マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」は、デスクトップもノートPCも多彩なラインナップをそろえているが、その中でヘビーゲーマー向けのハイエンドデスクトップとして君臨するのが「G-Tune XP-Z」だ。最新モデルでは、CPUにIntel最新の第13世代Coreから「Core i7-13700KF」、グラフィックスカードにNVIDIAの最上位GPU「GeForce RTX 4090」を採用と、4K解像度でレイトレーシングを有効にしても余裕でゲームをプレイできるパワーを実現。早速レビューをお届けしよう。
「G-Tune XP-Z」はゲーミングPCとして最高クラスの性能を持ち、大型のPCケースによって、それを安心して運用できることが最大の魅力といえる。まずは、標準モデルにおける基本スペックを見てみよう。
CPUは、Intel最新世代となる第13世代Coreの「Core i7-13700KF」だ。性能重視のPコアを8基、効率重視のEコアを8基備え、合計16コア24スレッドを実現しているハイエンドモデル。最大クロックは5.4GHzに達し、マルチスレッド、シングルスレッドのどちらにも強く、アプリを選ばず、高い性能を発揮できる。
グラフィックスカードには、NVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 40」シリーズの最上位モデル「GeForce RTX 4090」搭載モデルを採用。新アーキテクチャ「Ada Lovelace」によって、前世代に比べ、基本性能、レイトレーシング性能、深層学習性能のすべてを大幅に底上げしたモンスターGPUだ。描画負荷が強烈に高いレイトレーシングをゴリゴリに効かせても、4K解像度で滑らかな描画が可能。より高解像度で、より美しく、より滑らかな描画でゲームを楽しみたい人にとっては、現在では最良の存在といえる。その分、カード単体で最大450Wと消費電力も強烈になっているが……。
なお、GeForce RTX 4090は2基のNVENC(ハードウェアエンコーダー)を備え、その2基を同時に使用した超高速な動画エンコードに対応。また、高圧縮でも高い画質が維持できる注目のAV1コーデックでのハードウェアエンコードもサポートと、ゲームの配信や動画の編集にも強い。本機の高い基本スペックと相まって、クリエイティブ用途にも向くPCといえる。
そのほかのスペックは、メモリがDDR5-4400を32GB×2枚搭載で合計64GBとゲームをプレイするのにまったく不足のない容量。ストレージはPCI Express 4.0 x4接続で2TBのNVMe SSDと4TBのHDDという2台構成だ。最近は必要な容量が100GBを超えるゲームもあるが、これだけの容量が確保されていれば、当分困ることはないだろう。また、光学ドライブとしてスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブも搭載されている。
なお、カスタマイズしての注文にも対応しており、メモリを128GBに容量アップ、SSDをより高速なタイプに変更、NVMe SSDをもう1枚追加、HDDの容量を8TBに変更などが可能となっている。ユニークなのが、側面を強化ガラスに変更して中を見えるようにしたライトスモーク強化ガラス仕様と、さらにLEDファンまで搭載した"映える"構成も用意されていること。性能だけではなく、見た目にもこだわれる。
次はPCケースとその内部に目を向けよう。サイズはW215×D490×H481mmのタワー型だ。幅と奥行きがあるだけに、ハイエンド構成でも内部にはゆとりがあり、エアフローはバッチリ確保されている。CPUクーラーは360mmクラスのラジエーターを備える大型の簡易水冷を搭載。NVMe SSDには大型のヒートシンクが装着されており、熱対策は万全だ。
グラフィックスカードは、カード長322mm、重量1675gと巨大で重いが、サポートステイでPCケースにガッチリと固定されている。これなら、運搬や設置の際も安心といえるだろう。なお、電源は1000W出力と強力なもので、カード単体で450Wに達するRTX 4090の運用もまったく問題ない。
最新ゲームの4K&最高画質設定でも、滑らか描画が可能なモンスター性能
ここからは、実際の性能をチェックしていこう。今回は比較対象として「G-Tune XP-Z」の前モデルを用意。CPUはCore i9-12900K、グラフィックスカードはGeForce RTX 3090、メモリはDDR4-3200が32GB、ストレージには1TBのNVMe SSDと4TBのHDDを搭載している。CPU、グラフィックスカードとも世代交代したことで、どこまで性能が変わったかに注目したい。なお、CPUのパワーリミットについては、最新モデルはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が253Wに、前モデルはLong Duratin Power Limit(PL1)が125W、Short Duratin Power Limit(PL2)が241Wに設定されていた。
まずは、CGレンダリングでシンプルにCPUパワーを測る「CINEBENCH R23」から見ていこう。グラフィックスカードの性能は影響しないので、CPU性能の差がわかる。
最新モデルに搭載されているCore i7-13700KFは、第13世代Coreの最上位モデルではないものの、16コア24スレッドとグレード的には上となる第12世代のCore i9-12900Kの16コア24スレッドと同じ。同じコア数でありながら、マルチコア、シングルコアのテストともCore i7-13700KFのほうが上。第13世代Coreは、第12世代Coreと同じIntel 7プロセスの製造だが、さまざまな改良を加えることで性能向上を果たしているというのがよくわかる結果だ。
続いて、実ゲームを試そう。定番のFPSとして「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」から実行する。「レインボーシックス シージ」はゲーム内のベンチマーク機能を使用、「Apex Legends」はトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。
「レインボーシックス シージ」は4K解像度では、前世代に比べて約1.7倍のフレームレートを出している。Core i9-12900とGeForce RTX 3090というのは、前世代としては最高クラスの組み合わせであり、いかに最新モデルの性能が高いのかがよくわかる。ちなみに、最新モデルのフルHDとWQHDでフレームレートにほとんど差がない。これは、フルHD解像度ではグラフィックスカードの性能が高すぎてCPUがボトルネックになっていると考えられる。
