そろそろG-Tune EP-Zの性能検証に入ろう。まずは基礎体力測定としてCPUパワーを見る「CINEBENCH R20」、グラフィックスパワーを見る「3DMark」、ストレージの読み書き速度を見る「CrystalDiskMark」をそれぞれ回してみた。今回は比較対象のPCを設けないので、自分のPCのスコアと比較してみるといいだろう。

  • 「CINEBENCH R20」のスコア

  • 「3DMark」のスコア。RTX 3080なのでDXR(レイトレーシング)を使う"Port Royal"のスコアも高い

  • 「CrystalDiskMark」による、SSDの読み書き速度。PCI-Express Gen3接続としては一般的な値だが、今のゲームの作り方ではこれ以上SSDの速度を上げても、ゲーム待ち時間の短縮には貢献できないことも多いので、費用対効果重視といったところだ

  • 同じくHDDの読み書き速度。あまり遊ばないゲームや写真・動画の保存用になら使えるといったところだ

CPUとストレージに関しては、本機搭載品より高速なもの(Core i9-10900KやPCI-Express Gen4のSSD)はあるが、ゲームの性能差は大きくない、あるいは体感できないということのほうが多い。RTX 3080の性能を十全に引き出せるスペックに調整してあるといえるだろう。

「Rainbow Six Siege」では最高のゲーミング液晶にもスペック負けしない性能

では実ゲームベースでの性能検証に入ろう。基礎体力測定と同様に比較対象を設けないかわりに、解像度別(フルHD:1,920×1,080ドット、WQHD:2,560×1,440ドット、4K:3,840×2,160ドット)のデータを比較する。

まずは軽めのゲーム「Rainbow Six Siege」から始めよう。ゲーム起動時にAPIを選択できるが、今回はよりメニーコアCPUとハイパワーGPUに向いている"Vulkan"モードを選択した。画質は"最高"とし、レンダースケールを100%に固定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測した。

  • 「Rainbow Six Siege」Vulkanモード時における解像度別フレームレート

  • フルHD&画質"最高"+レンダースケール100%設定でのフレームレートの例(左上の数値)。マップは"海岸線"のプールサイドを使った

Rainbow Six SiegeではフルHD時で平均450fpsを超え、4Kでも平均170fpsを超えてきた。今(から年末にかけて)手に入る最速の液晶が、フルHDだとリフレッシュレートが360Hz(=360fpsまで追従可能)、4Kだと144Hzなので、最高のゲーミング液晶の性能を使い切っても、なお余裕があるパワーといえるだろう。特に今後流通すると思われる、リフレッシュレート360Hzの超高速ゲーミング液晶とRTX 3080の組み合わせは、Rainbow Six Siegeのプレイにおいて絶大なアドバンテージになるはずだ。

「Apex Legends」は見えないフレームレート制限に阻まれる

続いては人気の「Apex Legends」でも試してみよう。画質は最高画質設定とし、射撃練習場において特定のコースと行動を取ったときのフレームレートを「CapFrameX」で測定した。Apex Legendsは何もしないと144fpsで頭打ちになるため、起動オプションでフレームレート制限を解除(+max_fps unlimited)している。

  • 「Apex Legends」の解像度別フレームレート

  • 遠くが見通せて、砂ぼこりが舞うこのシーンではだいたい240fps前後。CPUの各コアは4.7GHz弱で動いていることがわかる
    © 2020 Electronic Arts Inc.

  • 砂ぼこりがないシーンだと300fps。Apex Legendsのフレームレート制限を解除しても、これ以上は観測できなかった

Rainbow Six Siegeよりもフレームレートはかなり下になるが、それでもフルHD時で平均280fps弱、WQHDでも240fpsまで出すことができる。最低fps(の下位1パーセンタイル点)が大きく落ち込んでいるが、これはベンチマーク時にバンガロールのスモークを目の前に展開し、その中に入るという行動を必ずとっているため。スモークやガスの中に突入してもRTX 3080なら十分なフレームレートを維持できるのだ。

  • スモークの中に入るとフレームレートは大きく下がる。Apex Legendsに限らず煙の表現が重いゲームは多いが、RTX 3080のパワーで押し切るのが正解だ