見定めてもらってもよいでしょう。
洗面台の排水管トラブルは、状況を見定めて適切な掃除方法を実施することが大切です。紹介した掃除方法を取り入れつつ、必要に応じて専門業者に頼りながら洗面台の清潔を維持しましょう。
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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