「Apex Legends」は、フレームレート制限を解除するコマンドを使っても最大300fpsまでしか出ないゲームだ。最新モデルでは、どの解像度でもほぼ最大fpsに到達。「Apex Legends」クラスの負荷ならば、4Kかつ最高画質設定でもまったく苦にすることなく、高いフレームレートを出せるのには驚かされる。
次は、最近のゲームから「オーバーウォッチ 2」と「Call of Duty: Modern Warfare 2」を試そう。「オーバーウォッチ 2」はbotマッチを観戦した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定、「Call of Duty: Modern Warfare 2」はゲーム内のベンチマーク機能を使用した。
「オーバーウォッチ 2」は画質のプリセットを最上位のエピックに設定しても、最新モデルならば4Kでも平均197.8fps。4Kでリフレッシュレート144Hzのゲーミング液晶と組み合わせても、その液晶性能を十分いかせるだけのフレームレートを出せている。前モデルに比べて約1.8倍のフレームレートで世代間の性能差も大きい。
「Call of Duty: Modern Warfare 2」は、美麗なグラフィックスで描画負荷の高いゲームだが、描画負荷を軽減するアップスケーラーの「DLSS」を使うことで、画質プリセットを最高の極限に設定しても、4Kで平均195fpsと高いフレームレートを出せる。前モデルとの性能差も、ほかのゲームと同じ傾向だ。
最後は、レイトレーシングとRTX 40シリーズのみが利用できる"DLSS 3"に対応するベータ版の「サイバーパンク2077」を試そう。DLSS 3は従来のアップスケール技術に、AIによるフレーム生成を追加し、より高いフレームレートを出せるようにしたもの。テストは最高画質設定の「レイトレーシング:ウルトラ」をベースに、レイトレーシングライティング設定を最も高い「サイコ」にし、ゲーム内のベンチマーク機能を実行した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。「CapFrameX」を使っているのは、ゲーム内のベンチマーク機能では、フレーム生成された部分のフレームレートを計測できないためだ。
前モデルに搭載されているRTX 3090はDLSS 2までの対応で、フレーム生成は利用できない。そのため、DLSSを使用したときのフレームレートの差は、ほかのゲームよりも大きくなる。4K解像度では約2.6倍も最新モデルのほうがフレームレートは高い。4Kで平均141.2fpsと、最高画質かつレイトレーシングを一番重くなる設定で動作させても、滑らかな描画が可能なのは最新モデルの凄まじい性能の高さを物語っている。
これだけの高性能ゆえに、気になるのがシステム全体の消費電力だ。OS起動10分後のアイドル時、「3DMark-Time Spy」実行時の最大値と「サイバーパンク2077」実行時の最大値を測定した。電力計にはラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用している。
CPUだけに強烈な負荷がかかる「CINEBENCH R23」では、同じコア数でMTP(消費電力の目安)が近いこともあって、大きな差はなかった。その一方で、CPUとグラフィックスカードの両方に負荷がかかる「サイバーパンク2077」のプレイ時は、最新モデルのほうが約1.15倍消費電力が高くなっている。とはいえ、ゲームによっては性能差が2倍以上あるので、ワットパフォーマンスで見た場合は最新モデルのほうが上だ。
最後に3DMarkのStressTest(Time Spy)を10分間実行したときの、CPUとグラフィックスカード(GPU)の温度を、システム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は21℃だ。
CPUとGPUの両方に大きな負荷がかかるテストだが、CPUは最大62℃、GPUは最大67.4℃とハイエンド構成としてはまったく高くない温度といってよい。360mmの大型簡易水冷クーラーやPCケースのエアフローが有効に働いている結果だろう。これなら、長時間のゲームプレイでも安心だ。
性能に妥協したくないヘビーゲーマーに最良の一台
「G-Tune XP-Z」は、フルHDやWQHDなら強烈に高いフレームレートを出し、4Kでも重量級ゲームを最高画質で快適にプレイできる。360Hzなど超高リフレッシュレート液晶と組み合わせて、FPS/TPSでのフレームレートを追求したいゲーマーも、オープンワールドゲームなどで美麗なグラフィックスの滑らかな描画を追い求めたいディテール派も満足できる一台だ。マウスコンピューターは24時間365日の手厚いサポートもあり、ゲーマーだけどPCには詳しくないという人も安心。現在最強クラスのゲーミングPCが欲しいなら、ぜひともチェックしてほしい。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | G-Tune XP-Z |
ディスプレイ | - |
CPU | Intel Core i7-13700KF プロセッサー |
メモリ | 64GB DDR5-4400 DIMM |
M.2 SSD | 2TB(NVMe Gen4×4) |
HDD | 4TB |
チップセット | Intel Z790チップセット |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(スロットイン) |
グラフィックス | GeForce RTX 4090 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
インタフェース | USB 3.2(背面 Type-C×1)、USB 3.0×6(前面 Type-A×2、背面 Type-A×4)、USB 2.0×4(前面 Type-A×2、背面 Type-A×2) |
サイズ | 本体約W215×D490×H481mm |
重量 | 約19.7kg |
価格 | 679,800円(税込)~ |
上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。
価格・構成については、2022/12/8(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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