美しいだけじゃなく使い勝手にも優れる「Creator Z16」
国内発売日は未定となるが、先行してサンプルを借りることができたので実機を見ていこう。「Creator Z16」は名前からも分かるようにクリエイティブ市場向けに開発されたノートPCだ。16型液晶ディスプレイを採用しながら厚みが15.9mm(ゴム足を含む実測値:16.18mm)しかなく、重量も約2.2kgに抑えられている。モバイル用途を想定した製品ではないが、いざとなればカバンに入れて持ち運ぶことも可能なサイズ感だ。
ボディはアルミ削り出しで作られており、薄く軽いながらも剛性は高い。表面は美しい梨地処理が施され、指紋や汚れが目立ちにくくなっている。ボディカラーはシルバーとダークグレイの中間のようなルナグレイが採用されており、クールで落ち着いた雰囲気。
製品の象徴であるドラゴンのエンブレムは、天板にレーザー加工で控えめにあしらわれている。
ディスプレイは、タッチスクリーンに対応した16型のQHD+(2560×1600ピクセル )液晶パネルが採用されている。注目したいのは、その画面比率。一般的なPCのディスプレイは16:9の比率を採用しているが、本製品は黄金比に近い16:10になっている。そのため表示領域が縦方向に11%ほど広く、より多くの情報を一度に見渡すことが可能だ。
実際に使ってみて、その恩恵をまず感じたのがWebブラウジングのとき。縦に長いページの一覧性が高まるため、記事の内容がつかみやすくスクロール頻度も減らすことができた。またPhotoshopやPremiere Proのような写真・動画編集ソフトも、通常だと隠れてしまうパネルが視認しやすく作業がはかどった。
液晶パネルの品質も高く、デジタルシネマ向けの色空間であるDCI-P3 100%相当の広色域を実現している。そのため色にシビアなプロレベルの動画編集も高精度に行えるのが嬉しい。工場出荷時の色調整で色差がデルタE 2未満に抑えられており、購入した状態で正確な色表示が可能なのも評価できる点。
まさに「Creator」の名に恥じない高品質な液晶ディスプレイと言えるだろう。
もちろん基本性能もハイレベル。CPUは最新の第11世代インテルCoreプロセッサーが採用されており、従来比で最大40%も性能がアップ。またグラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 30シリーズが搭載されており、従来のRTX 20シリーズに比べて最大2倍の3Dレンダリング性能を実現している。
こうした高性能なプロセッサーやグラフィックスを搭載するためか、本体の背面や側面、底面には随所に通気口が設けられている。
冷却効率はかなり高いようで、実際に負荷のかかる処理を実行しても動作は安定していた。
このほか、本製品はWi-Fi 6の拡張版であるWi-Fi 6Eにいち早く対応しているのも特徴の一つ。国内で対応ルーターが発売されれば、従来の2.4GHz、5GHzに加えてより幅広い周波数帯である6GHz帯が使用できるようになるため、これまで以上に高速で安定した通信が期待できるはずだ。