次に重量級ゲームである「Horizon Zero Dawn」で試してみよう。画質は"最高画質"とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測した。

  • 「Horizon Zero Dawn」解像度別のフレームレート

  • フルHD&最高画質だと、このシーンでは130fps前後

  • 4K&最高画質でも60fpsは超える。プレイヤーキャラが転がっているのは、スクリーンショットのホットキーと回避のキーが被っているためだ(反省)

最低fpsがとても低い値になっているのはゲーム側の問題であって、RTX 3080に原因はない。フルHDならリフレッシュレート144Hzの液晶で十分表示しきれるだろう。4Kでも平均60fpsを大きく超えているのはさすがだ。

DXRもDLSS併用でより快適になる「Control」

ゲーム検証の最後は、RTX 3080の機能をフルに使うことのできる「Control」で検証してみよう。画質設定はプリセットの"高"にレイトレーシング(DXR)の"高"設定を組み合わせたものを基準とし、さらにDLSSの有無も検証する。ControlのDLSS設定は内部解像度で指定する、わかりにくいスタイルだが、内部解像度を一番高く設定した(一般的なDLSS 2.0の実装におけるQuality設定)。

  • 「Control」DXRあり、解像度別のフレームレート

  • 4K+最高画質でDLSSなしだと20fps以下になることも珍しくない。DXRをオフにすればかなりマシになるが、RTX 3080を使ってDXRを無効にする意味があるだろうか(反語)

  • DLSSを使えば最高画質設定でもこの通り。残念ながら60fpsキープまではいかないが、Controlの不気味な映像美をフルに堪能しつつ、バトルシーンも快適に遊ぶことができる

さすがに最高画質+DXRの最高設定だとフルHDでも60fpsキープがやっとだが、現時点でこれを超えることのできるGPUはRTX 3090のみ。そのRTX 3090をもってしてもゲームではRTX 3080と大差ない(詳しく知りたい方は本誌掲載の大原氏の記事へ)。これを考えると、本機のスペックは現時点の超重量ゲームに対抗するうえで、上を見過ぎずかつ投資が効果的にいかせるところを狙ったものといえるだろう。

だがControlはDLSSを使うことでさらに化ける。DLSSで低い解像度から鮮明な高解像度の映像を生成するため、DLSSなしではまともに動けない4K解像度でも、DLSSを使えば十分プレイアブルになるのだ。

長時間ゲームをしても安心の冷却性能

最後にゲーム(Horizon Zero Dawn)をプレイしたまま、約30分放置したときのCPUとGPUの温度の推移を見てみよう。室温は約27℃で、温度計測は「HWiNFO」を使用した。CPU温度はCPUのパッケージ温度を代表値として採用している。

  • ゲーム中のCPUおよびGPU温度の推移

AIO水冷を使っているだけあって、温度は62~63℃、GPUはもう少し高く73~74℃あたりで頭打ちとなった。RTX 3080は高性能なぶん消費電力も発熱量も多いが、本機に採用されているMSI製3連ファンクーラーの冷却能力は高く、さらにPCケースの排熱も悪くない。これなら真夏でも安心してゲームに没頭できそうだ。ただ前述の通り、今回の試用機は(写真映えを考慮してか)サイドが強化ガラスになっていたが、標準構成では通気口付きのスチールパネルになっている。つまり標準構成のほうが若干通気性が良く、温度もさらに(とはいえ1~2℃だろうが)下がる可能性もあることは知っておきたい。

RTX 3080のパワーを手軽に戦力化したい人のためのPCだが、ディスプレイには注意

RTX 3080の性能を十全に引き出すゲーミングPCを自作するには、それなりの知識と覚悟が必要だが、G-Tune EP-Zなら、どちらも不要で即戦力として手に入れることができる。実ゲーム検証でも示した通り、軽めのゲームであれば400fps以上の超高フレームレートが出るし、DXRを使った超重量級ゲームでも4K&最高画質設定で快適に遊べるポテンシャルを備えている。標準構成で約30万円(税別)という価格は決して過大ではなく、現時点での最高のゲーミングPCが欲しい人にとっては最大の投資効果を発揮してくれることだろう。画質重視派のゲーマーでも、eスポーツシーンにおける勝ち重視派のゲーマーでも、文句なくオススメできる一品だ。

だがG-Tune EP-Zを購入するなら、ディスプレイのスペックには十分注意したい。特に4K「未満」の解像度でプレイするなら、それなりの高リフレッシュレート対応のディスプレイを使わないと肝心のRTX 3080のパワーがほとんど出せない状況になってしまう。フルHD&60Hz液晶など論外中の論外だ。フルHDなら最低でも144Hz、可能ならば240Hz、理想を追求するなら360Hzの超高速ゲーミング液晶を組み合わせるべきだろう。

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 G-Tune EP-Z
CPU Intel Core i7-10700K
メモリ 32GB PC4-21300 DDR4
M.2 SSD 1TB(NVMe対応)/M.2シールド付属
チップセット Intel Z490(ATX)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(スロットイン)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 3080
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.1×2(Type-A/背面×1、Type-C/背面×1)、
USB 3.0×6(前面×2、背面×4)、USB 2.0×2(前面×2)
サイズ W215×D490×H501mm
ディスプレイ
価格 299,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、2020/10/27(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

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