排水管のつまりはワイヤーブラシで解消できる?
排水管のつまりは、ワイヤーブラシで解消可能です。ワイヤーブラシは、排水管に水が流れなくなったときに使われます。市販で手軽に入手しやすい道具です。軽度な汚れによるつまりであれば、ワイヤーブラシで改善できる可能性が高いでしょう。
しかし排水管の状況によっては、ワイヤーブラシの使用をおすすめできないケースがあります。排水管のつまりが解消できないばかりか、状況が悪化する危険性があるのです。この場合は、水回りの専門業者に依頼することをおすすめします。
ワイヤーブラシが有効なケース|軽度なサビ・汚れ
排水管のつまりがひどい状態でなければ、市販のワイヤーブラシが有効といえます。
たとえば、つまりの原因が手前にあり、排水管を上から覗き込んだときに確認できるケース。排水管のつまりが軽度なサビ・汚れによるものであればワイヤーブラシで対処可能です。
ワイヤーブラシで解決が難しいケース
排水管のつまりは、ワイヤーブラシで解消できないケースがあります。
たとえば以下のような汚れです。
- 蓄積した油のかたまり
- 水に溶けない固形物(ヘアピンなどの小物など)
- 吸水性のある素材(生理用品・ペット用品など)
上記のものが原因となり、排水管がつまっている場合は、ワイヤーブラシでつまりを解消することが難しいでしょう。
長い年月によって蓄積した油のかたまりは、頑固な汚れ。取り除くには、高圧洗浄によって砕く作業が必要になることがあります。
また固形物、吸水性のある素材は、直接取り出さなければつまりが解消できません。無理にブラシを押し込むと、つまりの原因が奥へと移動し、さらにつまりが生じる危険性があります。
頑固な汚れや固形物のほか、つまりの原因が特定できない場合は、水回り業者への依頼をおすすめします。
選択ミスを避けよう!ワイヤーブラシ選びのポイント3つ
ワイヤーブラシ購入の際は、品番やサイズなどを確認し、家庭の排水管に適したものを選びましょう。「購入したワイヤーブラシのサイズが合わなかった」という失敗を避けるためのポイントを紹介します。
ワイヤーブラシ選びのポイントは以下の3つです。
- 長さ
- 太さ
- 強度
ワイヤーブラシは、排水管のつまりまで届く長さのものを選びましょう。仮に1m前後の長さのワイヤーブラシを選んだ場合は、排水管の手前までしか進みません。排水管のどこがつまっているのかわからない場合は、長めのワイヤーブラシを選ぶとよいでしょう。
ワイヤーの太さも重要です。「先端部分が大きくて、排水管に差し込めない」という事態を避けるために、あらかじめ排水管の入り口の幅を確認しておきましょう。
また排水管の内部は直線ではなく、カーブがあるものです。強度が低いワイヤーブラシは、カーブを曲がる際にワイヤーが折れてしまう可能性があります。
ワイヤーブラシの一部が排水管の中に取り残されると、新たなつまりの原因が生じることもあるため、頑丈なものを選ぶと安心です。
ワイヤーブラシの種類|家庭用・業務用
ワイヤーブラシの種類は、大きく分けて2つ。家庭用と業務用があります。
以下の表は、家庭用と業務用のワイヤーブラシの特徴をまとめたものです。
ワイヤーブラシの種類 | 特徴 | ワイヤーの長さ | 価格相場 |
---|---|---|---|
家庭用ワイヤーブラシ | ・収納しやすい ・片付けが簡単 |
1m~10m | 2,000~3,000円前後 |
業務用ワイヤーブラシ | ・ワイヤーが太い ・作りが頑丈 |
15m~30m | 1~30万円前後 |
ワイヤーブラシにはさまざまな呼び名があり、ワイヤードレンクリーナー、ドレンブラシと呼ばれることがあります。ドレンとは排水のことです。この記事では、名前をワイヤーブラシに統一して紹介します。
家庭用ワイヤーブラシ
家庭用のワイヤーブラシは、くわしい水回りの知識を持っていなくても簡単に使用できる作りになっています。料金相場は2,000~3,000円。ワイヤーの長さは1~10mのものが一般的です。
しかし家庭用のものはワイヤー部分が頑丈にできていないため、頑固にこびりついている場合はうまく汚れを落とせない可能性があります。
また家庭用のワイヤーブラシには、先端の形状が異なるらせんタイプとブラシタイプがあります。排水管のつまり解消に有効なものはらせんタイプです。
購入の際は間違えないように気をつけましょう。
先端らせん|排水管のつまりに有効
排水管のつまりに有効なワイヤーブラシは、らせんタイプです。先端がバネのようにらせん状になっているものを選びましょう。
排水管にこびりついたつまりの原因を削り取ることが可能です。
先端ブラシ|排水管の清掃に有効
先端ブラシは排水管の清掃に活用できますが、つまりの解消には不向きです。完全に固まっている汚れを排除するには、効果が期待できません。
先端ブラシ式のワイヤーブラシは、日頃の掃除に使用することをおすすめします。
業務用ワイヤーブラシ(トーラー)
業務用ワイヤーブラシは、耐久性や操作性が高いことが特徴です。飲食店や宿泊施設などで使われることが多く、効率的に頑固なこびりつきを削り取ることができるでしょう。
しかし業務用ワイヤーブラシは、家庭用と比較して価格が高額です。手動ハンドルのワイヤーブラシは、安価なものだとしても1万円ほど。電動式の場合は3~30万円が相場です。威力のあるものは30万円以上するものあります。
また家庭用のワイヤーブラシよりも大きいため、収納スペースが必要です。自宅の排水管つまりを解消する目的で購入するのであれば、家庭用ワイヤーブラシを選ぶとよいでしょう。
ワイヤーブラシの入手先
ワイヤーブラシのおもな入手先は、以下の場所です。
- ホームセンター
- 100均
- ネットショップ
カインズホームやコメリ、コーナンなどのホームセンターで販売されています。ホームセンターであれば、種類が豊富です。家庭の排水管に合うサイズのワイヤーブラシが見つかる確率が高いでしょう。実際に手に取れるため、長さや太さがわかりやすいでしょう。
ワイヤーブラシはダイソーやキャンドゥ、セリアなどの100均でも購入可能です。ただし100均はホームセンターと比較して種類が少なく、排水管のサイズが合わなかったり、ブラシが短かったりするため、注意が必要です。
ネットショップは値段、種類が豊富。家庭の排水管に合うサイズのワイヤーブラシが見つかる確率が高いでしょう。商品の説明をよく読み、ワイヤーブラシの長さや太さを確認してから購入するとよいですよ。
ワイヤーブラシ使用前の準備
ワイヤーブラシの使用前に用意するものは、以下のとおりです。
- ワイヤーブラシ
- 新聞紙
- 雑巾・タオル
- ビニール・ゴム手袋
新聞紙は養生に使用します。壁や床などに、ワイヤーブラシの汚れの飛び跳ね防止に役立ちます。洗面所であれば、鏡も新聞紙で覆いましょう。
説明書を読みながら、ワイヤーブラシを組み立てます。
作業前には、ビニールやゴム素材の手袋の着用がおすすめ。排水管の汚れが手に付くことを防止できます。指のもたつきがないぴったりサイズの手袋であれば、ワイヤーを操作しやすいですよ。
雑巾・タオルは、排水管からワイヤーブラシを回収する際に使用します。回収と同時にワイヤーブラシの汚れを落とすために、すぐ手に取れる場所に置いておきましょう。
排水管のつまりを解消!ワイヤーブラシ使用の手順
ワイヤーブラシの使用方法、手順は以下のとおりです。
- 排水口にワイヤーブラシを差し込む
- ワイヤーブラシを動かして汚れを落とす
- ワイヤーブラシを回収する
- 水を流してつまりの解消をチェックする
さっそく実践してみましょう。
1.排水口にワイヤーブラシを差し込む
まず排水トラップ、ゴミ受けなどを取り外し、ワイヤーブラシを排水管に差し込みます。ワイヤーがつきあたるまで、奥へと進めましょう。
カーブに突き当たり、ワイヤーが進まなくなったらグリップを回します。無理に力を加えると、排水管を傷つけたりワイヤーブラシが折れたりする可能性があるため、ゆっくりと慎重に作業しましょう。
2.ワイヤーブラシを動かして汚れを落とす
ワイヤーブラシが進まなくなったら、汚れに行き着いたサインです。グリップを回したり、上下に動かしたりしてつまりの原因にアプローチします。
少しずつ排水管の汚れを削り、つまりが取れるまで繰り返しましょう。
3.ワイヤーブラシを回収する
排水管のつまりが解消された後は、ワイヤーブラシを引き上げて回収しましょう。
回収のポイントは、ワイヤーブラシをゆっくりと引き上げること。勢いよく引っ張ると、ワイヤーブラシに付いた汚れが周囲に飛び散る可能性があります。
用意しておいた雑巾・タオルを当て、静かにワイヤーを引き上げましょう。
4.水を流してつまりの解消をチェックする
水を流し、排水管のつまりが改善されたかどうかチェックしましょう。
ポイントは少しずつ水を流すことです。万が一つまりが解消されていなかった場合、排水管から水が溢れてしまいます。
もしワイヤーブラシで排水管のつまりが解消されない場合は、業者に相談することをおすすめします。
ワイヤーブラシ使用後の手入れ・保管方法
使用後のワイヤーブラシは、汚れたままにしておくと錆びやすくなります。
せっかく購入したワイヤーブラシが、1回きりしか使えない状態になるのはもったいないですね。使用後のワイヤーブラシはしっかりと手入れし、保管しておきましょう。
使用後のワイヤーブラシの手入れ手順、方法は以下のとおりです。
- 水拭きする
- 乾燥させる
- 防錆潤滑剤を塗布
- 新聞紙に包む
- ビニール袋に入れる
使用後のワイヤーブラシは水拭きし、汚れを取ることが大切です。汚れを取り除き、乾燥させたあとは、スプレー式の防錆潤滑剤の使用をおすすめします。
新聞紙に包んだワイヤーブラシをビニール袋に入れ、なるべく酸素に触れないようにすることで錆びにくくなります。次回の使用に備えてサビを予防し、湿気の少ない場所で保管しましょう。
ワイヤーブラシを使用するリスク・注意点
ワイヤーブラシはシンプルな作りですが、操作が難しいもの。排水管のつまりが奥にある場合は、長さがあってもアプローチできない可能性があります。
またワイヤーブラシの先端がつまりの原因を奥へと押し込み、状況が悪化することも考えられるでしょう。
排水管の素材によっては、ワイヤーブラシの使用が破損の原因になることもあるため、注意が必要です。
ワイヤーブラシが汚れまで届かないことがある
排水管の内部はカーブがあり、入り組んだ設計になっています。つまりの原因が排水管のカーブの奥にある場合は、ワイヤーブラシの先端が汚れまで届きにくいのです。
仮につまりの原因まで到達できたとしても、汚れが頑固にこびりついている場合は、ワイヤーブラシで完全に汚れを除去することが難しいでしょう。
無理に奥へと差し込み、「ワイヤーブラシが抜けなくなる」というトラブルが生じることもあります。排水管つまりの作業が難しいと感じたときは、引き際を見極めることも大切です。
つまりの原因が奥に移動する
ワイヤーブラシの先端が、排水管のつまりを奥に押し込んでしまうケースです。汚れによって水の通り道が完全にふさがれ、状況が悪化する可能性が考えられます。
万が一ワイヤーブラシを使用後に水の流れが悪くなった場合は、自分で解決しようとせず、専門業者に連絡しましょう。
素材によっては破損の原因になる
賃貸住宅の排水管には、塩ビ管(塩化ビニル樹脂で作られた配管)が使われることが多いもの。ビニール素材の蛇腹のホースは傷つきやすいため、ワイヤーブラシの使用は控えましょう。
万が一ホースに穴が開くと、大がかりな工事に発展。状況が悪化すると、最終的にかかる費用が大きく膨らみます。
排水管にアキレスジョイント(ゴム製の蛇腹管)が使われている場合も、注意が必要です。ワイヤーブラシを使用することで、傷がつく可能性は否定できません。
ワイヤーブラシを使用する際は排水管の素材を確認し、くれぐれも慎重に作業を行いましょう。
排水管トラブルは専門業者に頼ることも選択肢の1つ
「排水管のつまりくらいで、業者を呼ぶだなんておおげさだ」と感じていませんか?水が流れず、水道が使えない状態では、家族が快適に生活を送ることができません。
前述のとおり、ワイヤーブラシの扱いにはコツがあります。一般の人が自在に操作するのは難しいものです。「労力を費やして作業したのに、つまりが改善されない」という状況になることも考えられます。
自分で排水管のつまり解消が難しいと判断した時点で、業者に相談することを検討しましょう。
専門業者への依頼をおすすめするケース
以下のような排水管のつまりが起こったときは、専門業者に相談することをおすすめします。
- 固形物が落下した
- つまっている場所が特定できない
- 水がまったく流れない
前述したとおり、つまりの原因が固形物の場合は取り除く作業が必要です。つまりの場所、原因が特定できないまま、ワイヤーブラシを差し込むことも、状況の悪化を招く危険性があります。
キッチンや洗面所などに水が溜まり、まったく流れない場合も同様です。ワイヤーブラシでつまりが解消されないのであれば、水回りトラブルのプロに任せた方が得策といえるでしょう。
賃貸物件・集合住宅の場合は管理会社に連絡する
賃貸物件、集合住宅などにお住まいの方は、専門業者を手配する前に管理会社や大家さんへ連絡しましょう。
集合住宅の排水管は各住戸につながっており、他の部屋に影響を及ぼす可能性があります。つまりの原因に心当たりがない場合は、他の住戸からの影響、物件の老朽化なども考えられるでしょう。
万が一階下の住戸に水漏れが生じた場合は、損害賠償トラブルに発展することも否定できません。こうなると自宅だけの問題ではないため、管理会社、大家さんが事態を把握する必要があります。
また管理会社によっては、指定の業者が決まっていることがあります。
自己判断で勝手に業者を手配すると、管理側はどのような修理を行ったのか把握できません。万が一修理業者の作業に不備があった場合、管理側とのトラブルが生じることもあるのです。
排水管がつまり、水が流れない状況は焦りがちになるものですが、一度冷静になって管理側に連絡することをおすすめします。
業者に依頼する際には下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
軽度なサビや汚れが原因となっている排水管のつまりのなら、手軽に入手しやすいワイヤーブラシで解消可能です。しかし確実につまりが改善されるとは限りません。
状況によってはワイヤーブラシを使用しても、排水管のつまりが改善できない可能性があります。ワイヤーブラシを使用することで、さらなるトラブルを引き起こすリスクもあるため、注意が必要です。
ワイヤーブラシを用いた対処法に限界を感じた際は、無理せず業者に連絡しましょう。豊富な知識と経験を持ち合わせた専門業者は、水回りトラブルのプロ。家庭の排水管つまりを解決に導いてくれます。
排水管つまりは早めに解消し、安心できる生活を取り戻しましょう。
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